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母でなく父に会ひたし冬の海 柳澤茂

2018年01月28日 | 俳句
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柳澤 茂
母でなく父に会ひたし冬の海

母は海父は山なりそんな心地の昨日今日である。私事ですが独り子として両親の愛情を独占して育ちました。目の中に入れても痛くない目の中で育ったのであります。しかしながら実直正直な両親は真実貧乏に甘んじておりました。母は人に知られたくない苦労を負って堪えました。父は自分の屈辱に溺れ死ぬ如き生き様でした。競馬に狂い酒に狂った戦後の人生でした。思えば夢破れるは人生の常、やるせない父の思いが分かる年齢となったワタクシであります。もしかして父の生き様をなぞっているのかなあ。:俳誌『はるもにあ』(2016年3月号)所載。

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