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春泥の道どこからかとなく乾く 片山由美子

2019年04月17日 | 俳句
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片山由美子
春泥の道どこからかとなく乾く
春泥の泥濘み道を歩いて来た。ふと気がつくとどこからとなく道が乾いている。春泥と言う響きに人生の挫折と屈辱を思い重ねてしまう。恋はことごとく破れ争いはことごとく敗れた。その都度逃れられぬ現実に歯ぎしりして耐えた。そんな時代も今は遠くなった。日々風化してゆく記憶ではあるが、青春の叶わぬ思いはそれはそれで美化されて温存されている。:俳誌「角川・俳句」(2019年4月号)所載。
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