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母が呼ぶ声かも知れず散るさくら 野見山朱鳥

2019年04月05日 | 俳句
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野見山朱鳥
母が呼ぶ声かも知れず散るさくら
満開の桜に遊んでいたら一吹きの風にどっと散り出した。ふと母に呼ばれている様な気持ちが襲う。感受性が強く泣き虫だった私だが母の懐には自分の居場所があった。何時まで経っても夢に現に母は存命である。母の年を越えると言うのに母は母である不思議な気持ちだ。こんな気持ちは私だけではない気がする。また誰かがきっと母恋いの名句を作るだろう。ああマザコン誰に憚ることも無し。:山本健吉「鑑賞俳句歳時記」(1997年1月15日)所載。
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