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おひばねの高々と母消えにけり 井上弘美

2018年01月08日 | 俳句
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井上弘美
おひばねの高々と母消えにけり
お正月には羽根ついて独楽を回して遊びましょう。そんな昭和のノスタルジアの中に母はいる。年が明けて抜ける様に青い空だ。近郊の工場も煙を止めている底抜けの青さだ。ややもすれば食傷気味の肉体が運動を欲している。さあ母さんゆきましよっ!ポンと突く羽根にポンと返す音は、、、聞こえて来ない。亡き母の幻を相手に着いた羽根は自ら又青空へ打ち返すのみである。:現代俳句文庫『井上弘美句集』(2012年1月3日)所載。