やんまの気まぐれ・一句拝借!

俳句喫茶店<つぶやく堂>へご来店ください。

一行の詩となり雁の渡りけり 坂本玄々

2017年10月26日 | 俳句
420
坂本玄々
一行の詩となり雁の渡りけり
気配を感じて空を見上げる。長々と列をなして雁が渡って行く。淡く澄み切った空は一服の絵の様に美しい。いやむしろこれは一行の詩ではなかろうか。越冬の為労苦を重ねて渡るものある一方で熊や蛇など冬眠するものもある。それぞれの種族の知恵が血脈を後世へ繋いでゆく。この雁の列も長々と見えるが言い換えればたったこれだけの一族でしか無いのかも知れぬ。頑張れ。:朝日新聞『朝日俳壇』(2017年10月16日)所載。