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銀河へは向かはぬ列車森に入る 望月周

2017年10月17日 | 俳句
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望月 周
銀河へは向かはぬ列車森に入る

夜汽車が闇を疾走する。迫るような満点の星。列車はこのまま銀河へと突き進む勢いである。赤い明滅は蠍座だろうか。ああ銀河鉄道、孤独な少年ジョバンニと友人カムパネルラは今どの辺り。ふと視界が森の木々に遮られひと時の想いが覚める。列車は銀河へは向かっていない。現には現に想う人が居る。:俳句雑誌『角川・俳句』(2014年11月号)所載。