上は日本の豪華客船の飛鳥II,50146トン。
上はサン・プリンセス号、77000トンです。
(上と下は世界最大の豪華客船の、オアシス オブ ザ シーズ号、225,282トンの外観と内部の様子です。詳しくは、http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%A2%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%BB%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%BAにあります。)
一昨日、横浜の大桟橋の左右に日本の飛鳥IIとアメリカのサン・プリンセス号が並んで停泊していました。見るとアメリカの船のほうが随分と大きいのです。
戦前生まれの私はすぐにサン・プリンセス号は7万トン余の戦艦武蔵や大和よりも大きいのではないかと考えてしまったのです。
帰宅後、いろいろ調べてみました。そうしたらアメリカのオアシス オブ ザ シーズ号は22万トン以上の船なのです。
上の写真は上から順に飛鳥II号、サン・プリンセス号、オアシス オブ ザ シーズ号の写真です。
急に不安になって海外の国々の豪華客船の数とその大きさを調べてみました。
落胆してしまいた。日本は4隻だけですが、ドイツ16隻以上、イタリア13隻以上、スペインですら5隻以上で、船の大きさは7万トン、9万トンと大きいのです。
もっとすごいのはアメリカで数百隻はありそうです。数だけではありません。アメリカの船には15万トンから20万トンの船がザラにあるのです。
これには正直、度肝を抜かれました。
そこで深く考え始めました。
「どの民族がどのような事にお金を使って人生を楽しむかは、その民族の文化の特徴なのです」というごく当たり前の結論に到達しました。
欧米人は豪華客船にお金を使い人生を楽しむ民族なのです。日本人、そしてアジア人の民族の文化には豪華客船という文化がなじまないのです。はっきり言えば嫌いな趣味なのです。
この結論をもう少し定量的に示します。
豪華客船の国別の数と大きさは末尾の参考資料にしめしました。一目瞭然なのでこれ以上の説明は致しません。
一方、問題は何人の日本人が毎年この豪華客船の趣味にお金を払っているかということです。
日本の国土交通省の調べでは、日本のクルーズ元年という「ふじ丸」の就航した1989年の豪華客船乗船者数は15万人余、それから少し増えたり減ったりしましたがほぼ横ばいで、2011年には18万余人でほとんど一定です。
これを世界の最近の年間乗船者数の約2000万人に比較する非常に少ない感じがします。とくにアメリカの乗船者が急増しています。
従って欧米では豪華客船はビジネスとして大きな成長分野なのです。
これは欧米と日本、そしてアジアとの文化の根源的な相違が原因になっています。
話は飛びますが、私は50歳の時から25年間、クルーザーヨットの趣味を楽しんでいました。
ところが日本全体のクルーザー・ヨットの総数は過去30年間、3000艇を越えることはありませんでした。その数はほぼ横ばいです。このヨットの趣味は日本では絶滅危惧種の趣味なのです。
その25年間、何故日本ではヨットの趣味が広がらないかいろいろ考えてみました。
それは豪華客船の趣味と同じような文化の根源的な相違が原因になっているのです。
その原因は幾つかあり、長くなるので次回に説明いたします。
最後にルース・ベネデクトの言葉を強調しておきます。「どんな民族文化にも絶対に優劣は無い」。しかし相違は厳然としてあるのです。
それはそれとして、
今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
=======参考資料===================
日本と海外の豪華客船の一覧表(出典:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%BA%E5%AE%A2%E8%88%B9)
======日本の豪華客船=======================
飛鳥II:50,142トン
- 日本クルーズ客船(SHKライングループ)
- 日本チャータークルーズ(商船三井客船・日本クルーズ客船合弁)
======海外の豪華客船======================
- アイーダディーヴァ級<同型船7隻> (総トン数69,203t 2007年就航<第1船>)
- アイーダヴィータ級<同型船2隻> (総トン数42,289t 2002年就航<第1船>)
- アイーダカラ (総トン数38,557t 1996年就航)
- MSC ファンタジア級<同型船4隻> (総トン数137,936t 2008年就航<第1船>)
- MSC ムジカ級<同型船4隻> (総トン数90,409t 2006年7月就航<第1船>)
- MSC リリカ級<同型船2隻> (総トン数59,058t 2003年6月就航<第1船>)
- MSC アルモニア級<同型船2隻> (総トン数58,714t 2001年6月就航<第1船>)
- MSC メロディ(総トン数35,143t 1982年4月就航)
- マリーナ級<同型船2隻> (総トン数66,084t 2011年就航<第1船>)
- レガッタ級<同型船2隻> (総トン数30,277t 1998年就航<第1船>)
- ノーティカ (2000年就航)
- カーニバル・ドリーム級<同型船3隻> (総トン数128,251t 2009年就航<第1船>)
- カーニバル・ブリーズ(総トン数128,251t 2012年就航<第3船>)
- カーニバル・コンクェスト級<同型船6隻> (総トン数110,239t 2002年就航<第1船>)
- カーニバル・デスティニー級<同型船3隻> (総トン数101,353t 1996年就航<第1船>)
- カーニバル・トライアンフ(総トン数101,353t 1999年就航<第2船>)
- カーニバル・スピリット級<同型船4隻> (総トン数85,920t 2001年就航<第1船>)
- ファンタジー級<同型船8隻> (総トン数70,367t 1990年就航<第1船>)
- キュナード・ライン(イギリス/アメリカ)※カーニバルクルーズ傘下
- クイーン・メリー2(総トン数148,528t 2004年就航)
- クイーン・エリザベス (総トン数90,901t 2010年就航)
- クイーン・ヴィクトリア (総トン数90,049t 2007年12月就航)
- クラシック・インターナショナル・クルーズ(ポルトガル)
- プリンセス・ダナエ (総トン数16,531t 1955年就航)
- クリスタル・クルーズ(アメリカ)※日本郵船完全子会社
- クリスタル・セレニティ(総トン数68,870t 2003年就航)
- クリスタル・シンフォニー (総トン数51,044t 1995年就航)
- クリッパーオデッセイ (総トン数 5,218t 1999年就航)
- コスタ・クルーズ(イタリア/アメリカ)※カーニバルクルーズ傘下
- コスタ・コンコルディア級<同型船4隻> (総トン数114,147t 2006年就航<第1船>)
- コスタ・フォーチュナ級<同型船2隻> (総トン数102,587t 2003年就航<第1船>)
- コスタ・ルミノーザ級<同型船2隻> (総トン数92,720t 2009年就航<第1船>)
- コスタ・アトランティカ級<同型船2隻> (総トン数85,619t 2000年就航<第1船>)
- コスタ・ヴィクトリア (総トン数75,166t 1996年就航)
- コスタ・クラシカ級<同型船2隻> (総トン数52,926t 1992年就航<第1船>)
- コスタ・アレグラ (総トン数28,430t 1969年就航)
- コスタ・ヴォイジャー (総トン数24,391t 2000年就航)
- ル・ボレアル級<同型船2隻> (総トン数10,944t 2010年就航<第1船>)
- シーボーン・クルーズライン(アメリカ)※カーニバルクルーズ傘下
- シーボーン・オデッセイ級<同型船3隻> (総トン数32,346t 2009年就航<第1船>)
- シーボーン・プライド級<同型船3隻> (総トン数9,975t 1998年就航<第1船>)
- シルバー・スピリット(総トン数36,009t 2009年就航)
- シルバー・シャドー級<同型船2隻> (総トン数28,258t 2000年就航<第1船>)
- シルバー・クラウド級<同型船2隻> (総トン数16,927t 1994年就航<第1船>)
- スーパースター・ヴァーゴ (総トン数75,338t 1999年就航)
- スーパースター・アクエリアス(総トン数51,309t 1993年就航)
- スーパースター・ジェミナイ(総トン数50,764t 1992年就航)
- スーパースター・リブラ (総トン数42,285t 1988年就航)
- スター・パイシス (総トン数40,053t 1989年就航)
- メガスター・トーラス級<同型船2隻> (総トン数3,200t 1991年就航)
- セレブリティ・ソルスティス級<同型船5隻> (総トン数121,878t 2008年就航<第1船>)
- ミレニアム級<同型船4隻> (総トン数91,000t 2000年就航<第1船>)
- センチュリー級<同型船3隻> (総トン数71,545t 1995年就航<第1船>)
- セレブリティ・マーキュリー(総トン数71,545t 1997年就航<第3船>)、現マイン・シフ2。
- アザマラ級<同型船2隻> (総トン数30,277t 2000年5月就航)
- セレブリティ・エクスペディション(総トン数2824トン 2001年就航)
- ディズニー・ドリーム級<同型船2隻> (総トン数129,690t、2011年就航<第1船>)
- ディズニー・マジック級<同型船2隻> (総トン数83,338t 1998年就航<第1船>)
- トムソン・ドリーム (総トン数54,763t 1986年就航)
- アイランド・エスケープ (総トン数40,171t、1982年就航)
- トムソン・スピリット級<同型船2隻> (総トン数33,930t 1983年就航<第1船>)
- ノルウェージャン・エピック(総トン数155,873t 2010年就航)
- ノルウェージャン・ブレイクアウェイ (総トン数146,600t 2013年就航)
- ノルウェージャン・ジュエル級<同型船4隻> (総トン数93,502t 2005年就航<第1船>)
- ノルウェージャン・スター級<同型船2隻> (総トン数91,740t 2001年就航<第1船>)
- ノルウェージャン・スカイ級<同型船2隻> (総トン数77,104t 1999年就航<第1船>)
- ノルウェージャン・サン (総トン数78,309t 2001年就航)
- ノルウェージャン・スピリット(総トン数75,338t 1998年就航 ※ 元スタークルーズのスーパースター・レオ)
- プライド・オブ・アメリカ (総トン数80,439t 2005年就航)
- オイローパ2 (総トン数42,830t 2013年就航)
- コロンブス2 (総トン数30,277t 1998年就航)
- オイローパ (総トン数28,890t 1999年就航)
- C. コロンブス (総トン数15,067t 1997年就航)
- ハンゼアティック (総トン数8,378t 1991年就航)
- ブレーメン (総トン数6,752t 1990年就航)
- クラブ・ハーモニー(総トン数25,558t 1969年就航)
- ドイッチュラント(総トン数22,496t 1998年就航)
- アルタニア (総トン数44,348t 1984年就航)
- アマデア(総トン数28,856t 2006年就航 ※元飛鳥1991年就航)
- アルバトロス (総トン数28,518t 1973年就航)
- アレクサンダー・フォン・フンボルト (総トン数15,343t 1990年就航)
- ダイヤモンド・プリンセス級<同型船2隻> (総トン数115,875t 2004年就航<第1船>)
- サファイアプリンセス(総トン数115,875t 2004年就航)
- カリビアン・プリンセス級<同型船4隻> (総トン数112,894t 2004年就航<第1船>)
- グランド・プリンセス級<同型船3隻> (総トン数108,806t 1998年就航<第1船>)
- コーラル・プリンセス級<同型船2隻> (総トン数91,627t 2002年就航<第1船>)
- サン・プリンセス級<同型船3隻> (総トン数77,441t 1995年就航<第1船>)
- パシフィック・プリンセス級<同型船2隻> (総トン数30,277t 1999年就航<第1船>)
- ソブリン (総トン数73,192t 1988年就航)
- エンプレス (総トン数48,563t 1990年就航)
- パシフィック・ドリーム級<同型船2隻> (総トン数47,427t 1990年就航<第1船>)
- オーシャン・ドリーム (総トン数36,265t 1981年就航)
- バルモラル (総トン数43,537t 1988年就航)
- ブラック・ウォッチ級<同型船2隻> (総トン数28,613t 1972年就航<第1船>)
- ブレーマー (総トン数24,344t 1993年就航)
- ホーランド・アメリカライン(HAL)(アメリカ)※カーニバルクルーズ傘下
- ユーロダム級<同型船2隻> (総トン数86,273t 2008年就航<第1船>)
- ザイデルダム級<同型船4隻> (総トン数82,305t 2002年就航<第1船>)※カーニバルスピリット同型船
- ロッテルダム級<同型船4隻> (総トン数59,652t 1997年就航<第1船>)
- フォーレンダム(総トン数60,906t 1999年就航)
- アムステルダム(総トン数60,874t 2000年就航)
- スタテンダム級<同型船4隻> (総トン数55,819t 1993年就航<第1船>)
- プリンセンダム (総トン数37,983t 1988年就航)
- リージェント・セブン・シーズ・クルーズ(アメリカ)
- セブン・シーズ・マリナー (総トン数48,075t 2001年就航)
- セブン・シーズ・ボイジャー (総トン数42,363t 2003年就航)
- セブン・シーズ・ナビゲーター (総トン数28,550t 1999年就航)
- ルイス・オリンピア (総トン数37,773t、1982年就航)
- ルイス・マジェスティ(総トン数40,876t 1992年就航)
- ジ・エメラルド(総トン数26,428t、1992年就航)
- クリスタル(総トン数25,611t、1992年就航)
- オリエントクイーン (総トン数15,781t、1968年就航)
- ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(RCI)(アメリカ)
- オアシス・オブ・ザ・シーズ級<同型船2隻> (総トン数225,282t 2009年就航<第1船>)【世界最大】
- フリーダム・オブ・ザ・シーズ級<同型船3隻> (総トン数154,407t 2006年就航<第1船>)※ボイジャー・オブ・ザ・シーズ拡大型
- ボイジャー・オブ・ザ・シーズ級<同型船5隻> (総トン数137,276t 1999年就航<第1船>)
- レディアンス・オブ・ザ・シーズ級<同型船4隻> (総トン数90,090t 2001年就航<第1船>)
- ラプソディ・オブ・ザ・シーズ級<同型船2隻> (総トン数78,491t 1997年就航<第1船>)
- グランジャー・オブ・ザ・シーズ級<同型船2隻> (総トン数73,817t 1996年就航<第1船>)
- モナーク・オブ・ザ・シーズ級<同型船2隻> (総トン数73,937t 1991年就航<第1船>)
- レジェンド・オブ・ザ・シーズ級<同型船2隻> (総トン数69,130t 1995年就航<第1船>)
- P&Oクルーズ(イギリス/アメリカ)※カーニバルクルーズ傘下
- ヴェンチューラ級<同型船2隻> (総トン数116,017t 2008年就航<第1船>)
- アズーラ (総トン数115,055t 2010年就航)
- アーケイディア (総トン数82,972t 2005年就航)
- オセアナ (総トン数77,499t 2000年就航)
- オーロラ(総トン数76,152t 2000年就航)
- オリアナ (総トン数69,153t 1995年就航)
- アドニア(総トン数30,277t 2001年就航)
- スピリット・オブ・オセアヌス (総トン数4,200t 2000年就航)
- エクスプローラー (総トン数24,318t 2001年就航)
- ザ・ワールド(総トン数43,524t 2002年就航)
- オーシャン・ドリーム (総トン数35,265t 1981年就航)
=====豪華客船乗船者数の推移=====================
(http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130429-00000004-pseven-bus_all)
日本人のクルーズ旅行利用者数は、2011年で18.7万人(国土交通省調べ)。過去を振り返っても、日本のクルーズ元年と言われる「ふじ丸」(商船三井)が就航した1989年が15万4千人、翌1990年は17万5千人に増えたが、以後は微増微減が繰り返されるばかり。利用者数は20万人前後から動かない状態が続いている。市場としては停滞していた印象がぬぐえない。
一方、世界のクルーズ産業は近年、急激に伸び続け、今やクルーズ人口が2千万人に迫ろうとしている。旧来のシニア向けだけではなく、カップルや家族連れが、ときにはペットも一緒に移動しながら旅を楽しむ形が広まってきている影響だという。ところが、これほど伸びているクルーズ人口の大半が米国と欧州で、アジア市場は未開拓なのだ。
外資を迎え撃つ形になった日本のクルーズ会社が加盟する、一般社団法人日本外航客船協会事務局は「商売敵が増えるので、もろ手を挙げて賛成とは言えないんですが」としつつも、市場拡大の効果も期待している。
「米国では1990年にクルーズ人口が350万人だったのが、2000年には690万人、2011年には1044万8000人と約3倍に増えています。一方、日本は20年間、ほぼ横ばいです。ですが、団塊の世代がリタイアし始め、海外で船旅を体験する人も増えてきたので、日本市場は拡大する見込みがあるとみられています。クルーズ人口の分母が増える効果が出れば、日本のクルーズ会社のサービスの質の高さが改めて注目を集めると期待しています」
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