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11日、東北地方太平洋沖地震から8年山梨県内ではこんなことが・・・・・

2019-03-12 01:28:49 | 日記
今回も、この東北地方太平洋沖地震、どのように引き起こされたのか振り返ってみましょう。

一昨年、昨年同日の本ブログ記事を再度引用しますが

①㍻23年東北地方太平洋沖地震発生させた地殻変動の時系列図 防災科学技術研究所HPより引用


◇引用図①より、

宮城県牡鹿半島東約130㌔東で発生した変動(震源)は、発生後90秒までは、プレート間内陸部に近い部分で一部発生するものの、
殆どの変動は、震源より東側、宮城県沖でのプレート間の海底の近い部分(比較的軟らかい地層)主体に変動しており、この変動のずれは、一部で50㍍以上に
及んでおります。



◇変動発生後90秒後になりますと、これまでとは異なり、プレート間でも、陸地に近い部分での変動が発生、比較的古い堅固な地層が変動したことで、比較的
周期の短かい地震波を発生させて、



◇発生100秒後になりますと、福島県沖でも変動が発生、この変動も、プレート間の陸地に近い部分での
変動が広がり、やはりこの地域特有な比較的古い堅固な地層が変動したことで、これまた比較的周期の短かい地震波を形成させながら、プレート間での変動は次第に
茨城県沖へと広がった。

というシナリオを描きました。

②平成3年東北地方太平洋沖地震での宮城県築館、塩竃、茨城県日立 と、平成7年兵庫県南部地震での、兵庫県鷹取と葺合での地震波速度応答スペクトル図
(東京大学地震研究所HPより引用)



引用図②より東北地方太平洋沖地震、前記のように、比較的周期の短い地震波が多く発生したことで、
建造物の深刻な被害を与える地震波は多くなかったことがわかります。

しかしながら、前記のように、プレート間の海底に近い地層の変動が甚大であったことで、未曽有の大津波を引き起こす結果
となりました。

③平成23年東北地方太平洋沖地震で、いずれも震度7を観測(防災科学技術研究所観測)した、
ⅰ:宮城県築館 ⅱ:茨城県日立 ⅲ:栃木県芳賀 での地震波形図(防災科学技術研究所HPより引用

ⅰ:


ⅱ:


ⅲ:


④平成23年東北地方太平洋沖地震での最大加速度観測分布図 防災科学技術研究所HPより引用





引用図③ⅰより、築館では、変動発生後およそ90秒後発生した、宮城県沖での陸地に近いプレート間が変動したことでの
比較的周期が短かい地震波が最大の揺れを引き起こしましたが、周期が短い地震波のため、最大の揺れはすぐにおさまっています。

引用図④より、最大加速度1000GAL以上を観測した、マゼンダ色の観測地点が、宮城県内、福島県内と、関東地方の広範囲にまで
及んでおりますが、今回の地震が、宮城県から福島県、そして、茨城県沖でのプレート間の変動が、陸地に近い比較的深い地域の境界部分で発生したため、
変動した地殻が比較的固く、地下の比較的深い箇所であったため、内陸部の広範囲にまで、比較的周期の短い地震波が発生拡散していったといえる証左ですね。


日立では、変動発生凡そ120秒に最大の揺れを観測、これは、当初発生した宮城県沖の変動に伴う地震波と、福島県沖から茨城県沖に変動が及んで発生した地震波との収束の賜物で、
芳賀(栃木県)での最大の揺れは110秒から120秒にかけて発生しております。


最大の揺れの発生時刻が、ⅰ→ⅱ→ⅲと時系列で変化していることがわかりますが、これは、福島県沖から茨城県沖での変動の伴う地震波と、最初に発生した
宮城県沖での変動で発生した地震波が、福島県中通り地域に広がる、地形的鞍部を伝播して、収束した結果と思われます。

続いて、全被害のおよそ90%をもたらしたといえる 津波 ですが

◇プレート間の変動と、変動に伴う地殻変動との双方で津波を発生させ、双方が合体し、大津波を引き起こした!!⑤岩手県沖~宮城県沖~福島県沖のかけてのGPS波浪計の観測結果(港湾航空技術研究所HPより引用)
※引用図内メートル表示数字は、観測地点の水深です。


引用図⑤より、地震発生直後から、プレート間の変動に伴う海面の変動が見られ、引用図内矢印で示す第1波の峰は岩手南部沖と宮城北部沖で比較的大きくプレート間の変動が、これらの地域の沖合で大きかった所作ですが、
岩手中部沖や岩手北部沖、それに、福島県沖には、第1波の峰のあと、それ以上に極めて短時間に急な海面の変動が見られます。

この急な海面の変動ですが、
岩手北部沖では15時19分に約4・0㍍上昇、岩手中部沖では、15時12分に約6・3㍍上昇、岩手南部で、ほぼ同時刻の15時12分に、約6・7㍍上昇福島県沖でも、15時15分頃、約2・6㍍上昇 となっており、
各々の地点で、ほぼ同じ時刻頃に、急な海面の上昇が見られます。

なお、宮城北部沖と宮城中部沖でも、津波の第一波の峰自体高いところへ、前記の各地点と同様な短時間での海面の上昇が見られるものの、測定機材が津波の影響で測定不能となってしまい、正確な値は測定不能です。

これら、第1波の峰の後の、短時間の急な海面の上昇は?それは、地震を引き越したプレート間の変動の後、岩手県沖から福島県沖にかけて、プレート間変動とは別の地殻の変動があったといえ、当該地殻変動は、引用図④より、岩手県沖と、もう一つ、福島県沖でも発生したものといえますね。

そして、この地殻変動が発生した原因ですが、引用図➀より、今回の東北地方太平洋沖地震、岩手県沖から茨城県沖にかけて、プレート間の変動は、陸側の直下に近い箇所からプレート間の境界の日本海溝の海底に近い箇所まで広範囲に変動が生じましたが、とりわけ変動した面積が大きい箇所は、岩手県沖から宮城北部沖の部分と、もう一つ、福島県沖沖にもみられます。
どうも、この、変動の面積が大きい ア:岩手県沖から宮城県北部沖 と イ:福島県沖で、海溝側に堆積している比較的柔らかい地層が、プレート間変動に触発されて、大規模にかつ、急激に崩壊移動したためではなかろうかと私は考えております。

今回の東北地方太平洋沖地震のように地震を起こすプレート間の変動が、海底近くの箇所が広範囲に大きくなった場合、2次的な地殻変動が海底で発生しやすく、大津波をひこ起こす。このことは今後の教訓となるでしょう!!

◆山梨県内での特徴は?

⑥平成23年東北地方太平洋沖地震での山梨県内
ⅰ忍草(震度5強) ⅱ中央市成島(震度5強) ⅲ甲州市役所(震度5弱)の気象庁観測地震波と計測震度時系列図(10秒ごとの計測震度を表示)気象庁HPより引用

ⅰ忍草(震度5強):


ⅱ中央市成島(震度5強):


ⅲ甲州市役所(震度5弱):


ⅰ、ⅱともに、表土層が軟弱な地盤が厚い地域であり、ⅲは、扇状地に位置し、比較的地盤の固い礫層が分布しておりますが、

ⅲは、地震波の3成分(東西、南北、上下方向)とも比較的顕著に観測されております。これは、基盤が傾斜している地域の典型的な特徴で、扇状地という基盤が傾斜している地形的特性を持つ地域
に甲州市役所が位置していることの証左であります。

一方、ⅰ、ⅱともに上下成分よりも、東西、南北成分が顕著で、上下方向の揺れの最大を観測した後の、東西、南北方向の地震波の揺れは大きくなっております。さらに、揺れの最大は、東西、南北方向で
観測されており、揺れ方も甲州市役所より大きく、大きな揺れの継続時間が長く、最大の揺れの観測時刻も、震源地からほぼ同一距離にかかわらず、ⅰ、ⅱがⅲよりも遅れて(8秒から10秒程度)発生しているのが特徴です。

このことこそ、忍草と中央市成島が表土層が軟弱地盤上の位置していることを如実に物語るものです。

地震波は、表土層が軟弱であるほと

イ:揺れは大きくなる  

ロ:大きな揺れは、固い地盤の地域より遅れてやってくる 

ハ:大きな揺れの継続時間は固い地盤の地域より長い


という特性があります。



これは、軟弱な地盤では、地震波の伝搬速度が遅くなり、その結果、揺れの振幅は増幅されること。なのです。



猛烈な暑さ続く!熊谷では観測史上最高41・1℃を観測!山梨県内では甲府で40・8℃と5年ぶり記録的酷暑!!

2018-07-23 23:52:42 | 日記

ⅰ:7月23日12時の天気図 気象庁HPより引用



ⅱ:7月23日16時までの日最高気温一覧図 気象庁HPより引用



ⅲ:7月23日16時までの山梨県内周辺日最高気温一覧図 気象庁HPより引用



連日、東北南部以西の各地では、所によっては体温以上の猛烈な暑さが続いていますが、23日は、関東地方や東海地方中心に、まさに、命にかかわる危険な猛暑となりました。

日中の最高気温は、

埼玉県熊谷で全国の観測史上最高となる41・1℃を観測し、東京都多摩地区青梅で40・8℃、
岐阜県多治見で40・7℃、山梨県甲府で40・3℃と、全国各観測地点の4地点で40℃を超えています。

名古屋で39・6℃、東京都心でも、観測史上4位となる39・0℃を観測しております。

山梨県内では、甲府で最高気温40・3℃と 観測史上3番目、5年前の㍻13年8月以来の最高気温40℃超えとなりました。


この暑さの原因ですが

②7月23日6時、9時、12時全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用
ⅰ:6時


ⅱ:9時


ⅲ:12時


引用図②ⅰ、ⅱ、ⅲより、日本付近では、東北地方以西で、上空3000㍍付近、2000㍍付近、1000㍍付近とも、時計回りの気流の流れとなっていて、背の高い高気圧の覆われている様子がわかります。この状態は、ここ2週間程度持続しております。引用図にはありませんが、東北以西で、太平洋高気圧の上側にチベット高気圧が張り出して、上空10000㍍以上まで下降気流が卓越していることが原因ですが、

さらに、23日は、関東地方から中部地方にかけて、概ね北西の風向で、風速は、関東地方や東海地方といった太平洋側中心に10㍍毎秒以上と強まっております。この状態は、北西風が関東山地や中部山岳を越える際に、山越えのフェーン現象を引き起こしている証左であり、太平洋高気圧とチベット高気圧とが、タッグを組んでいる状態に、中部山岳の山越え気流のよるフェーン現象が加わったこと。言ってみれば、太平洋高気圧、チベット高気圧、山越えフェーン現象の、3つのタッグによって引き起こされたわけです。


県内各地で季節外れの高温!

2018-04-05 00:43:38 | 日記
①4月4日(17時まで)の山梨県周辺各観測地点最高気温一覧 気象庁HPより引用


4日の山梨県内では、各地で気温が上がり、県内各観測地点では、すべて本年最高を観測!
6月中旬から7月中旬並みの暑さとなりました。

大月では、最高気温が29・1℃と、全国の各観測地点で最高の気温を観測しております。

この季節外れの暑さですが

②4月4日12時の天気図 気象庁HPより引用


③4月4日の、ⅰ:午前10時  ⅱ: 午後2時 の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図
気象庁HPより引用

ⅰ:


ⅱ:


引用図②③より、4日日中、関東以西の各地では、寒冷前線の南側に入り、上空1000㍍〜3000メートルにかけて、本州南海上では、大きく反時計回りの気流が流れていて、優勢な高気圧に覆われていることがわかり、本州上では、前記優勢な高気圧の外縁部に入っていて、高気圧の縁を廻るようにして、暖気が本州上に流れ込んでいる様子がわかります。

さらに、 上空2000㍍と3000㍍では、北陸地方と静岡周辺で、風速が10㍍毎秒~20㍍毎秒と強めで、風向は、北陸でおおむね西南西風、静岡県周辺で西寄り風、名古屋周辺で西北西風となっており、これは、中部山岳で西寄り風が分断されていることをしますものです。さらに、関東の内陸部に目を向けると、上空2000㍍〜1000㍍では、風向疎らで風速は弱め、勝浦では逆に南西風が強めとなっています。
このことは、前記した、中部山岳で分断された気流が生じた結果、中部山岳で、風下側の関東平野や甲信南部で山越えのフェーン現象が発生している証左であり、このため、山梨県内各地で気温が上昇したわけですね。

また、上空2000㍍と3000㍍において、静岡周辺で風速が10㍍毎秒~20㍍毎秒と強め ということは、富士山の北側上空2000㍍と3000㍍では、東西方向に地形的鞍部になっていますから、この地域で西寄り風が強まっていることが推測され、この推測される強風域の北側に位置する大月周辺では、前記の富士山北側上空に気流が引っ張られるため下降気流が局地的に強まり、一層の高温に繋がったわけです。

関東地方、甲信越地方南部中心にして大雪!降雪分布を細かくみると・・・・・(1月22日の事例より)

2018-01-31 01:44:53 | 日記
①1月22日18時の天気図 気象庁HPより引用



1月22日は、低気圧が発達しながら本州の南岸を東北東へ進み(南岸低気圧)、低気圧が北から寒気を引っ張り混んだため、
普段、降雪になりにくい、関東地方や甲信越地方中心に大雪となりました。

関東地方各地の積雪ですが(22日24時までの24時間降雪量)

奥日光 30㌢

前橋  29㌢

宇都宮 27㌢

東京  23㌢

水戸  19㌢

横浜  18㌢

つくば 16㌢

千葉  10㌢


東京では、平成26年2月14日以来の降雪20㌢以上となりました。

②1月22日24時までの、関東地方周辺の各観測地点での、24時間降水量日最大値画像 気象庁HPより引用


③1月22日15時、18時、21時の アメダス関東周辺風向風速分布図 気象庁HPより引用
15時:
18時:
21時:

④1月22日15時、18時、21時の 全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用
15時:
18時:
21時:



引用図②より、
22日、日降水量が20㍉以上と比較的まとまった地域を見ると、ア:千葉県太平洋沿岸〜茨城県鹿行地域南部と、イ:神奈川県箱根周辺、ウ:山梨県富士五湖地域に見られるほか、エ:東京23区~東京多摩地区東部、神奈川県相模原地区周辺にも見られますが、

引用図③④より

アは、低気圧接近通過に伴って、海上からの気団と関東平野の気流とが収束したため 

イ,ウは、下層(上空1000㍍以下)の気流が山の斜面に衝突し、気流が強制上昇したため

エは、下層(上空1000㍍以下)の気流の流れの水平方向でコントラストが大きくなったため


さらに、これら ア、イ、ウ、エ は

⑤1月22日15時、18時、21時の 関東周辺推計気象分布図(天気)気象庁HPより引用
15時:
18時:
21時:


⑥1月22日15時、18時、21時の 関東周辺推計気象分布図(気温)気象庁HPより引用
15時:
18時:
21時:


引用図⑤⑥より、

アは 概ね雨かみぞれで 気温2℃以上で推移していますが、イ、ウ、エ は 概ね雪 気温は0℃以下で推移したことと、引用図③より、18時以降、関東地方の水戸と勝浦上空1000㍍の風向風速は概ね北東風で風速10㍍毎秒以上と強まっています。低気圧接近に伴って、北からの下層寒気の流入が一層強まっていることを示すもので、その証左として、引用図⑥より、18時以降、関東平野(特に南部)で気温の下降が顕著で、東京都心でも、18時以降、0℃あるいは氷点下の気温となっています。

このように下層寒気の流入が強まったことと、前記ア、イ、ウ、エ の気象特性が加味された点、22日の大雪の特徴といえるでしょう。

山梨県では、前記ウの地域にあたる。東部地域大月で26㌢を観測したほか 富士五湖地域や東部梁川地区、秋山地区では、降雪量が概ね30㌢以上、山中など富士五湖地域の一部では40㌢以上を観測しましたが、引用図②より、下層(上空1000㍍以下)で風向疎らで風速弱めだったことで、下層寒気の流入が顕著にならなかったため、中西部では、降雪量は比較的少なく、甲府で5㌢、櫛形で10㌢ で済みました。

北東気流 山梨県内の影響は東部富士五湖止まり(8月10日の事例)

2017-08-11 18:10:27 | 日記
①8月10日9時の天気図 気象庁HPより引用


8月10日は、低気圧が日本の東海上と日本海西部にあり、オホーツク海から北日本や東日本へ高気圧が張り出す気圧配置となりました。

こうなりますと、関東平野や北日本の太平洋側には、北東気流と呼ばれる、比較的冷涼で湿った気流が入り混んで、この方面は、気温が上がらず、天気も曇天気味で、
所々で小雨や霧雨もぱらつく、うっとうしい天気となってしまうものです。

ただ、山梨県内では、この、北東気流の影響を受けやすいのは東部と富士五湖止まり。県内笹子峠の山地を境に、甲府など、中西部の盆地地域では、その影響を受けにくく、
東部富士五湖地域と中西部とでは、きわめてコントラストの強い天気分布をします。

北東気流が関東平野周辺の流れ込んでいる時、東京都心から山梨県方面へ、中央本線や中央自動車道を利用して移動すると、東京都内から、県内笹子周辺まで曇天が続いて、場合によっては、小雨や霧雨がぱらつく天気となり、特に、気流が山地にぶつかる小仏トンネル東側や、笹子トンネル東側に位置する大月以西の地域では、見通しが悪くなったりますが、笹子トンネルを出るとともに、、
晴天に恵まれて、気温も上昇している といった気象状況を魔のあたりに体験できますね。

10日の例も多分に漏れずです。

②8月10日 
ⅰ イ:9時の日本付近可視雲画像図 ロ:日本付近赤外雲画像図
  A :9時のアメダス山梨県周辺日照分布図  
  a :9時のアメダス山梨県周辺気温分布図

ⅱ:イ:12時の日本付近可視雲画像図 ロ:日本付近赤外雲画像図
  A :12時のアメダス山梨県周辺日照分布図  
  a :12時のアメダス山梨県周辺気温分布図

ⅲ:イ:15時の日本付近可視雲画像図 ロ:日本付近赤外雲画像図
  A :15時のアメダス山梨県周辺日照分布図  
  a :15時のアメダス山梨県周辺気温分布図

を見てみましょう(すべて気象庁HPより引用)



ⅰイ:
 
ロ:

A :

 a :


ⅱイ:
 
ロ:

A :

 a :


ⅲイ:
 
ロ:

A :

 a :


因みに、
可視雲画像は、太陽光が雲に反射して発生した可視光線の濃度から 赤外画像は、雲から大気中に放出される赤外線の濃度から雲の状態を画像化するもので、可視画像は、雲の密度が大きいほど、赤外画像では、雲長高度が高いほど、画像が白く輝くようになります。
であれば、10日に、関東平野周辺に広がる雲は、可視画像で白く輝き、赤外画像でぼやけた薄い画像でありますから、雲の密度が大きいが、雲長高度は低い、背の低い雲(層積雲)の集団が広がっているといえます。
その証拠に、山梨県周辺へ目を向けますと、甲府盆地周辺では、雲の切れ間が広がっているものの、
東部富士五湖地域では、雲に覆われている様子がわかり、日照時間分布より、中西部甲府盆地周辺では、日差しに見恵まれておりますが、東部富士五湖では、日照時間が軒並み1時間当たり、0・4未満と、曇天の様子ですね。

この、北東気流により、背が低いが密度の大きな雲の集団が発生するのか見てみましょう。

③10日 全国ウインドプロファイラー風向風速分布図
ⅰ:9時 ⅱ:12時 ⅲ:15時  ともに気象庁HPより引用

ⅰ:

ⅱ:

ⅲ:

引用図③より、
北東気流発生時に雲に覆われやすい、北日本から東日本の太平洋沿岸の各地では、上空1000㍍付近で、概ね北東風と、海上から吹くつける気流となっていますが、上空2000㍍より上側では、概ね南西〜西寄り風となって上空2000㍍より下側で、気流の鉛直方向の分布のコントラストが強い状態(鉛直シアーが大きな状態)といえ、上空2000㍍より下方(下層)で、北東風となって海上を渡ってきたため、湿潤な状態の気流が、鉛直シアーが大きな状態下で、雲を発生、さらに、北日本や東日本太平洋側の地形的特性(西側に山地があり、その山地に、前記した鉛直シアーが大きな気流がぶつかって、下層での雲の発生をさらに顕著にさせる。このことで、北東気流により、背が低いが密度の大きな雲の集団が発生するといえそうです。
北東気流発生時に、鉛直シアーが大きな高度、概ね700㍍〜1500㍍程度(筆者調べ)、それ故。南北方向へ分布する標高1500㍍以上の山地を超えて、北東気流に伴う雲は発生できません。

なので、山梨県内では、中西部の盆地地域、北東気流の影響を受けにくいわけなのです。

10日の事例でも、北東気流の影響を受けた関東平野の各地では、最高気温は軒並み30℃未満と平年以下の気温でした。

山梨県内でも、10日の最高気温は、日差しが陰り気味であった東部富士五湖地域に位置する 大月で29・9℃ 河口湖28・7℃ 山中27・5℃止まりでしたが、一方で日差しに恵まれた中西部では、勝沼で35・1℃の猛暑日!甲府で34・3℃、韮崎でも32・2℃と、うだるような暑さでした。