政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的な歴史書等をいいます。
現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

民主党への期待と要望

2009-08-31 18:06:38 | 民主党
総選挙は民主党の圧勝に終わった。
いよいよ民主党政権が発足する。

ここで一つ民主党に注文がある。
それは自民党にあって民主党にないものである。
「図々しさ」あるいは「ふてぶてしさ」と言ったらいいか。
あるいは「開き直り」と言ってもいいだろう。
今後、折に触れ官僚やマスコミ、自民党やら財界等から民主党に対する様々なスキャンダル攻撃がなされることと思われる。
そのとき一々馬鹿正直に反応してはいけない。
あれだけバカな麻生でも、民主党は解散に追い込めなかったのだ。
政権与党が、政権を手放すまいと決心したら、解散に追い込むことは不可能に近いのだ。
自民党は安倍が放り出し、福田が投げ出しても政権を握り続けることができたのだ。
自民党にできて民主党にできないことはあるまい。
何が何でも4年間は自民党を政権の座に戻してはならない。
国民世論を重視することは大切だが、しかしそれに振り回されすぎてもいけない。
内閣支持率10%代でも麻生は政権を維持できたのだ。
麻生にできて鳩山にできないことはあるまい。
無邪気な正義感などはしばらく封印しておくことだ。

第一次鳩山内閣の最優先課題は、自民党の復活を許さぬことである。
しばらく無視していれば自民党が勝手に動き出す。
森・安倍・麻生などの役にも立たない極右勢力と他の連中が分裂騒ぎを起こす可能性もある。
比例で辛うじて救われたような老害重鎮と若手議員達との世代間戦いもあり得る。
金と権力から離れた自民党がバラバラになっていくのをじっと見守っていればいいのだ。
鳩山は、当分の間党首討論には応じないこと。
多分次の自民党総裁は石破茂が最有力であろうとわたしは思っているが、他に石原・桝添・谷垣等の名前も挙がっている。
石原伸晃は都議選敗北の傷がある。
桝添は人徳がない上に参院であることも妨げになるだろう。
谷垣なら怖くも何ともない。
ただ谷垣を除くと、こいつらは揃いも揃って口だけは達者な奴らである。
どいつが出てきても鳩山では少々心許ない。
こいつらは自分の弁舌に自信を持っているだけに、しつこく党首討論を要求してくるだろう。
多忙を理由に、弱小野党(自民党のことである)の要求など、当分無視してもかまわない。
論争に乗らなければどうってことない連中である。
彼等はまだ自分たちが野党に転落したということを本当には実感していない。
そのうち彼等も野党の辛さを骨身にしみて分かるときが来る。
今味わっている衝撃などまだまだ序の口だということを徹底的に分からせてやってほしい。

多分民主党はこれからの四年間を何とかしのいでいけるのではないか、という信頼感をわたしは抱いている。
民主党も成長している。
民主党にも存亡の危機があった。
西松建設献金事件ではない。
一昨年の自民党との大連立騒動である。
当時、福田との会談後、大連立案を党に持ち帰った小沢は、幹部達全員の反対を受け辞任を表明した。
あの時大連立に踏み切っていたら、今日の大勝利はなかったであろう。
またあの時、小沢の辞意撤回に鳩山達が動かなかったら今日の勝利はなかったろう。
そして小沢が代表続行を承知しなかったなら今日の勝利はなかったろう。
この経験は意味があった。
西松建設献金事件では民主党内では小沢降ろしといえるような動きは、ごく一部にとどまり、小沢辞任後は、鳩山は小沢を敢然と代表代行に起用し、党内もそれですんなりまとまっていった。
最後の最後まで見苦しく続いていた自民党の麻生降ろしとは好対照である。

今回大量の小沢チルドレンの誕生で、再び”小沢の影響力”だの”権力の二重構造”だのと批判がましきことを言いだす奴らもいるだろう。
そんな批判は単なるナンクセ・嫌がらせに過ぎない。
無視するに限る。
まだまだ小沢の力は必要である。
小沢がいなくなって喜ぶのは、官僚・自民党・マスコミ等である。
わざわざそんな奴らの手に乗ることはあるまい。

それなりに危機を経験し克服してきた民主党である。
自民党相手に堂々と4年間を戦い抜くことも不可能ではなかろう。





祝!政権交代


古書 那珂書房

特に歴史書が充実しています