政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的な歴史書等をいいます。
現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

2009.8.30!+金まみれの世襲議員たち

2009-08-30 06:01:05 | 自民党
自民党の議員達は、大物・小物おしなべて大苦戦のようだ。
矜恃とか品格というものはかなぐり捨てて──もともと持っていたわけではないが──、必死の選挙戦を戦っているらしい。
もっとも戦いの中身はもっぱら民主党に柄の悪い悪口を投げつけるだけである。
しかし、よそのお店の商品をこき下ろしても、自分の店の商品が売れるようになるわけではない。
そんなことをしている暇があったら自分の店の商品の宣伝をすればいいのに。
もっとも並べてある商品が、日の丸の旗だの靖国神社の写真だとかミサイル迎撃のおもちゃなどではお客さんは寄りつかない。

さて、そのよその店の悪口の一つ。
店の悪口だけでは足りず、お客さんの悪口まで言っている!

【09衆院選】「目先のお金に釣られてる」 民主優勢に塩谷文科相 (msn産経ニュース 2009.8.25 )
 塩谷立文部科学相は25日の閣議後会見で、新聞などの世論調査で衆院選で民主圧勝が予測されている状況について「(子ども手当など)目先のお金に釣られて、みんなそういう雰囲気になったのかな、という気がする」と劣勢に懸念を示し、「民主党の政策には、国家として何を目指すかという明確なビジョンがない」と批判した。

 「目先のお金」の意味として塩谷文科相は、民主党がマニフェストで掲げる「子ども手当」「高速道路無料」「高校無償化」を挙げ、「ほかに(圧倒的優勢の)理由が分からない」と述べた。


目先のお金に釣られている?
国民に対するとんでもない侮辱であるが、こんな奴に言っても仕方がない。

文部科学大臣といえば、全国の生徒・学生のお手本となるべき役職である。
しかし、当の本人こそ金まみれのダーティ大臣。
もちろん世襲議員である。

以前にも取り上げたことがあるのだが、日本道路興運という会社がある。
所得隠し・脱税、天下り、談合、裏献金と悪の限りを尽くす国交省御用達(運転手派遣)の会社である。
ここから塩谷大臣に大金が渡っていた。
2000-03年、塩谷立衆院議員(自民)にも900万円の秘書給与の肩代わりをしている。
同社から年間40万円の株式配当を受けている。
(この株式は父親の塩谷一雄から受け継いだものである)
毎年、パーティ券を購入して貰っている。

塩谷大臣は金づるとしての日本道路興運との腐れ縁まで父親から受け継いでいたのである。
こんな男に「目先の金に釣られて」などと言われる筋合いはない!

この会社からは小淵優子少子化大臣にもお金が渡っている。

日本道路興運側が平成12年から18年にかけ、自民党の小渕優子衆院議員側に計304万円を献金していたことが分かった。小渕氏の事務所は「先代からのおつきあいで献金を受けた」としている。

地盤・看板・カバンを受け継いだが、しっかり裏ルートの金づるまで受け継いでいる。

次いで細田博之幹事長。
こいつは、官僚→オヤジの秘書→議員と世襲政治家の一典型を示している。

細田博之官房長官が、1996年1月から2003年12月にかけて、運転手給与の一部、約3100万円の肩代わりを、運転手派遣会社「日本道路興運」(東京)から受けながら、政治資金収支報告書に記載していなかったことが19日、分かった。

世襲議員は、親の姿を見て育ったが故に、金には汚くなるのである。

ついでに林幹男国家公安委員長。
こちらは、オヤジの秘書→県会議員→衆議院議員
間に県会議員が入っているのは、父親の林大幹が現役でいたため、引退待ちの腰掛けか。
父親の引退でようやく衆議院議員を受け継ぐ。
父親は環境庁長官を務めたが、交通安全対策特別委員会理事を務めていたりするから親子二代の運輸族か?
西松献金事件では100万円の違法献金を受けていたのがあきらかになっているが、時効で起訴は免れている。
しかしこんな事件の直後に国家公安委員長とは、任命する方も受ける方もいい神経をしている。

世襲議員たちの多くは、金づるもまた引き継いでいるのである。
オヤジの秘書を務めながら金集めのテクニックも身につけていく。

金で釣られて政治をねじ曲げてきたのはお前達自民党議員ではなかったか!

総理大臣には「さもしい」と蔑まれ、
文部科学大臣には「金で釣られている」とバカにされる。

明日は覚悟しておけよ!
(2009.8.29)


今日からは風景が変わる。
自公政権が消えて新しい政権ができる。
自民党惨敗を見て、これまでの鬱憤を晴らし、溜飲を下げているだけではならない。
油断すると自民党も官僚達もすぐ復活してしまうだろう。
彼等の復活を許さぬことがわたしたちの今後の目標になる。
こいつらにとどめを刺さなければならない。
政権交代の仕上げは、まだ先のことである。

9月1日・火曜日、総選挙後最初の閣議が開かれる。
多分お通夜のような閣議になることだろう。
当選してこの場に座っているのは何人いるか。
ため息とともに始まり、ため息だけが続き、ため息で終わる。

自民党は、「自民党をぶっ壊す」と叫んだ小泉純一郎によって文字通りぶっ壊されたのである。
郵政選挙での大勝利こそ、自民党崩壊の引き金であった。
以後自民党は政策を忘れ、国民の存在を忘れ、我が世の春を謳歌してきた。
その間考えたことは、いざ選挙になったら、人気者を立てれば勝てる、ということだけだった。
自民党の戦略は人気のある者を党首に据える、ということだけだった。
小泉がそのお手本を示している。
以後徹底的に国民を舐め、蔑み、バカにしてきたきたのが自公政権であった。

彼等はついにその過ちに気づくことなく審判の日を迎え、「何故だ?」と首を捻りながら消え去っていく。
(2009.8.30.朝)





祝!政権交代


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