醤油庫日誌

やかんの映画ドラマ感想文。

「ここに泉あり」

2007年10月10日 | 【か行】タイトル
1955年、独立プロ。
群馬県高崎のアマチュアオーケストラの物語。
人々が食べるのがやっとだった終戦後の苦しい時代に、演奏を続けた団員たちをさわやかに描きます。
雨上がりの校庭のあちこちにできた水溜りに青空が映っています。
木造の古びた校舎、セミの鳴く木々、懐かしい美しい日本の風景です。
ざわつきっばなしの観客に落胆して帰る楽団員に、そっと野花を差し出す女生徒。
らい病院での静かなしかし熱意に溢れた演奏会。
楽器をはじめて見て喜ぶ山奥の分校の生徒たち。
昔の映画は観客を泣かせるのが上手いなぁ。
あざとさのない演出で気持ちよく泣かせてくれます。