醤油庫日誌

やかんの映画ドラマ感想文。

アイズ・ワイド・シャット

2018年11月22日 | 【あ行】タイトル
1999年 アメリカ
トム・クルーズ医師は夜の街を彷徨せず、とっとと心療内科にいくべし。
彼の奥さんはとりあえず教会に行って神父さんに懺悔したらどうだ?
倦怠期の奥さんが、家族旅行先でかっこいい海軍士官がいたでしょ、あの人に誘われてたらアンタも娘も捨てて彼に走ったわ~と言ったので、トム・クルーズ医師は大ショック。
まぁ、ショックだろうね。
だけど、女は性欲なんてないんだろ、なんて言って奥さんをカチンとさせたトム・クルーズ医師もアホです。
それも大麻吸ってラリッた挙句だし。
いや、別に性欲なんてもんでなくて、あくまでトキメキなんだわ。
もしもですよ、行楽地のホテルのロビーでアイアンホース中佐にすれ違って、中佐が私をちらっと見たの、キャッ! もし中佐に誘われてたらどうしよう、なーんて、キャッ! ……別にかまへんやん妄想ぐらいw
ただそれをパートナーに言うてやるなよ。
あと、仮面パーティーが不気味で。
外国の仮面ってなんであんなにおどろおどろしいんだ、不吉感ハンパない。
でも要するにモデル級美女を集めた乱交見学実践パーティーだったんでしょ? 大金持ちの。
仮面とマントでサバトでもしそうな勢いだったけど。
エロシーンもエロというより動物が番っている的乾いた撮り方で、さすがはキューブリックなのである。
そうか、リムジンで乗り付けなきゃダメなんだな……ついついお医者さんならリッチじゃんと考えちゃうけど、あちらじゃ階層的には中流でしかないんだな……。
オーバードーズになったマンディがどうして仮面をつけた男がトム医師だとわかったのか、わからん。
どうして命を張ってまで助けようとしてのかもわからん。
病院の霊安室で病死した患者が素っ裸で冷やされてるのもわからん。
おネェのフロント係、スゲェw
ハンサムだけど小男で小心な善良な医師をトム・クルーズが好演していた。
これがマッチョで大柄な男優だったら情けない印象が先に立つかも…とすまんがちょっと思った。

尼僧物語

2018年11月13日 | 【な行】タイトル
1959年 米
志願生から見習い尼僧へ、そして本物の尼僧へ。
カトリックの尼さんって?という興味に答えてくれる内容。
廊下は慎ましさを表すために端っこ歩くとか、注意を引くときは袖を引っ張れとか、夕食後は沈黙を守れとか、鐘が鳴ったらすべての作業中断とか。
あのスカーフの下はどうなってるのかというと、ボブショートにしてピンでとめているのだった。
ヘプバーンがまたしても可愛い、目の動きだけで可愛い。
こんな可愛い尼さんが助手になったら外科の独身医師も困っちゃうよ。
という映画かと思ったら、まったく色恋はないのだった。
戒律への絶対服従と自分の良心の板挟みになるヘプバーン……これからどうするんだろう……占領下のベルギーで、教会の保護も無しで。
精神病院の風呂治療が怖かった。
あれは蒸し風呂に監禁? 拷問ではないか。
とにかくヘプバーンの表情は可愛すぎる!

ある公爵夫人の物語

2018年11月05日 | 【あ行】タイトル
2008年 英仏伊
デヴォンシャー公爵夫人ジョージアナの伝記映画。
シンプルイズベスト。
登場人物はヒロインと母親、夫、親友のちに夫の愛人、自分の愛人の基本五人で、その愛憎を史実をベースにさらっと描いたもの。
さらっと描いたところがいいんである。
こんなん微に入り細に入り描かれたらドロドロすぎて大変だ。
不愛想な夫に男児を産めとプレッシャーをかけられ、そのくせ夫は好色で浮気三昧。
しまいに妻の親友に手を出し、屋敷に引き入れてしまう。
……妻妾同居とは鬼畜だな。
王様に準じる公爵様だから常人の倫理の外なんだな。
公爵家の朝食は当主、愛人、公爵夫人が同じテーブルについて摂るんである。
結婚式や晩餐会舞踏会、公爵は公式の席にも夫人と愛人を連れて出席したという……お貴族様は相当な神経をしてないと務まらないようで。
たとえ公爵夫人でも、夫と対等に話し合うこともできず、妾の同居を止めさせることもできない。
この無力感が堪らなく辛い。

もう数年したら、のちにメル卿の妻になるキャロがこのデヴォンシャー公爵家に引き取られる。
そしてメルバーン子爵の次男ウィリアムと出会い、恋に落ちる。
十年後のジョージアナと公爵、愛人、祖母のレディ・スペンサーが揃って若い彼らの結婚式に出席すると思うと感慨深い。