1940年 アメリカ
大好きなんです、原作。
ヒロインの細やかな観察眼がモンテカルロでのシンデレラストーリーから始まってイギリスの貴族の館に舞台が移り、死んだ前妻のレベッカの話があらゆる人の口から語られていく緊迫感と家具や使用人や庭や紅茶の描写にワクワクさせられるんです。
デ・ウィンター様に見初められて結婚して、マンダレイのご領地に乗り込むヒロイン。
安物の下着と不格好なスカートのままで、たくさんの使用人に出迎えられるが、どう受け答えしたらいいかもわからない。
頼りのデ・ウィンター様も何を考えているのかわからない。
美貌のレベッカ、洗練されたレベッカ、几帳面で有能だったレベッカ。
人見知りと劣等感にさいなまれるヒロインに誰もが共感してしまうんじゃないでしょうか。
……つくづくマキシムって身勝手じゃない?
レベッカに敵わなかったからって、若くて従順なヒロインを引っさらってきといて何のフォローもなしに、さあ今日からマンダレイの女主人になれって無理に決まってるじゃないか。
何の支度も予備知識も無しに連れてこられたヒロインが哀れすぎ。
次の朝からさっそく義姉夫妻が押し掛けてくるし、肝心のマキシムは留守にするし、帰宅しても客の前で不機嫌になってヒロインをハラハラさせるし。
だいたいマンダレイを前妻のいたときのままにしておくってどういう了見だ?
園芸室にはレベッカのレインコート、家事室にはレベッカのレターセット、なんでも"R"の頭文字が入っている。
前妻の持ち物を使わされる新妻の気持ちになってみろという……四十男がそんなこともわからんか。
浜辺の散歩で急に不機嫌になって、自分の言う通りにヒロインが動かないからと怒り出すマキシム最低。
殺人現場だったなんて知るかいなw
追い詰められたマキシムの告白を受けて、彼を守ろうと強くなったヒロインに、君は老けてしまった、とぼやくマキシム。
なんという勝手な言い草、アンタはただの若い子好きか。
38歳の大人になりたい、と言った初々しいヒロインに、38歳の中年女になんかなるな、と返したマキシムですからそういうことなんでしょう、自分は四十男のくせにw
名家の出のやり手の妻に痛い目に遭ったからって、とにかく若くて従順な娘を選ぶマキシムって……家名と財産がなければただのカス。
マンダレイを失って覇気のなくなってしまったマキシム、腫れ物に触るように話題まで気を遣ってやらねばならぬマキシム、知人を避けて安ホテルを渡り歩くマキシム。
お屋敷が焼けてしまうと成金でないと再建は無理なのかな……。
映画ではローレンス・オリビエが繊細そうなマキシムを演じています。
ただ、フランク役の俳優さんのほうが体格がよくて強そうなので、あれっ? と思っちゃう。
「昨夜、私はまたマンダレイへ行った夢を見た」
あのぞくぞくするような冒頭の文章そのままの映像を、この映画は見せてくれます。
筆跡だけの前妻レベッカの存在感と、今にも潰れてしまいそうな可憐なヒロインがとてもよい。
大好きなんです、原作。
ヒロインの細やかな観察眼がモンテカルロでのシンデレラストーリーから始まってイギリスの貴族の館に舞台が移り、死んだ前妻のレベッカの話があらゆる人の口から語られていく緊迫感と家具や使用人や庭や紅茶の描写にワクワクさせられるんです。
デ・ウィンター様に見初められて結婚して、マンダレイのご領地に乗り込むヒロイン。
安物の下着と不格好なスカートのままで、たくさんの使用人に出迎えられるが、どう受け答えしたらいいかもわからない。
頼りのデ・ウィンター様も何を考えているのかわからない。
美貌のレベッカ、洗練されたレベッカ、几帳面で有能だったレベッカ。
人見知りと劣等感にさいなまれるヒロインに誰もが共感してしまうんじゃないでしょうか。
……つくづくマキシムって身勝手じゃない?
レベッカに敵わなかったからって、若くて従順なヒロインを引っさらってきといて何のフォローもなしに、さあ今日からマンダレイの女主人になれって無理に決まってるじゃないか。
何の支度も予備知識も無しに連れてこられたヒロインが哀れすぎ。
次の朝からさっそく義姉夫妻が押し掛けてくるし、肝心のマキシムは留守にするし、帰宅しても客の前で不機嫌になってヒロインをハラハラさせるし。
だいたいマンダレイを前妻のいたときのままにしておくってどういう了見だ?
園芸室にはレベッカのレインコート、家事室にはレベッカのレターセット、なんでも"R"の頭文字が入っている。
前妻の持ち物を使わされる新妻の気持ちになってみろという……四十男がそんなこともわからんか。
浜辺の散歩で急に不機嫌になって、自分の言う通りにヒロインが動かないからと怒り出すマキシム最低。
殺人現場だったなんて知るかいなw
追い詰められたマキシムの告白を受けて、彼を守ろうと強くなったヒロインに、君は老けてしまった、とぼやくマキシム。
なんという勝手な言い草、アンタはただの若い子好きか。
38歳の大人になりたい、と言った初々しいヒロインに、38歳の中年女になんかなるな、と返したマキシムですからそういうことなんでしょう、自分は四十男のくせにw
名家の出のやり手の妻に痛い目に遭ったからって、とにかく若くて従順な娘を選ぶマキシムって……家名と財産がなければただのカス。
マンダレイを失って覇気のなくなってしまったマキシム、腫れ物に触るように話題まで気を遣ってやらねばならぬマキシム、知人を避けて安ホテルを渡り歩くマキシム。
お屋敷が焼けてしまうと成金でないと再建は無理なのかな……。
映画ではローレンス・オリビエが繊細そうなマキシムを演じています。
ただ、フランク役の俳優さんのほうが体格がよくて強そうなので、あれっ? と思っちゃう。
「昨夜、私はまたマンダレイへ行った夢を見た」
あのぞくぞくするような冒頭の文章そのままの映像を、この映画は見せてくれます。
筆跡だけの前妻レベッカの存在感と、今にも潰れてしまいそうな可憐なヒロインがとてもよい。