醤油庫日誌

やかんの映画ドラマ感想文。

「白い牙」

2008年01月20日 | 【さ行】タイトル
1960年、松竹。
井上靖原作の文芸作品……というかメロドラマ。
丘の上に建つ洋館に住む美貌の社長令嬢がヒロイン。
父親(佐分利信)が母を離別して、若いお妾さんを家に入れたことからヒロインの気持ちは波立ちます……。
さて、ヒロインがひそかに思いを寄せている父の部下(南原宏治)は、病弱な妻と別居中の単身赴任男。
ある日の午後、情緒不安定気味のヒロインは「あなたが好きです」と南原に唐突に告白してしまいます。
で、告白後の展開は、即熱烈キス、即白浜へのお泊りデートの約束。
それなのに南原が病妻の見舞いに行ったと知って、むくれたヒロインはお泊りデートをすっぽかすんですね。
一方、すっぽかされた南原宏治は酒の勢いを借りて、お妾さん上がりのヒロインの義母に手を出してしまいます。
ふたりの関係を嗅ぎつけて頭にきたヒロインは夜の港を徘徊し、行きずりの米兵相手に純潔を投げ捨て、親元から巣立っていくのでした……って、おいおい。
不可解な斜め上思考のヒロインといい、秋波を送られるとすぐに飛びつく下半身男といい、なんなんだこれ?(でも熱心に観てしまいました)

「風林火山」

2008年01月12日 | 【は行】タイトル
1969年、東宝。
甲斐武田の重臣山本勘助を三船敏郎。
諏訪の由布姫を佐久間良子。
父を殺され信玄の側室にされた由布姫が、仇であるミフネをひそかに恋い慕う。
ミフネも由布姫を憎からず思い肩入れをする。
だからといってすぐ恋愛にはならず、信頼と忠義という形をとってふたりは心を通い合わすのであります。
えーい、なにをしている! 由布姫そこでミフネを押し倒さんか!と見ていてはがゆく思わんこともないんですが、このじれったさが、奥ゆかしくていいんですね。
剛直にしてストイックなミフネはひたすら渋いのでござる。
眉をしかめてぐっと睨むだけで、なんでこんなに強そうなんだ!
現代物の200倍かっこいいミフネの戦国武将でありました。

「前世大石」アップしました。

2008年01月03日 | SSあとがき
紺碧ワールドの転生システムってどうもよくわからないです。
覚醒のタイミングは人それぞれなのか?
後世ってそんなに転生した人がいっぱいいるのか?
日本海軍における紺碧会所属の軍人の比率は? なんだか士官は軒並み転生者みたいな感じですが。
今回の話は、階級章の作画ミスが続出してたOVAの画面を土台にしています。
情報源からして既にアヤシイですね。
やかん的には前世大石さんの階級は大佐、としたいところです。
だけど沖縄特攻で大和で戦死した海軍大佐、となると有賀艦長か司令部の先任参謀山本祐二大佐になってしまうんですね……。
山本先任参謀はゲリラの捕虜になって機密書類を奪われたりもしてますが(海軍乙事件)、恩賜組の大秀才にして目もとの涼しい好男子であります。
奥さんは豊田貞次郎大将の娘ですが、お見合いの席で山本さんがあんまりいい男だったので大乗り気になったとか。
……面食いだったんですね、豊田大将令嬢。