醤油庫日誌

やかんの映画ドラマ感想文。

「男嫌い」

2018年05月28日 | 【あ行】タイトル
1964年、東宝。
当時のおしゃれでシュールな喜劇映画、でしょうか。
カラー映画ならではの赤・黒・白などのビビッドな配色の遊びが楽しい。
遊びは楽しげだが、ストーリ展開・演出となるとお遊びが勝ち過ぎてちとつらい。
美人四人姉妹のお見合い騒動なんですが、神山繁が姉妹を手玉に取ろうとするプレイボーイとして登場。
これだけで十分やかんは木戸銭を払うでござるよ。
期待通り、若々しい神山さんをたっぷり楽しめました。
爽やかな声、歯切れのいいセリフ、ダンスも披露、言うことなし。
……神山さんもとうとう逝ってしまわれた。
海軍経理学校に在籍された、海軍士官になるべく教育を受けられたお方。
晩年のお姿も滋味があったが、中年期の威ありて猛からず、知的な額、朗々とした美声、かわいい笑顔、あくまで涼しい澄んだ眼差し……素敵な俳優さんだったなぁ。
やかん、もう、ぞっこんでした。

「幸せなら手をたたこう」

2018年05月21日 | 【さ行】タイトル
1964年
宇津井社長の家で働くことになったヒロインの姿美千子が苦し紛れについた「恋人がいる」という嘘が周囲に波紋を引き起こします。
ヒロインとの関係を疑った倉石くんに詰め寄られて、宇津井さんはきっぱりと否定します。
問い詰める母に「彼がそうよ、ほら社長さん」
立派な人ではないか安心したと喜ぶ母に
「嘘がばれると田舎に帰って結婚しなくちゃいけないんです、お願いです、話を合わせておいて!」
ヒロインの懇願に困り果てる宇津井社長。
困ったのも道理、じつは恋人疑惑の一件以来ヒロインを意識しつつあったから……。
「やめなくていい。君さえよければずっとこのうちにいてほしい」
その言葉にこめられた意味はヒロインにちゃんと伝わっていたのかどうか……?
手を取り合う倉石くんとヒロインを見て、ふと辛そうな目をする宇津井さんにドキリとしました。
そういえば宇津井さんがふられる役まわりというのは珍しいです。

第五話はつらい

2018年05月06日 | 女王ヴィクトリア
うろ覚えなところがあるので、しぶしぶ五話を確認。
泣けるから、つらいからもう苦手になってしまって。
メル卿のルーファスさんに泣かされる。
なんて表情が微妙で繊細で胸を打つのか。
動揺する卿、窓の外を見つめる卿、諧謔と議会への真摯な思いを忘れぬ卿、教会での父親的な感慨を思わせるほっとした表情、そして「グッバイ、マム」
……あかん、これだけはあかん、泣ける。
悲しすぎる。
メル卿が立派で大人で、ルーファスさんの抑えた演技が渋くてもうたまらん!
もう続きなんか見る気がしないの。
いつもここで切っちゃうの。
涙で画面が見えないのもある。
鼻かまないと呼吸困難になんの。
フェンシングとか兄弟愛とかサウナのサービスシーンなんか飛ばす。
メル卿ファンには不要w
台風でも強盗でもノープロブレム!
電車運休でも熱中症でも好きにせえー!
……悲しみの矛先はいつも面倒くさい公子に向かう。
いやそれより、メル卿の諦念のまなざしに共鳴して私もどっぷり落ち込んでしまうのだ。