醤油庫日誌

やかんの映画ドラマ感想文。

「おさな妻」

2007年09月26日 | 【あ行】タイトル
1970年、大映。
両親を亡くした女子高生17歳(関根恵子)が生活費のために保育園でアルバイトを始め、園児の父兄の男やもめの建築技師と出会い、そして――
またか、子供をダシにした年の差恋愛。
いくら子供が懐いているからって、まともな大人が17歳に手ぇ出すか?
これが池部良とか児玉清とかそういう渋い二枚目ならまだしも、新克利ではなぁ……。
とにかく全編サブイボが出そうなシーン・セリフ連発でした。
関根恵子を脱がすだけが眼目なのに、青春とは性とはと妙に構えてるからよけいカユイのでござるよ。
初夜シーンまであるんですが、これがまたなんとも70年代。
それっぽいムードの女声コーラスをバックに、関根恵子の表情アップにわざとらしく花びらや森の風景がオーバーラップするんです。
露出は少なめですが、見ていて非常にハズカシイ。
ブルマー、セーラー服、裂かれたブラウス、ウェディングドレス、ネグリジェ……ある意味フルコースでしたが、最後まで見てしまった自分になんか腹が立ちました(笑)

「新幹線大爆破」

2007年09月13日 | 【さ行】タイトル
1975年、東映。
80キロ以下に減速すると仕掛けられた爆薬のスイッチがオンになる!
とっても濃い、和製パニック映画。
新幹線に爆弾という不穏な設定に、当時の国鉄は撮影協力を一切断ったそうな。
そりゃそうでしょう、縁起でもない(^^;
意表をつく強引な展開で(柔道部とか火事とか)盛り上げる、じつにノンストップな三時間弱でした。
高倉健が犯人役を黙々と演じていると思えば、次のシーンでは指令室で宇津井健が目を真っ赤にして力み、運転席で千葉真一が逆上している……そんな映画です。
二つだけつっこまさせてください。
・千葉真一運転手が爆弾のコードを二本まとめてペンチで切ってましたが……切った瞬間ドカンだと思う。
・千葉さん、山陽区間はスラブ(コンクリート)軌道なので、路盤にバラスト(砕石)はありません。
長時間にして見ごたえ十分。
パニック物としても、鉄道物としても楽しめます。

「春昼閑なり」アップしました。

2007年09月07日 | SSあとがき
候文。
兵学校の書翰文参考書によると
「有りがたく御礼申上げ候」
は同輩に適した書きようであって、目上には
「有りがたき仕合せに存じ奉り候」
とまで書かないと失礼にあたるそうな。
ちなみに目下には「忝く(かたじけなく)存じ候」でいいそうです。
……気分はお侍でござるな。
これはもう、昔の人のような漢学の素養がないとお手上げであります。
↓なんか無学やかんには意味さえわからなかったでござるよ。
「右得貴意度候」:オ返事ヲ頂キタイ
「無事消光罷在候間」:無事過ゴシテオリマス
まだ10代の兵学校生徒が一生懸命こんな候文で、故郷の父兄や恩師に手紙を出していたんでしょうね。
すごいなぁと感心すると同時に、精一杯背伸びしていたであろう様子がほほえましくもあります。

「なんじゃもんじゃ」

2007年09月01日 | 【な行】タイトル
1963年、松竹。
川津祐介のお行儀のいい坊ちゃんキャラは地のようです。
彼の自伝を読みました、面白かったです。
  『三回死んでわかったこと』 川津祐介著 小学館文庫
真摯で謙虚、信心深く親には孝行、スプーン曲げができ臨死体験が三度ありといろいろすごい、いやマジで。
若いのにおっとりと品のいいセリフ回しが特徴的な川津さん、なるほどそんな特異な人だったのかと得心。
映画内容はテレビに進出中の新劇大女優(森光子)、彼女の若い夫(川津祐介)、駆け出しの女優(加賀まり子)の三角関係をコミカルに描いた楽しい作品。
でもちょっと冗長か?
「可否(コーヒー)道」なる、コーヒーを淹れる過程に意義を見出す珍集団が登場しますが、大石長官も十分入会資格がありますな。