醤油庫日誌

やかんの映画ドラマ感想文。

ダーク・シティ

2018年10月27日 | 【た行】タイトル
1998年 アメリカ
ルーファスさんが主役。
60年代ぐらいのアメリカの都市、ボロいビルに映画館、安食堂に娼婦。
薄暗い照明、いつも真夜中の街、たしかにダークシティだ。
安ホテルのバスタブで目覚めた男、うおっ!全裸のルーファスさんである。
のっけから動揺してしまうw
30歳のルーファスさん、お顔も全身も美しい……。
記憶喪失の彼は真夜中の町をさまよい、謎の男たちに追いかけられ、刑事にお前は連続殺人犯だと告げられる。
しかも殺した相手は全員娼婦だと聞かされ、愕然とするルーファスさん。
12時になると時計の止まる町、そして住人達も意識を失ってしまう町。
この町は一体どうなってしまったのだ?
ルーファスさんは手がかりのシェルシティという浜辺の観光絵葉書だけを頼りに街を出ようとするが、地下鉄は繋がらず、道路は途中で水没し、どうしても街を抜けられない……。
記憶を操る宇宙人に街は乗っ取られているらしい……。
悪夢のような世界で、若きルーファスさんは無表情に大きな綺麗な目を見開いて、ひたすらにシェルシティを目指す。
光瀬龍のSF短編のような、暗い無機質な気の狂いそうなシチュエーション。
彼の妻、といっても勝手に記憶を操作されているのでほんとに妻かどうかはわからないのだけど、彼の妻にジェニファー・コネリー。
ラビリンスでデヴィット・ボウイの魔王を振ったあの美少女が大人になっとる!
ボウイを振ってルーファスさんゲットとは、なんてうらやましいジェニファーちゃんw
街は宇宙に浮かぶ人工の浮島だった。
宇宙人を倒した彼は、宇宙人たちに変わってこの世界の支配者になった。
手始めに彼は太陽を創る──光あれ!とばかりにずっと真夜中だった街に朝日が差す。
彼は神になったのだ。
そして彼は海と浜辺を創る──桟橋に波が寄せるシェルビーチ。
この海辺の光景が美しくて。
いままでずっとダークシティに閉じ込められていたから、朝日を浴びて茜色に色づいた海辺がなんとも目に染みる。
桟橋に佇むジェニファーに神になった彼が歩み寄る……謎は謎のままだがこれでよし。
ちょっくらチープだが雰囲気のある気の利いた一篇ではなかろうか。
もうね、若きルーファスさんにくぎ付けなの。
お目目ぱっちりで、お肌もムチムチして若々しくて、もうとてもきれいなの。
若きウィリアム・ラムに出会えたような気がしてうっとりした。

ローマ

2018年10月20日 | 【や・ら・わ行】タイトル
2007年
綺麗な顔した堅物百人隊長と愛嬌たっぷりのマッチョな兵士。
二人そろってローマ軍団最強の男で戦えば天下無双の戦士なり。
彼らはカエサルにアントニウスにオクタヴィアヌスに重用され、歴史の重要な場面に立ち会っていく。
……と書くとなんじゃそのメアリースーは……なんだけど、面白かった。
この二人のヒーローは女運が滅茶苦茶悪くて、裏切られるたびにカーッ!となって流血沙汰を起こすとんでもない男たちなのだ。
品行方正かと思われた百人隊長なんか暗黒街の元締めにされるわ、元老院議員になるわ、エジプトに行ってアントニウスの右腕になるわ、もうたいへん。
彼の望みは家族団欒なのだが、すでに家族の心は冷え切っており……愛されるパパになりたい彼の空回りがもうなんかイタくて……。
イタいといえば、オクタヴィア姉弟のモンスターママン、アティアが強烈で始終その高圧的なヒステリックな物言いにイライラさせられるんだけど……典型的ツンデレ、じゃないなツンツンでアントニウスに恋する乙女で、最終回には、ああもう仕方ない人だな、こういう人なんだもん、と許容する気持ちになってしまった。
ブルータスの母といい、ローマの母は強烈なママンばかりで疲れた。

どうでもいいことだが、うちのアレクサがエジプト編になると返事して困った。
アレクサンドリアに反応するんであるw
人が一生懸命観ているのに、小タンスの上から「ごめんなさい、よくわかりません」だの「はい、アレクサです」だのルセーw

高い城の男 シーズン3

2018年10月12日 | 【た行】タイトル
2018年
ルーファスさんの軍服、シャツ姿を堪能。
朝食をパクパク食べて「おいしいよ」だなんて……きゃーー。
またもや息子を亡くした悲しい父をルーファスさんが演じています。
息子の遺品に顔を埋めてこっそり泣いているんですよ。
奥さんを家族をこんなに愛している良き夫……すぐ先回りして脅迫しにいく困った夫ですけどねw
奥さんの手をきゅっと握りしめて励ましたり、神経を病んだ妻がパーティーで立ちすくむとすかさず「愛してるよ」と声を掛けたり。
スミス大将の冷徹だけど愛情深い控えめな仕草や表情がいいんだな。
彼は怖い目をしてるけど、決して声を荒げない。
もうためらいもなく、プライベートでも人を殺すけどw
え?え?ヘレン奥方、精神科医と??
なんでよ、横にルーファスさんがいるのに何考えてんだよ?
女王陛下も惚れるルーファスさんをほったらかして、ありえん!
ドクターいい度胸だなバレたら速攻でスミス大将に消されるぜ、と思ったらさっそく逃げてたw

SF色が強くなってきて、少々頭がついていかない。
行った先の世界に自分が生存していたら肉汁になっちゃうってこと?
田上大臣は両方生存してるんじゃなかったっけ? わからん。
ジュリアナは銃弾を受けた状態で、異世界に移動したってこと?
ビキニ実験までは生きていたけど、もう死んでるって妹が言っていたし肉汁にならないってことか?
……それより、やはりスミス元帥の身の上が心配でたまらぬ。

ダウントン・アビー

2018年10月05日 | 【た行】タイトル
英国貴族物は大好物なので、リアルタイムで毎週楽しく見ていました。
アマゾンプライムにあったので、第二シーズンを再見。
なんで第二シーズンかというと、ジョラーさん狙いですよ当然。
ゲースロと同じ2011年に、サー・リチャード・カーライルとして颯爽と登場していたとは。
当時もおー!ストライク!と思ったんだが、なんせイヤな男として描かれていたんで、あまり気にしていなかった。
ほれ、メアリと婚約する成金新聞社主ですよ、頭頂の薄いいつも不機嫌な……。
あー、やっぱりハンサムだ、ツイードの似合うオジサマだ、さすがメアリは面食いだw
で、サー・リチャードに肩入れして見てみると……これはメアリがひどいわ。
婚約しといて、元カレに気持ちが残っているのバレバレで、そりゃヤキモキして彼が強引な手段に出るのも無理もない。
紳士的寛容さが足りない、脅迫する卑劣な人間、といえば確かにそうだけど、伯爵家の家格風をビュンビュン吹かせる一家にひとり乗り込んで、不実なメアリを掴んでおこうとするには……彼はそうやってシビアな世界で戦ってのし上がった人間なんであって……それまでのやり方で彼なりに戦ったんで……でも今回は失敗だった……。
メアリは結局彼を利用したんだよな。
自分から取引を申し込んだので、脅されて婚約したんじゃないだろう?
マシューが諦めきれないからリチャードと結婚したくないんだろう?
そこをあいまいにして、サー・リチャードを悪者にして、家族で寄ってたかって追い出したメアリの態度はいただけぬ。
煮え切らぬ態度のまま、脅されてただの、本当は結婚したくないの、なんて周囲に言いつけて卑怯なり。
やっぱりマシューにするわごめんなさい、と自分でさっさと告げんかい。
ぐずぐず破局を引き延ばし、一方でマシューと親密にし、二人の関係を悪化させるだけさせて、彼がキレそうになったところで周囲に助けを求める。
うわー、こんな事をナチュラルにやっちゃうから怖いんだな、メアリは。
そりゃもちろん、忍耐強くない懐が深くない紳士的でないサー・リチャードがメアリの夫選別試験に落ちたからですよ。
それもメアリだけでなく、親族や使用人からの「お嬢様の婿」試験にも落ちてしまったし。
だからといって、恋敵に殴られ父親に軽蔑されて退場なんて気の毒すぎる。
親族郎党全員がメアリの婚約者乗り換えに賛同したんである。
サー・リチャードを悪者にしておけば、伯爵一家的にはすべて話は丸く収まるんである……。

サー・リチャードはメアリを本気で愛していたんだと思うよ。
愛情に不器用で臆病で何時だって戦闘態勢をとってしまうサー・リチャード。
支配欲が強くて高圧的、どうもモラ夫物件なんだが、メアリのつれない態度で追い込んだ気が。
声を荒げる、露骨に不機嫌になる、これさえなければなぁ。
使用人に対する容赦のない態度は、さんざん人に裏切られてきて人間不信になってるんだろうね。
伯爵家に対して卑屈になるまいという気持ちと成功者の自負心が、精いっぱいの折り合いをつけたのが、あの苦虫を噛み潰したような顔じゃなかったのか。
メアリのあの態度では笑う気持ちになれないだろうな。
なのに、メアリから離れられないのはもちろん伯爵家の家名欲しさもあるだろうけど、メアリを本気で好きだったとしか……。
高慢な美貌で聡明な伯爵令嬢、だけど過去に汚点のある令嬢にかえって魅力を感じたのかも。
一方メアリは男の騎士道精神を利用して、マシューをもう一度捕まえる手段にしたのであるw
悪い男に脅迫されてるか弱い女性になってみせたのであるw
これをやられると男はホイホイのってくるもんなーw
もう相談女に近いノリであるw
哀れサー・リチャード、殴られ損。
お城まで買って大金かけてリフォームしたのに殴られてポイ。
高値で売るから心配ないと彼らしい言い方で去っていったけど、ズタボロだよな……。
さすがにメアリも気が咎めたのかごめんなさいを言ったけど。
去り行く彼が帽子を被りながら、ダウントンを見上げる──ああこの哀愁のまなざしが素敵なんである、やっぱりジョラーさんだー!