醤油庫日誌

やかんの映画ドラマ感想文。

「君よ憤怒の河を渉れ」

2007年10月02日 | 【か行】タイトル
1976年、松竹。
おお、なんとドラマチックなタイトルソング! 初っ端から観客の期待を盛り上げます。
無条件にタフな男、高倉健がいいんですね、やっぱり。
自衛隊機がスクランブル発進しようが、都心で競走馬が暴走しようが、健さんだったらそれもありかなと気にならないんであります。
サスペンスありスリルありサービス満点の大作なんですが、アスファルトに蹄鉄を滑らせて転倒した馬がかわいそうなので、できればああいう危険な撮影はやめてほしいですね。
動物を虐待して撮った映像よりも、作り物丸出し映像のほうが安心して鑑賞に専念できるってものです。
……中野良子を襲ったクマは、チャックが見えそうな着ぐるみでしたが別にいいですよ、あれでも。
いくら健さんでも丸腰の爺さんを背中から撃っといて、それも弾倉が空になるまで撃って「正当防衛」もないもんだ。
人ひとり殺しておいてお咎めなしの甘い結末に呆然としながらも、ふむ、面白かったじゃないかと満足してしまう二時間半の娯楽作。
ただ、サスペンスシーンで使われる曲には激しく違和感を抱きました。
やけに明るいピクニック音楽が緊張した場面に流れるんですよ。
健さんが生きるか死ぬかの瀬戸際だというのに、チャッチャラチャッチャラ♪
これだけは選曲意図理解不能。