フランス人観察記録

日本人から見て解ってきたフランス人の考え方、行動についての覚書

まだ届かないボルドーのフォアグラ

2011年06月26日 | パリ20区

 これはまた続きの話である

 

「ところで広島のユースホステルはどうだった?」

 

「それがねぇ、また大変で」と彼女は続けた。

 

「誰も宿泊客がいなかったの。私は一人でその部屋(和室)を使うことになったのだけど、オーナーは男性」

つまりユースホステルにはその晩彼女とその男性のオーナーだけだったと言う。

 

「鍵は掛けられるが、合いカギもあるだろうし、怖くてほとんど眠れなかった」と言うではないか。

 

まさか夜這いなどしはしないだろうが、美しく若い彼女としては、こんなことは世界どこでも経験しなかったことで、音がするたび、震えたとしても無理はない。

 

しかし一人しか客がいないなんて。

学生時代ユースに私も泊まったことはあるが、そんなユースはなかった。

今は若者のニーズも変わり、特にシーズンオフ(と言っても11月末であったと思う)にはこんなこともあるのだろうか?

 

外国人は自分を常に守る術が少なくとも日本人よりは身に付いてはいるが、これは怖がりとかそういう問題ではなく、危険から身を守る意識なのだろう。

 

それにしてもフランス人にして背が高く、元気いっぱいの彼女ではあるが、コインロッカー事件で泣いたことなど、やはりまだ20歳そこそこの可愛い一面を見た思いであった。

 

 

帰るとき、「フランスにはいつ来る?私はパリだけど、両親はボルドーの近くに住んでいるから、大歓迎よ」

「それにうちのお父さんは、フォアグラの缶詰め工場を経営しているの。小さい会社なんだけどね」「ほぉ、フォアグラの缶詰・・」

「フランスに帰ったら、おいしいフォアグラを送るから楽しみにしていてね!!」

 

ずっと待って、もうそろそろ6年目になるけど、まだ到着しないフォアグラである。

 

 



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