山形県手をつなぐ育成会 日々徒然なること

育成会の事、関係ないことも勝手につぶやきます

#地震発生から107日目「災害対応格差」

2011年06月25日 | 災害
 平成23年(2011年)3月11日(金)14時46分に発生した東北地方太平洋沖地震(マグニチュード9.0)から107日目(6月25日、土曜日)。
 また、大震災発生から107日目の新しい朝を迎えた。

 知的しょうがい者にとって、災害といった困難な状況において、著しい不適応症状が一気に生ずる。
 東日本大震災でも、本人たちにとって耐え切れない状態が続き、いろんな問題が起きているに違いない。
 下記は、「新潟県中越地震」の事例である。
   
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【引用始め】

http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/resource/disaster/2007seminar_houkoku/index.html
 障害者と災害─障害者が提言する、地域における協働防災のすすめ─災害時要援護者支援のための提言資料集 2007年3月 障害者放送協議会 災害時情報保障委員会 日本障害者リハビリテーション協会

「新潟県中越地震」における知的しょうがい者の事例

 2004年10月23日(土)17時56分に発生した「新潟県中越地震」では、次のような事例がありました。

1)家庭や、グループホーム、入所施設などで、多動的傾向のあるの人は通常以上に多動となり、家族や支援者が一緒にいたり、移動(散歩)したりして、一夜を過ごした人もいた。

2)自閉症的傾向のある人の中には、“フラッシュバック”状態もあり、不眠状態が続いたり、2年以上経過した今でも、いまだに診療を受けたり、不安状態が残っている人もおり、トラウマ(PTSD)も見受けられる。 

3)通信網の損壊により、入所施設も同様であるが、特にグループホームでは家庭との相互連絡が取れず、安否確認が遅れたための不安も拡大した。

4)グループホームでは、世話人が常駐と非常駐(時間勤務)の差異があり、知的障害者の災害対応にも違いが生じる。

 なお、季節、時間帯により、災害による困難の内容・程度は異なり、「新潟県中越地震」も、厳冬期や夜間に発生していた場合、困難は一層増大していたであろうと考えられます。
 
 【引用終わり】

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 知的しょうがい者は、災害時、不安と混乱の中におかれる。急激な周囲の変化に適応できない。それが災害弱者と言われる由縁。
 引用した事例では、著しい多動、長期間の不眠、不安の拡大、災害対応の格差が上げられている。それも長期にわたって続く不適応である。    
 
 知的しょうがい者に「明けない夜はない」と言わしめるにも、災害時対策が日常的に実施されていなくてはならないとつくづく思う。
 東日本大震災を教訓にしなくては。
 (ケー)