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扶桑社の公民教科書、アイヌ写真使用で回収へ

2005年12月23日 | 文化・創作・メディア
市販教科書1万冊回収へ 扶桑社、写真無断掲載で (共同通信) - goo ニュース
扶桑社は5日(中略)書店などに残る市販本約1万冊の回収を6日から始める考えを明らかにした。北海道旭川市でのアイヌ民族関係団体との協議で表明した。同社と協議した「アイヌ民族と連帯し、扶桑社教科書を批判する会」の代表で、自らも写真を掲載された川村兼一さん(54)らによると、扶桑社は今後、教科書採択用の見本本の回収や、図書館など公共施設が保有している教科書の差し替えなどを検討する姿勢も示したという。(12月5日)
扶桑社の新訂新しい公民教科書(中学社会)の「私たちの社会に潜む差別」という節、p.91にくだんの写真がある。弓を構える人と大勢の衆がいて、殆どがエスニックな衣装を身に着けている。キャプションは「アイヌの人々<改行>1997年にアイヌ文化振興法が制定され、アイヌの伝統文化を保護・普及しようとしている」とある。行事の背景説明はない。

写真の無断使用という事なので(肖像権の侵害が問題になる)、それだけの話のはずなのだが、店頭在庫の回収と、図書館に入っている本の差し替えまで検討されているらしい。無論、それもありうる話である。ただ、そうすると現代の写真は一切使えなくなる気がするが、あるいは儀礼的な行事だったから、遠慮してくれという事かもしれない(写真の種類によるのかもしれないが、許可を申請すればOKしてくれるのかどうかは分からない)。

共同通信11月28日によれば、
同市のアイヌ記念館館長で同会代表の川村兼一さん(54)は「謝罪に誠意が感じられない。肖像権と名誉権の侵害で提訴することも検討する」

共同通信12月5日(前出)では、「前回に比べ要求をのんでいる姿が見受けられる」とあり、
毎日新聞12月20日では、
扶桑社が編集・出版した06年度の中学社会科教科書にアイヌ民族の写真を無断掲載した問題で、同社は19日、北海道旭川チカップニアイヌ民族文化保存会に文書で謝罪し和解した。謝罪文は「掲載の了承を取らず、アイヌ民族の肖像権とプライバシーを侵害した」との内容。真部栄一書籍編集部長が川村会長に手渡した。
とある。団体名が「アイヌ民族と連帯し、扶桑社教科書を批判する会」(11月28日・12月5日)と、「北海道旭川チカップニアイヌ民族文化保存会」(12月20日)とがあり、ちょっと関係性は不明ながら、どちらも代表者は同一人物である。

「名誉権」とはなんだろうか(肖像権なら分かるが)。どうやら、下記のような事らしい。
名誉権とは、人がその品性、徳行、名声、信用等の人格的価値について社会から受ける客観的な評価、すなわち社会的名誉を低下されない権利であり、やはり人格権に由来する権利です。また、著作権法上、著作者の名誉又は声望を害する方法によりその著作物を利用する行為は、その著作者人格権を侵害する行為とみなすとされており ます。
 したがって、人物の映像を利用する場合には、一つには、その描写が被写体の名誉権を侵害する(社会的評価を低下させる)ものではないかどうか注意する必要がありますし、もう一つには、その利用方法が著作者の名誉権を侵害するものでないかどうか注意する必要があります。(ソース「権利に関するQ&A」)
よく分からないが、名誉毀損にあたる事例という事になろう。正直に名誉権を行使したら、そもそも世の中で批判というものは一切出来なくなる。そんな事なら、これほど馬鹿げた状態はない。というか、民主主義も言論の自由も、ひいては人権の維持も出来なくなりかねない。

名誉権を主張されていると言うことは、(無断使用は別にして)写真の使用そのものが名誉毀損にあたるという主張、と同等になる。

ちょっと気になるのは、そもそも会の名称が「扶桑社教科書を批判する会」である点。これでは、批判が目的の会という事になる。よくある、扶桑社教科書の存在を認めない運動の一環という事になる。

記事だけでは、どうも分かりにくいが、少なくとも、これはPCの一種、ポリティカルコレクトネスの一種という事案のように思える。

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