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世界の覚書

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はだしのゲンの問題個所

2013年08月26日 | 文化・創作・メディア
産経:「偏った思想の宣伝道具」「知る自由保障が役割」 「はだしのゲン」制限撤回に賛否
被爆者らから閲覧制限に批判的な意見が相次ぐなか、市教委の対応を支持してきた被爆者や被爆2世らでつくる「平和と安全を求める被爆者たちの会」(広島市)。池中美平(びへい)副代表(63)は「原爆の悲惨さを強調するのはいい」と前置きした上で、「作品は非道な原爆投下を日本人の責任にする偏った思想の宣伝道具だ。学校図書とするのは問題だ」と指摘する。
引用した部分は同意できる見解。

書誌情報がよく分からないが、Wikipediaによれば1~4巻が週刊少年ジャンプ連載(1973~1974)で、その後の5~10巻は3誌を渡り歩いたもの。よく分からないが、1975~1985年に少し間隔をおきながら5~10巻分が掲載されたようだ。※
『市民』誌にて続編が連載されることとなる。『市民』誌は支持基盤が磐石ではなく、1976年8月号をもって休刊。

その後、日本共産党系の論壇誌である『文化評論』に連載の場を移す。

日本共産党はそれまで核均衡理論に基づいて中国やソ連の核を認める立場を取っていたが、当時の日本共産党は中・ソと対立し、日本社会党などと協力して核の全面的な禁止を訴える論調をとっており、「はだしのゲン」の連載はその格好の宣伝材料となった。

しかし1979年頃から社会党は公明党や民社党などとの連立政権を模索しだし、共産党を排除する意向を示す。同時に総評も共産党排除の意向を示し、原水禁(社会党・総評系)・原水協(共産党系)による原水爆禁止運動統一の動きが混乱する中、押し付け型の原水禁運動を展開する政党と原水禁運動の当事者たちとの対立が表面化してきたこともあり、原水禁運動の当事者たちと論を同じくする「ゲン」は打ち切りとなる。

その後、日教組の機関紙『教育評論』で連載を続行する。(中略)1985年に「第一部完」をもって連載終了。
↓こうらしい。

1975年 - 1976年 - 市民(左派系オピニオン雑誌)
1977年 - 1980年 - 文化評論(日本共産党機関誌)
1982年 - 1985年 - 教育評論(日教組機関紙)

「愛蔵版」の5巻以降を取り寄せて読んでみたが、5、6巻はそれほどでもないようだ(一部あるけど、作中の表現としては許容範囲かと思った)。7巻以降はだいぶ牙むき出しになってくる。要するに、「同思想の仲間向けの機関紙」に掲載される思想宣伝媒体になってくる。特に第10巻は最悪で、これは完全に思想漫画の類である。

はだしのゲンに出てくる問題個所を分析していくと1年かかりそうだが(そうなると、もはや論文である)、一番話題のシーンは第10巻のp.20。p.19から2頁分だけ読めばわかる。これは卒業式の国歌斉唱の場面である。
(p.19)
ゲン:
なんで君が代を歌うんじゃ
わしゃ歌わんぞ
君が代の君は天皇のことじゃが
わしゃ天皇はきらいじゃ

なんできらいな天皇をほめたたえる歌を歌わんといけんのじゃ

天皇は戦争犯罪者じゃ

来賓:
き きさま なんちゅう畏れ多いことを言うんじゃ

ゲン:
やかましい(中略)

それだけじゃないぞ
天皇陛下のためだと言う名目で
日本軍は中国、朝鮮
アジアの各国で約三千万人以上の人を残酷に殺してきとるんじゃ
(p.20)
首をおもしろ半分に切り落としたり

銃剣術の的にしたり

妊婦の腹を切りさいて
中の赤ん坊をひっぱり出したり

女性の性器の中に
一升ビンがどれだけ入るか
たたきこんで骨盤をくだいて殺したり

わしゃ日本が三光作戦という
殺しつくし
奪いつくし
焼きつくすで
ありとあらゆる残酷なことを
同じアジア人にやっていた事実を知ったときはヘドが出たわい

その数千万人の人間の命を平気でとることを許した天皇をわしゃ許さんわい

いまだに戦争責任をとらずにふんぞりかえっとる天皇を
わしゃ許さんわいっ
(p.21)
君が代なんかだれが歌うもんか
クソクラエじゃ

君が代なんかっ
国歌じゃないわいっ
この後、生徒たちは式次第をぶつ壊して、ゲン(主人公の中岡元)の提案と音頭で「青い山脈」を合唱する。当時、そんな話もあった(青い山脈を国歌に、なんてね)。

p.239~241も酷い。要約すると、「原爆使用のおかげで、これでは自分たちの命も危うくなると考えた天皇や指導者が慌てて戦争をやめた」という主張である。

以上の2か所は、概ね日教組の主張と一致しているように思われるが、それは偶然ではなく、日教組の発行媒体に掲載されていた啓蒙漫画だったからだ。

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