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世界の覚書

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副首相のドタキャンの真意

2005年05月24日 | 政治
5月16日、衆院予算委員会の集中審議で、仙谷氏(民主)と首相のやりとりがあった。小泉氏は靖国神社参拝について「どのような追悼がいいのか他の国が干渉すべきではない」と述べ、不快感を露わにしたとされる。仙谷氏は「いい気なもんですね」と、なめた口調で発言している。他の国が干渉すべきではない(内政問題だ)という主張に対し、これは国際問題だという反応だが、いい気なもんなのは仙谷氏だろう。国際問題だという主張は、朝日新聞や中国と軌を一にする。中国は、「内政問題だ」という主張を認めようとしないが、大体において、日本国内の左翼勢力の主張に引きづられている。16日の仙谷氏の質疑が一つの出来事。

第二の出来事は22日だ。武部幹事長が北京で共産党の王家瑞対外連絡部長と会談した際、日中平和友好条約を取り上げ、「条約には内政に対する相互不干渉の原則が明記されている。配慮も必要ではないか」と、靖国参拝中止を求める中国側を牽制したところ、王氏が「いま何と言ったか。あなたは一般の日本人ではない。与党幹事長ではないか。まったく信じられない発言だ」と強く抗議。同席した公明党の冬柴幹事長と自民党の二階俊博総務局長が「今の(武部氏の)発言は適切ではない」と延べ、武部氏は「誤解があったとすれば撤回します」と述べたという。ただし、中国側が「このやりとりはなかったことにしよう」と提案し、公表されなかったという。

第三の出来事は、23日に呉儀副首相が小泉首相との会談を突然中止して帰国した件。ただし日本経団連幹部との昼食会には出席していた。また、王毅駐日大使が電話で「担当の公務で急に本国に帰る必要が生じた。他意はない」と連絡してきたという。しかし副首相の序列や大連への帰国(北京ではなかった)を考えると、他意がないのはありえない。経済人とは友好的に会っていたのだ。

副首相のドタキャンの真意は、わざと不明にされているが、なんとなく分かる。16日の仙谷氏と首相の質疑、22日の武部氏と冬柴・二階氏を含めたやりとり(中国側の強硬な発言が目立つ)は、いずれも、日本側がマッチになっており、中国側は教条的ながら、お約束的に、燃料を返すように反応した。つまり中国側の真意は、沈静化だろう。沈静化するためには、日本と会わない方がマシなのだ。

冬柴・二階氏の発言は、日本(の非左翼勢力)を不快にさせる怖れがある。それで日本国内に具体的反応が出れば、中国側はカウンター反応するはめになる。だから、隠蔽しようとしたのだ。事態への刺激は、好まないのだ。その真意は、日本との経済的結びつき重視だ。日中関係の悪化が、日本企業の中国撤退を招くがごとき事態は、最も避けたいのだ。副首相と小泉首相が会談しても、結果は見えている。そんな報道は「見たくない」から、それくらいなら帰ってしまえ、となってしまった。

中国側は困っている、という見方は、事実とそうずれたものでもないだろう。こうした場面では、日本側は巧妙な態度で外交を乗り切るべきところだが、そんな芸当がまるで出来ない。剛直なら剛直で分かりやすいのだが、日本側は多様で、小泉政権すらちょっと支離滅裂なところがある。日本人から見ても一貫性がないのだから、中国側からみたら、さらに理解しがたいだろうと思う。そして中国側は、もっと一貫性がない。

#朝日新聞がマッチをすったかどうかは知らないが、靖国を政治問題にしてしまった以上、参拝問題で小泉首相が譲歩するわけにはいかない。譲歩は、日本の感情をさらに悪化させる。日本側は、総体として、わざと解決不能な外交問題を作り出しているように見えるはずだ。中国側が、対立を隠蔽しようとしても、日本の報道機関が微細を報道してしまい、中国側は強く反応せざるをえなくなる。
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孔泉報道官は「私は公務だとは一言も言っていない」と述べた。確かに、そう言ったのは王毅日大使だ(中国外務省も談話でそう述べたようだが)。孔泉氏は、尖兵ですな。王毅氏に「他意はない」と言わせておいて、もう無茶苦茶というか、表面的には支離滅裂。
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25日、日本の報道官の言うことには、中国から「緊急の公務があったのは事実だ」と外交ルートを通じて言ってきたそうだ。孔泉の言い草を踏まえれば、だから何だという話だが。
#公務って、会談キャンセルの相談じゃないのか。

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