某ファンサイト管理人の音楽随想記

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「アランフェス・コンチェルト」 - JIM HALL

2005年11月19日 | ♪ジャズ・フュージョン

「アランフェス・コンチェルト」 - JIM HALL(1975年)
Guitar:Jim Hall/Piano:Roland Hanna/Bass:Ron Carter/Drums:Steve Gadd/Trumpet:Chet Baker/Alto Saxophone:Paul Desmond Arranged by DonSebesky

あれは「はげ山の一夜」からだったのでしょうか、ジャズ界でクラシックの曲を採り上げるブームがありました。このアルバムもそんな中の1枚ですが、これは私が今更言うまでもなく「名盤中の名盤」ですね。またこれを出したCTIレーベルの洗練された都会的サウンドははずれが殆どなかったのも特筆すべきだと思います。

原曲はもちろんスペインの盲目のクラシック・ギタリスト/作曲家ロドリーゴのものです。このアルバムの内容は本当に"ため息が出るほど"素晴らしいと思います。Jimのギターはとても地味ですが"内省的"で私は大好きです。ジャズギターでは一番好きなプレイヤーで他にもアルバムを持っております。また他のパーソネル達も円熟した、芸術と呼ぶべきプレイを聴かせてくれます。それぞれが正にプロフェッショナルなソロを次々に渡していく様は本当にため息がでます・・・(注:ドラムとベースのソロはありません)。この曲には、まるで"レクイエム"のような、深い悲しみや無常感も感じます・・・

ジャズはあまり大勢で聴くものではないように思いますが、中でもこの曲は絶対、夜更けに、一人で"孤独"を意識しながら聴くタイプのアルバムだと言えます。その人の人間関係が今現在どうであれこのアルバムを聴いている時間/瞬間は、それぞれが「セル」化した孤独な一人の人間として生きていることを確認させられます・・・

私はもしロドリーゴがこれを聴いたなら、自分の意図を完全に理解した上でのプレイであることを納得し、大歓迎したものと思います。つまり、音楽のスタイルはどうであれ自分の作品の良き理解者として・・・

※CTIは昔はキングレコードから出ていたと思います。それも今は昔、ですね(^^;

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