青空ーすべてはバランス

免疫の防衛体制はすぐには変えられない

2024年5月28日(火)雨が降り大雨警報も出た。かなり広範囲に大雨が心配されている。線状降水帯発生の可能性ということで今年から県単位に発表されている。昨日の夜から奄美、鹿児島、高知、徳島、岐阜、愛知、静岡となっていたが、大きな被害にならないように祈ります。

現代の2型自然リンパ球(ILC2)はどう働いているのか?

ナチュラルヘルパー細胞(NH細胞)も理化学研究所 統合生命医科学研究センター自然免疫システム研究チーム(茂呂チームリーダー)が2010年に見つけたそうだ。それ以降も類似する細胞を見つけている。そしてこれらを「2型自然リンパ球(ILC2)」と呼んでいるそうだ。

当初、ILC2は寄生虫感染排除を行う細胞と考えられていたそうだが、研究が進むにつれ、獲得免疫であるT細胞やB細胞、IgEがかかわらない、別の自然免疫であるこの2型自然リンパ球(ILC2)新たなアレルギー性炎症の発症や病態に関わることが明らかになっている。今まで原因不明だったものだ。

ILC2を介したこの新しいアレルギーは「自然アレルギー」と呼ばれる。
寄生虫がほとんどいなくなった清潔な現代では、ILC2はアレルギーに集中して働いているらしい。

アレルギーの抗原が入ってきた時酵素が働き、上皮細胞や血管内皮細胞にIL33(インターロイキン33)というサイトカインが分泌される。このIL33がILC2を活性化する。もし寄生虫の場合ならムチン(粘液)を分泌して寄生虫を体外に排除するはずだ。
アレルゲンが入ってきた時も寄生虫を排除するときと同じように働いてしまうようだ。

現代は清潔すぎることが指摘されることがあるが、まさしくこのようなことなのだろう。

遠い過去から働いてきた免疫の防衛体制はすぐには変えられないのだろう。


引用論文
Kazuyo Moro, Hiroki Kabata, Masanobu Tanabe, Satoshi Koga, Natsuki Takeno, Miho Mochizuki, Koichi Fukunaga, Koichiro Asano, Tomoko Betsuyaku, and Shigeo Koyasu, "Interferon and IL-27 antagonize ILC2 function and type 2 innate immune responses", Nature Immunology, doi: 10.1038/ni.3309


参考


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