指宿の宿「月見荘」を出た時は小雨が降っていた。
ほとんど気にならない程度の雨だったがやはり旅行時の雨は鬱陶しい。
今回の旅は行きたい温泉と宿だけ決めておき、あとはどこに行くのかは全く決めていなかった。
その場で地図を広げ、目に付いた場所に寄ることにしていた。
今日の立ち寄り温泉は日当山温泉に決めてあった。
そこに行くまでに数ヵ所寄ればいいと。
そして、最初に寄ったのが「知覧」だった。
知覧と言えば有名なのは「知覧平和特攻記念館」。
でも、そこは以前に行ったこともあったので、今回は「武家屋敷庭園」の散策だけにした。
[知覧武家屋敷庭園群]
両側にきれいに手入れされている生垣が続く、狭い道を1時間ほど歩いた。
その間、庭園を公開している家が7軒あり、見学することができる。
知覧の武家は薩摩藩士の中でも低い身分の武士階級だったらしいが、どの家も規模は小さいが立派な庭園だった。
今でも人が住んでいるのだが、観光客には生活の様子を見せないようにしているらしい。
[旧高城家庭園]
この庭園は無料公開されていた。
雨だったためか、時期的なのか分からないが、ほとんど人に会うこともなく、静かな場所だった。
知覧を後にして、鹿児島市内に向かった。
そこでの目的は「天文館むじゃき」の『白熊』。
鹿児島に来た時は必ず寄っている場所だった。
着いた時はお昼になっていた。
朝食の量が多かったので、お昼は「白熊」と「しんこ餅」で十分。
[ベビーサイズの白熊]
満腹になった後は「明石屋 本店」でお土産用に「軽羹饅頭」を買って、今日の目的の温泉、「日当山温泉」へ直行。
日当山温泉は西郷隆盛の温泉として有名で、鹿児島市内からも近く、鹿児島の奥座敷とも言われている。
ここには珍しい「家族湯」が数多くあるので、好きな場所を選んで、家族やグループごとにゆっくりと温泉を楽しむことができる。
リーズナブルなのも嬉しい。
選んだのが「岩戸温泉」。
[岩戸温泉]
ここは、日当山温泉の中心地からは少し外れた場所で、田んぼの中にあるような場所だった。
地元の人たちには人気の温泉らしく、大きなお風呂と露天風呂があったのだが、そこには入らず、家族風呂の方を選んだ。
本館とは別棟にあり、広い部屋に通された。
そこにあった浴室は、洗い場は広いのに湯舟がびっくりするほど小さくて、思わず笑ってしまうほどだった。
でも、お客さんのたびごとにお湯を満杯にするのに時間がかからなくていいのかも。
お湯はすぐにいっぱいになり、入るとトロトロとした、柔らかい熱めの温泉だった。
気持ちよくて、お湯の質は文句なし。
「岩戸温泉」で日帰り入浴してからは2日目の宿、に向けて出発した。
宿はさつま町にある「紫尾荘」で、約1時間ほどで着いた。