小笠原に行った時、やはり本土とは環境が違うためなのか、今までに見たことのない花をたくさん見る機会があった。
その中の一つに「ハブソウ(波布草)」があった。
ハブソウは毒蛇に咬まれたときの民間薬として使われていたらしい。
ハブというのは主にマムシを指したらしいが、実際にはあまり効果はなかったようだ。
その花が今では小笠原諸島で帰化植物としてあちこちに咲いていた。
ハブソウの特徴は、花は雌しべが湾曲して長く伸び、2本の長い雄しべと短いものが数本ある。
葉は楕円形で先が少し尖っている。
学名:Senna occidentalis (Cassia occidentalis)
英名:Coffee Senna、Coffeeweed、Mogdad Coffee
和名:草センナ、望江南
科名・属名:マメ科 センナ属
原産国:中国
ある時、散歩中に造成地の中でたった1株だけど、黄色い花が咲いているのを見つけた。
よく見ると、小笠原でみた「ハブソウ」にそっくりだった。
「こんなところにハブソウ?」と思いながら写真を撮った。
花は下向き、葉の陰に入っていてよく見えない。
そこで葉をひっくり返し花を見てみた。
やっぱり「ハブソウ」にそっくり。
でも、ちょっとした違和感があった。
その理由が分かった。
それは小葉が6枚で少なく、形は楕円形だけど先が尖っていない。
そして、花が下向きに咲いていた。
インターネットは便利なもので、それを調べたらすぐに分かった。
これは「エビスグサ(夷草)」だと。
エビスグサはこのあと「サヤ」ができ、その中の種はハブ茶の原料になるようだ。
ハブ茶ってハブソウからできるのじゃなく、エビスグサからだなんて、ややこしい。
そのほかにも種は決明子(ケツメイシ)という名前で漢方薬としても使われている。
夜になると葉が閉じるとなっていたので、一枝持ち帰って様子を見てみた。
2枚の葉がぴったりとくっついて閉じていた。
学名:Senna obtusifolia
英名:Sicklepod
別名:ロッカクソウ
科名・属名:マメ科 センナ属
原産地・ 北アメリカ南部、熱帯アメリカ