台湾へは何度も行っている。
近いし、美味しいものもたくさんあるし、何よりも台湾の人たちが親日的で優しい人が多いから。
いつも台北だけだったが、ある年、台湾を一周してみた。
台北には台北桃園国際空港と松山空港がある。
この時は成田から4時間、午後に桃園空港に着いた。
台北に住んでいる友人と空港で落ち合い、すぐに観光に向かった。
最初に行ったのが台湾観光では外せない定番観光スポットで、台北のシンボルにもなっている「中正紀念堂」。
ここは蒋介石を記念して建てられた。
いくつかある門のうち「大忠門」から入った。
この門が紀念堂に一番近い門になっている。
また、この時は車だったが、地下鉄(MRT)で行った場合にも東門駅から一番近いところにある。
一番大きな正門は「自由広場門」だが、それに比べるとあまり大きくはないが威厳のある門だった。
[中正紀念堂]
近くに寄ると、一層大きく感じた。
正面入り口は混んでいたので、横の入り口から入ってみた。
内部は大勢の人で賑わっており、中央に巨大な蒋介石の銅像、背後の壁には、蒋介石の基本政治理念であった、「民主」「科学」「倫理」という文字が刻まれていた。
ここでは毎日、1時間ごとに衛兵交代式があるが、時間の関係で見ることが出来なかった。
人気のイベントなので、残念だった。
でも、次に行く忠烈祠でも衛兵交代式はあるからと、そちらに向かった。
「忠烈祠」は辛亥革命や抗日戦争で命を落とした人たちを祀ってある場所。
門には「萬古流芳」とあり、意味は永遠に名を残すということらしい。
[忠烈祠]
立派な入り口に立っている衛兵さんはまばたきもせず、人形かと思うほどで、全く動かず真っ直ぐに立っていた。
門を入ると広い場所があり、ここにも大勢の人がいた。
辺りがざわついてきたと思ったら「衛兵交代式」の時間になったらしい。
数人の衛兵さんたちが出てきて厳かに始まった。
地面には数本のまっすぐな線が引いてあると思ったら、これは長い年月の間、衛兵さんたちが歩いて出来た跡だとか。
列を崩さず門まで歩き、門の前で交代の儀式をし、また戻っていく。
これだけのことなのだが、「一糸乱れぬ」とはこのことだと思った。
この暑い中での彼らは本当に立派としか言いようがなかった。
たくさんの観光客など全く眼中にない、というような動きで、よほど訓練しただろうなぁと思われた。
この日の観光はこれで終わり、ホテルに入り、夜になってから「士林夜市」に出かけた。
人、人、人でごったがえし、お祭り騒ぎのようだった。
でも、とても屋台のものを食べる気はしなかった。
周りの臭豆腐の臭いは我慢できないほどきついし、裏の方を見なければ良かったのだが、見てしまった。
汚いバケツの水で食器を洗っていたから。
結局、夜市は雰囲気だけを楽しんだだけだった。
翌日は九份と故宮博物院に行く予定。