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映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「野獣死すべし(1959年版)」 仲代達矢

2014-08-10 12:48:28 | 映画(日本 昭和34年以前)
映画「野獣死すべし」は大藪春彦のデビュー作を1959年に映画化したものだ。
当時若手気鋭の仲代達矢が主人公を演じている。

大学院で学ぶ優秀な学生にもかかわらず、冷酷な殺人をする主人公の話だ。
横溝正史シリーズで角川映画のブランドを高めた後で、森村誠一や木彰光や大藪春彦の作品が同じように角川映画に取り上げられた。その印象が強く、昭和30年代に「野獣死すべし」が映画化されていることは知らなかった。
当然フィクションだが、主人公のキャラクターを大藪自身のキャラに重ね合わせている。


「岡田さん」深夜の住宅街を歩く岡田刑事は呼びかける声に近づくと、鋭い銃声のもと歩道に倒れた。車から降りたった青年は伊達邦彦(仲代達矢)であった。拳銃と警察手帳をポケットに入れ、死体を車の後部に押しこむ。そして犯行車を走らせ、別の場所に置いたまま、別の車に乗り換え逃げた。乗り捨てられた車から岡田の死体が発見され捜査がはじまった。ベテラン桑島刑事(東野英治郎)と若手刑事真杉(小泉博)が同僚だった刑事殺しの犯人を追いはじめていた。

伊達邦彦は文学部の大学院生だった。指導教官の杉村教授(中村伸郎)の翻訳を手伝う一方で、論文をアメリカの財団が主催するコンクールに出して留学の機会をねらっている。学内では優秀とされる男だ。ボクシングで鍛えた強靭な体を持ち、巧みな射撃術で完全犯罪のスリルを味わっている冷徹な男だ。彼は決して一人の女を三度以上抱かない。同じ大学に通う妙子(団令子)にも3度目の情交の時に別れを持ちだす。


伊達は裏カジノの賭博場から出てきた中国人の陳と用心棒(佐藤允)に声をかけた。警察手帳を見せて陳に手錠をはめ、用心棒の頭を拳銃でなぐり気絶させ賭博の売上金を奪っていった。裏組織の人間だけに警察には被害届は出さない。黒幕の陳は犯人をなんとしてでも探し出せと指示を出した。

繁華街で面識のあるゲイボーイに伊達が声をかけられた時、伊達を捜している裏組織の用心棒三田(佐藤允)が2人で追いかけてきた。伊達は路上の車にゲイボーイを乗せて逃げた。追いつめられたゲイと伊達だったが、結局伊達は用心棒を射殺して、ゲイボーイの乗った車に火をつけ爆破した。

捜査当局はやくざ関係のイザコザだと推測していた。警察に出入りしている新聞記者(滝田裕介)が話す杉村教授の現代の犯罪論が真杉の気をひいた。それが教授の下にいる大学院生が語ったという。
真杉はその大学院生が気になり探した。ボクシングジムで伊達を見てあっと叫んだ。この男だ。


以前恋人が働く洋酒喫茶で伊達のパフォーマンスをみて気になっていたのだ。
こんな冷徹なことができる犯人は伊達だと決めつける。
一方留学が決まった伊達の最後の仕事は大学の入学金を奪うことだった。伊達は貧乏学生で金に困っている手塚という男と知り合った。二人は大学を襲ったが。。。。

この映画で主人公が犯す犯罪は、警察官殺人事件と賭博場の収益金強奪、そして大学入学金の強奪である。防犯カメラが街中に張り巡らされている現代では、逃走車の行方はすぐさま掴まれてしまうはずだが、当時はそんなものはなく目撃証言だけだ。そう考えると、30年代は犯罪なんてやり放題だと見えてしまう。

ここで仲代が演じる主人公は、子供のころに戦争を体験し、その中でハチャメチャな育ち方をしてきた。今は真面目な院生だが、感傷や情緒がない冷徹人間だ。完全犯罪で自分の思いを遂げようとする。

1.仲代達矢
昭和34年というと、仲代にとっては目下売り出し中という状態だ。前年の大映作品「炎上」「鍵」に出演した後で、この作品と「人間の条件」の主役をかちとっている。「炎上」の陰気臭い主人公の友人役が薄気味悪い。その顔と同じような雰囲気で出てくる。俳優の専属制が徹底していた時期に、映画会社をまたいで出演していたのは珍しい。昭和36年の黒澤明作品「用心棒」では用心棒のライバルになる殺し屋で、昭和35年の成瀬巳喜男「女が階段を上る時」では銀座クラブのマネジャー役と幅広い役をこなしている。彼の出演作いくつみた数えてみたら28作だった。そのうち昭和30年代の作品が占める割合が高い。
熟年になってからの活躍もすばらしいが、多作だった昭和30年代にいい作品が目立つ。

ここからネタばれあり

2.大学への入学金強盗
主人公は学費を払えない結核にかかっている貧乏学生をみつける。競輪に手を出し、すっからかんだ。彼をそそのかし、入学金3000万円(貨幣価値が違う)が入金されている経理課に侵入する。そこには警察官もいたが、別の場所が爆破され気を取られているうちに拳銃を彼らに向け、金庫に入れようとしていたお金を奪う。
しかも、奪った金を持って2人で逃げるときに、貧乏学生に栄養ドリンクと称して、睡眠薬のようなものを飲ませて眠らせて、そこを拳銃で撃って殺す。しかも、車ごと海に突っ込ませる。


3.海外への逃走
警察当局は主人公に疑いの目をもって接するが、つかまえられない。奪ったお金を持って逃げた先が女のところで、彼女に金を渡してその部屋にいたとアリバイ作りをする。それで話が収まってしまう所が昔の映画だ。
しかも、海外へ行ったら逃げ放題といった感じで、空港まで警察は追いかけるが、飛行機に乗り主人公はアメリカに向かう。

それでも、最後警察に捕まるような匂いをさせながら、捕まらない。犯罪を成立させるのである。
この展開はこの当時ではめずらしい。

4.小泉博と白川由美
最初の主演者のクレジットでは、仲代達矢と小泉博が並列で並んでいる。明らかに仲代達矢の主演作だが、この当時ではまだ小泉が格が上だということに配慮したのであろう。小泉博はこのころ実写版「サザエさん」のマスオ役を演じている。サザエさんはもちろん江利チエミだ。そこで白川由美はマスオの妹役を演じる。縁があったのであろう。この映画では小泉博演じる刑事の恋人で洋酒喫茶のカウンターに立つ女性だ。


ここでの白川由美は23歳、当時の出演作をいくつも見たが、この映画での白川が一番美しく見える。白川由美の実家は五反田の美容室で、自分の生まれた家の数軒となりにあった。母に言わせると、その当時白川由美が里帰りすると近所で軽い騒ぎになったという。自分が生まれた家もその美容室も今の五反田にはない。

(参考作品)
野獣死すべし
冷徹な殺人鬼と若き刑事の対決


野獣死すべし
松田優作が演じる殺人鬼
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愛媛を旅する3(今治~しまなみ海道~松山)

2014-08-09 10:21:17 | 散歩
3日目ようやく晴れた。
台風12号が去ったのに、初日から雨模様で冴えない。しかも、勢力の強い台風11号が来ているらしい。
心配だったが、雨雲は遠ざかった。

今治に向かい、瀬戸内海を目指す。

山道の国道をずっと走っていく。信号がないので、軽快に走る。一番燃費が安くなるパターンだ。
確かに今回の旅行で、ガソリン代は予想よりも安く済んだ。

途中、娘がトイレに行きたいという。高速じゃないからしばらくないというと、我慢するという。
それでもやばくなる。
横にそれる道を見て、そこを曲がって外でしたらと妻が言うが、少し行けば集落につきそうなので無理やり我慢させる。
そうすると、カフェテラスがあった。でもやっていない。ヤバイ!
すると食堂らしきものがある。まだやっていなそうだ。
娘を連れて店に入り、平身低頭お願いすると、優しそうな店主がいいですよ。ホッとした。
愛媛はいい人が多い。

今治につく。
よくある地方都市の風情だ。今治駅のすぐそばに廃墟のような旧商店があるのはイメージダウン


大学の同じクラスに今治西高校出身の奴がいた。
すっかりご無沙汰になった。温厚な男だったが、今はどうなっているのであろうか?急に思いだしてきた。
大学野球で早稲田と全勝同士の決戦になった時、今治西高校出身の三谷という1年生ピッチャーに完全に抑えられた。試合前練習から、阪神に行った主砲岡田がスタンドに応援に来ていた加山雄三氏の横へポンポン打っていたのが懐かしい。

四国本土から瀬戸内海を眺める場所へ行く。




しまなみ海道へ入って大島へ行く。
道の駅に行くが、夜もあるから魚介類のバーベキューは食べたくないという。
けっこういい値段するなあ。観光客たくさん来るものね。ぼったくりだなあ。


本屋大賞で知名度が高まった村上水軍の記念館には妻は関心を示さずそのまま戻る。
来島海峡のサービスエリアに入ったら、安く鯛てんぷらそばを提供していた。これはいい。


松山市中心部に戻る。

三越、全日空ホテルと立ち並ぶ風景に市電が走っているので広島を思い出す。
大きな商店街も市電のある熊本や広島と似たような光景だ。


カフェで休憩する。
サラリーマンらしき人間が見当たらない。東京とちがう。
ほとんどが学生で、中には参考書広げて勉強している人間もいる。


大学の1年後輩に愛媛の名門愛光学園出身の男がいた。自分の実家のすぐ近くに下宿していて、麻雀好きでよく打ったものだ。自分の母も何かというと、彼をかわいがっていた。若干うっとうしい部分もあり、軽いイジメというか、からかいを受けていたが、みんな彼のことが好きだった。長らく大手製薬会社に勤めていたが、ここ数年連絡がとれなくなった。2年前同期で集まった時に彼の行方を探しだそうと努力した。でも見つからない。

カフェで勉強する学生を見ながら彼を思った。

萬翠荘という旧松山藩主の流れをくむ久松家がつくった立派な建物を見た。
たとりつく前にあるのが「坂の上の雲ミュージアム」だ。

これは安藤忠雄氏の設計になるものだ。コンクリートよりもガラスの方が目立つのは彼にしては珍しい。

でも「坂の上の雲」にまったく関心がないので目の前をスル―

大正11年に建てられたこの洋館は凄い迫力だ。
国の重要文化財で、昭和天皇は摂政時代からこの建物がお気に入りだったそうだ。

設計者は日本人設計者木子七郎で、今の通貨に換算すると19億円ほどの総工費がかかったらしい。
大きなステンドグラスがメイン階段の前に飾られている。


天井高が高い。壁は漆喰だ。水晶でできたシャンデリアのデザインもすばらしい。


親切なボランティアさんに懇切丁寧に説明してもらった。
松山城を含め、このようなすばらしい建築物が戦災を受けた際、よく焼けなかったものだ。
これは奇跡と言うべきだろう。

街中を歩いて、途中道後公園に寄りながら宿に戻った。
記憶にとどめるべく、風呂に何回も入った。

最後の夜はサザエの唐揚げを食べた。これは絶品だ。


道後温泉は最高だった。夜は酒が進んでしまった。


最終日は雨が降った。台風が近づいても意外に松山は大丈夫らしい。
飛行機は揺れたが、無事に東京に戻れてよかった。
また来たい。
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愛媛を旅する2(八幡浜~内子~道後温泉)

2014-08-09 08:51:59 | 散歩
今回の目的は妻の母親が生まれた八幡浜に行くことだった。
八幡浜ってまったくご縁がない。

大学時代、母校の野球部に八幡浜高校出身の1年生が入ってきた。いきなりベンチ入りで鳴り物入りだった。
そののち巨人軍に入る上田和明氏だ。ドラフト1位にもかかわらず、巨人時代は守備要員で冴えない選手だったが、ホームランを打ったときに母校の先輩で愛媛県出身の藤田元司監督やクロマティをはじめベンチが大騒ぎになったシーンが今でも脳裏に浮かぶ。

2日目、道後温泉から車で松山インターに向かい、松山道へ入る。
大洲インターで降りて、下道で八幡浜へ向かう。町は寂れている印象だ。
松山市内もそうだが、やけに病院や診療所が道路沿いに目立つ。競争が激しいので大丈夫?


妻の母の父が入っているらしい寺に行く。
墓も段々畑のような場所にある。


目的地付近は道が狭い。


海に面した集落の風景は和歌山に似ている。というより全国共通の景色か


八幡浜港からは九州に向かう船が出ている。


港の前に「道の駅」があり入る。


八幡浜ではちゃんぽんで町おこしをしている。店も50以上あるらしい。
以前天草のちゃんぽんに感動したことがあり、それと比較するのは酷だがおいしい。


内子町に向かう。
ここには江戸から明治にかけてつくられた商いの町が保存されている。
飛騨高山の街並みや倉敷の美観地区みたいなものだ。
ちょうど七夕の短冊が玄関前に飾っている。


床屋も昔ながらの建物だ。


建物のレベルはいい感じだ。
身近なところでいえば、川越よりはいい建物がそろっている。


松山に戻り、旅館のそばにある道後温泉本館に向かう。


国の重要文化財で明治時代の古い建物がそのままに残されている。
なんとミシュラン三つ星だ。とりあえず入る。


三階の個室に行くつもりだったが、順番待ちということなのでやめる。残念
ランクが上の風呂に行けば、両方入れるということなのでとりあえず二階広間に向かう。
風呂はそれなりだ。

思ったほどの感動はない。風呂は撮影禁止であった。
昭和30年代くらいまでタイムスリップしたように外の窓は全開で天井ファンがまわる。空調はない。
皇室用の風呂は見学させてもらったが、天皇の控え部屋も含めてなかなかのものだった。

三階の「坊ちゃんの間」は角部屋、撮影可なので撮る。


夏目漱石はたった1年しかいないのに、松山の人たちは商魂たくましくあらゆるところで漱石の坊ちゃんの世界を売り込む。


駅前の時計のそばでは足湯ができる。


夜は同じコースだけど、前日と違うものを注文

リガトーニ伊予牛の煮込み仕立て


鱸のソテー
檸檬と木の芽のバター仕立て


満足だ。この日もすぐ寝てしまう。
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愛媛を旅する1(松山城)

2014-08-09 07:43:04 | 散歩
8月第二週に3泊4日で愛媛県に行ってきました。
広島に行った時、しまなみ海道から今治市内扱いの島へ行ったことがある。でも四国本土内の愛媛県内に入るのは初めて

飛行機で松山空港へ行き、レンタカーを借りてまずは松山城へ
市の中心部に入り、お堀が見えてくる。この風景は和歌山と同じだ。
でも城の位置が山の上でものすごく高い。これには驚く。
ロープウェイ乗り場に行く


マドンナ姿の女性がロープウェイの係
リフトかロープウェイの選択だが、ロープウェイを選択


ロープウェイを降りてから少し歩く




天守閣が見えてくる。
なかなかかっこいい。全国の城はずいぶん見ているが、予想以上にいい。


天守閣に上ってみる景色は抜群だ。道後温泉の旅館が見える。




道後温泉に宿泊する。
温泉に入ると気持ちがいい。旅館の露天風呂からは松山城と町の景色が見れる。

料理は洋食メインディッシュを2つ選択形式だ。
その他の前菜はオープンキッチンの前にたくさんあって自由に食べられる。
単なる懐石よりも良いかもしれない。

刺身も自由に食べられる。


かき揚げも揚げたて


しゃぶしゃぶ風サラダ
おいしい。


伊予牛の網焼き 西京味噌仕立て
酒が進む。


疲れもあってか8時前にバタンキューしてしまう。
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映画「るろうに剣心 京都大火編」 佐藤健

2014-08-03 15:32:29 | 映画(日本 2013年以降主演男性)
映画「るろうに剣心 京都大火編」を映画館で見てきました。
相変わらず佐藤健の剣はすばやい。
前作るろうに剣心同様、佐藤健のスピード感あふれる剣さばきを十分楽しめた。


前作では吉川晃司、香川照之の悪役に強い存在感があった。今回も同様である。
藤原竜也ダークナイトライジングトムハーディ演じた「ベイン」のように顔をマスクで隠して見せない。大やけどした顔をさらさないが、「ダークナイトライジング」での「ベイン」の強さを思い出して気味が悪い。

神木隆之介はほんわかした現代の男のようで、実は強い。剣心の刀を真っ二つにしてしまう。
そして伊勢谷友介が不気味に強い。そして、剣心のみをひたすら狙っていく。その他現代のツッパリあんちゃんのような三浦涼介などのライバルが盛りだくさんなので、ストーリーに重厚感が出てくる。
そこに加えての大友啓史監督と谷垣健治のアクション指導がするどい。なかなかの作品である。

かつて“人斬り抜刀斎”と恐れられ“最強”の伝説を残した男・緋村剣心(佐藤健)は、新時代を迎え、神谷薫(武井咲)ら大切な仲間たちと穏やかな日々を送っていた。

そんなある日、剣心は新政府から、剣心の後継者として“影の人斬り役”を務めた志々雄真実(藤原竜也)を討つよう依頼される。志々雄は新政府に裏切られ焼き殺されたはずだったが、奇跡的に復活、京都で戦闘集団を作り上げ日本征服を狙っていた。

剣心は必死で止める薫に別れを告げ、京都へと向かう。
かつては剣の腕も頭脳も剣心と互角だったが、今や誰もが恐れる魂の凶悪さを持つ志々雄とついに宿命の対面を果たす剣心。だが、志々雄は部下の瀬田宗次郎(神木隆之介)に相手を命じ、その最速の技は剣心の逆刃刀を真っ二つにしてしまう。

さらに剣心は、元御庭番衆の四乃森蒼紫(伊勢谷友介)が自分を狙っていることを知る。彼は、剣心に勝って己こそが最強だと証明しようとしていた。
逆刃刀を失くし、最大の危機に立つ剣心のもとへ、薫と仲間たちが駆けつける。一方、志々雄は京都大火を企てるが、その炎の影には恐るべき陰謀が隠されていた……。 (作品情報より)

危機一髪の場面が波状攻撃で訪れる。でも主人公が絶対優勢なわけではない。
その展開なので、何が起こってもおかしくないとこちらに思わせる。そこがうまいところだ。

1.佐藤健の剣さばき
落ち着いた生活に戻っているという設定である。人斬りと恐れられたパフォーマンスを懸命に抑えようとするが、それですまない。維新の大物大久保利通から直々に依頼を受ける。しかも、大久保利通は志々雄の部下に暗殺されてしまう。
小田原で志々雄の一派に町が崩壊された場所で、悪に立ち向かう剣さばきが実に鋭い。
次から次へと斬りまくるこのシーンが一番自分にはよく見えた。

ただ、この映画では相手のキャラがはっきりしないその他大勢には、めっぽう強いが、個人勝負で絶対的な強さを発揮するようにはつくっていない。そこがミソ、悪役が強い映画は面白い。

2.武井咲
相変わらずかわいい。京都に行くなといいつつ付いていく。これツッコミだけど、いくらなんでも極悪相手に長刀もって立ち向かうなんて設定ないでしょといった感じだ。普通であれば、男性剣士にすぐさま切られてもおかしくない。最後に向けてのストーリーに合わせるのかもしれないが、うーん?といった感じ。

3.カメラワークの巧みさ
前作でも感じたが、横だけでなく縦の動きもある。空間を十分に使っているアクションだ。それを映しだすカメラワークがうまい。スピード感をうまくとらえる。先ほど指摘した小田原での佐藤健の剣さばきを映しだす場面にはほれぼれした。神木隆之介の映し方もうまいなあ。時代劇をアクション劇にする監督の意図をファインダーの底からうまく伝える。

最後にある人物が登場する。大物だ。
この次作が楽しみになってくる。
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