映画とライフデザイン

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マネーボール1  ブラッドピット

2011-11-17 21:40:52 | 映画(自分好みベスト100)
映画「マネーボール」を劇場で見た。
映画は娯楽という原点に返って実におもしろかった。

野球映画の主人公はプレイヤーであるのがほとんどだ。監督が少し混じっているくらいであろう。「マネーボール」の主人公ビリー・ビーンことブラッド・ピットは、オークランド・アスレティックスのGMだ。普通なら憎まれ役にされそうなところだが、今回は映画の主役だ。ビーンは野球選手として挫折を体験している。スカウトを経て若くしてGMとなった。アスレチックスが2002年にア・リーグの連勝記録を達成できたのは、彼の力が大きい。


いきなり2001年のプレーオフでアスレチックスとヤンキースが戦う場面が出てくる。実際のシーンである。スター選手を集め実力ナンバーワンのヤンキースに肉薄するが敗れる。GMであるビリー・ビーンことブラッド・ピットは、ラジオを片手に聞いていた。彼にはジンクスがあり、球場では観戦しないのである。
シーズンオフになり、猛打を振るったジオンビをはじめとした主力3人が他球団へ移る。主砲ジオンビに至ってはヤンキースだ。その穴埋めをしなければならない。しかし、球団オーナーの気前はよくない。札束を重ねて他球団のスター選手を獲得する財政状況ではない。GMであるブラットはスカウトを集めて候補をあげてもらうがピンとこない。しかも、彼らの発言は長年の経験だけで感覚的に選手の名前を列挙する。
そんな中ブラットはインディアンスにトレード交渉に向かう。そこで一人の若者を発見する。ブラットがインディアンスフロントに選手を要求すると、ひそひそ声でその選手のことをフロントに注進する男だ。ブラットは彼が気になり交渉の後声をかけた。彼の名前はピーター・ブランドことジョナ・ヒルだ。野球経験のない小さい小太りの若者だが、イェール大学経済学部出の秀才だ。野球データがびっちり頭に詰め込まれている。自分の補佐にピーターを誘った。


ピーターが重視するのは出塁率である。選球眼が良い、数多く塁に出る男を評価する。強打者ジオンビをはじめとした3人の出塁率の平均0.36から、同じレベルで前の球団で干されている3人の男を選んだ。当然干されているのには理由がある。捕手なのに肩が壊れている。元スター選手だが今は衰えているなどスカウトたちは選手名を聞いて強く反発するが、ブラットGMは押し切ってしまう。従来のデータ分析では過小評価を余儀なくされる野手や投手たちを選んでいく。しかし、シーズンに入り結果がすぐ出るわけではなかったが。。。。

自分が小学校6年のとき、卒業したら何になりたいという文集で、スポーツのアナウンサーになりたいと書いた。小学生のときは、スポーツの記録オタクだった。特に野球、相撲、プロレス雑誌を毎月買い続けて、そこに書いてあることや記録表を暗記するのが趣味だった。何に役立つわけではない。単なる自己満足だ。そういう自分からすると、この映画ほどわくわくさせられる映画はない。

日本でいえば、野村克也のデータ野球が連想される。野村克也は最後の4割打者テッドウィリアムズの著書に強い影響を受けている。これもすごい本だ。相手のくせ、弱点を調べてという場面もこの映画でも出てくる。似ていると思われる場面もある。しかし、この映画の主題材は野村やテッドウィリアムズと若干違う。ビジネス的な要素がそこに強く入っているからだ。いかに安くいい選手をそろえるかという観点で、データが選択される。これがまたおもしろい。


ブラッドピット演ずるはぐれ者GMはなかなかいい味を出している。いつものブラッドピットのふるまいと大して変わらないが、元妻に逃げられた3枚目半の性格を演じる。ここではやはり野球データオタクのジョナヒルの存在がいい。アメリカ映画ってよくこういう天才を登場させる。日本映画でもないわけではないが、アメリカ映画の方がこういう半端ものの天才をうまく描写する。彼の出身大学という設定のイェール大学はアイビーリーグの名門、彼にアイビールックをさせるがぱっとしない。カッコ悪く見せるのがミソだ。ここでも実におもしろく脚本が練られている。最高だ!。。。。続く

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