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映画とライフデザイン

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映画「セプテンバー5」

2025-02-16 19:20:25 | 映画(洋画:2022年以降主演男性)
映画「セプテンバー5」を映画館で観てきました。


映画「セプテンバー5」1972年のミュンヘンオリンピックでのイスラエル選手団へのテロ事件を生中継しようとしたアメリカABC TVの現地スタッフの動きを描く映画である。当時中学生だった自分は日本選手の活躍ばかりに目がいって、テロ事件があったと知っていてもあまり気にしていなかった。遠くドイツでの出来事は日本人と関係ないことだと思っていたのかもしれない。もっと大人になってからユダヤ人とアラブの関係を知りこの出来事自体が重いことだと分かった。この事件のその後をたどった名作「ミュンヘン」はあるが、その時のABCの話は当然初めて聞く。

ミュンヘンオリンピックと言えば男子バレーボールである。オリンピックが始まる前から各選手と松平康隆監督のパフォーマンスをドラマ化した番組を当時の中学生はみんな見ていた。運良く金メダルとなったが、準決勝の試合でハラハラドキドキしていた。あとは、水泳では金メダルは無理だと日本人誰もが思っている時に田口、青木両選手が金メダルをとった瞬間だ。中学の仲間たちとみんな興奮した。その瞬間友人の家に集まって夏休みの課題を一緒にやっていた記憶がある。

1972年9月5日ミュンヘンオリンピックの現地クルーとして派遣されていたアメリカABC TVの拠点銃声が聞こえる。ABCの拠点は選手村のすぐ隣にあった。何かあったのか?とスタッフたちは最初は思っていたら、至る所から情報が入り事件と察知する。パレスチナ武装組織「黒い九月」による、イスラエル選手団を人質にするテロが発生したのだ。
制作担当者(ジョン・マガロ)はカメラを屋外に運び出して宿舎の部屋を映し出す。選手村内にも選手に変装したクルーの一人が検問を突破しフィルムを運ぶ。フィルムには覆面姿の犯人がくっきりと映る。現地にいるスポーツ局の責任者(ピーター・サースガード)は、事件が分かり「報道局に任せろ」という指示を拒否してCBSと交渉し通信衛星の時間枠を交換して生中継を続けるのだ。


緊迫感あふれる90分であった。
スピード感あふれて目が離せない場面が次から次へと続く。


ユダヤ対アラブの思想的な背景には触れずに、ひたすら超特ダネを追うTV局員たちを追う。局内のクルーを選手に化けさせて厳戒態勢の選手村に忍び込ませて映像を撮ったり、やれることはなんでもやる。果たして生中継として放送して良いのか?というTV局内のスタッフ同士の葛藤もある。銃をもった警察部隊が屋根にあがって侵入する場面を撮っていると警察が撮影を止めろとTV局の拠点に銃を持って踏み込んでくる。

誰も彼もが必死だ。その真剣度合いがこちらにも伝わってくる。
人質が解放されたという情報が流れる。それが真実という裏がとれていないうちに発表するかどうかの社内の葛藤も見どころのひとつ。歓喜にあふれた局内が一転悲報でどん底に落ちる。アップダウンが90分間続いていた。


クレジットトップはTV局の現地責任者を演じるピーター・サースガードで、メジャー俳優が出演しているわけでない。それでも個性あふれるTV局員をそれぞれに巧みに演じていた。俳優たちの動きに緊迫感を持たせたティム・フェールバウム監督の手腕が光る。昨年自分が傑作と評したドイツ映画「ありふれた教室」の主演レオニー・ベネシュが現地のドイツ語通訳役で出演していた。途中で気がついた。戦後ドイツの立ち位置を示す重要なセリフもあって今回も存在感がある役柄だった。

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