映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

情婦  ディートリッヒ

2009-03-18 06:15:56 | 映画(自分好みベスト100)
最初見たとき、結末のどんでん返しにあっと驚いた。
どんでん返しのすさまじさは世界最高の映画だと思う。
「結末は絶対に他の人に語らないでください」のはしりである。

「情婦」という題名は日本名でいやらしい。
元題はアガサクリスティの戯曲「検察側の証人」である。

そんなこの映画をもう4回見ている。2回目からはストーリーを楽しむというよりもベテラン俳優たちの演技とビリーワイルダーの演出を楽しむようになった。

心臓疾患で入院していた弁護士チャールズロートンは、退院してすぐ依頼人タイロンパワーの訪問を受ける。彼はつき合っていた初老の富豪女性を殺した犯人だと疑われている。ロートンは病み上がりであることで断ろうとするが、タイロンの話を聞き弁護を引き受けようとする。
そのあとタイロンの妻マルレーネディートリッヒの訪問を受ける。妻は殺人事件のあった日のアリバイを証言するというが、妻を証人にするのは無理とロートン弁護士は判断する。
裁判がはじまって、警官や富豪のお手伝いさんが証人に立ち被告側に不利な証言をする。それをロートンは鮮やかな弁舌でうまくかわしていく。
ところが検察側の証人として突如殺人犯の妻ディートリッヒが登場し彼に不利な証言をして、被告タイロンと弁護士ロートンはあわてる。。。。
このあと二転三転して、最後にまたひっくり返る。イヤーすごいなあ!クリスティ

最初見たとき、チャールズロートンはずいぶんうっとうしいなあと思った。性格が悪そうな感じがしたからだ。
でも見れば見るほど、彼の演技のすばらしさに感嘆する。この映画はサスペンスとも法廷ものとも思われるが、ロートン扮する法廷弁護士の緩急自在な演技は法廷ものの最高峰だ。
またディートリッヒの落ち着いた老練な演技もすごい。七変化でさまざまな表情を見せる。まさに役者だ。
タイロンパワーはこの映画のあとすぐ亡くなっている。この映画を見ると何か感じさせるものがある。

あとはロートンの召使兼看護婦役のおばさんや富豪女性のお手伝い役のおばあさん、滑稽な裁判官
いずれもビリーワイルダー映画らしい味を出している。
法廷劇といいながらワイルダーらしいコメディの要素もちらちら見せて、あきさせない。
ジャックレモン&モンローの「お熱いのがお好き」のすぐ前でワイルダーにとってピークの時期でもある。

自分が好きな法廷劇ベスト3はこの作品と「フィラデルフィア」「評決」である。
最高の弁護士として、チャールズロートン、デンゼルワシントン、ポールニューマンの3人をあげたい

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