映画とライフデザイン

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映画「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」ウディアレン&エル・ファニング&ティモシー・シャラメ

2020-07-17 06:26:18 | 映画(洋画:2019年以降主演女性)
映画「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」を映画館で観てきました。

ウディアレンの新作である。こればかりは映画館で見るしかない。いつものようにWindsor フォントのタイトルバックで始めると、今回はどんな話なんだろうと心がときめく。郊外の大学に通うカップルがマンハッタンに遊びにいったけれど、2人で楽しい週末を過ごすつもりが思わぬ出来事に遭遇して雨の中で右往左往するという話だ。

ジャジーで洗練された音楽がバックに流れ、大人のおとぎ話のように話が展開する。ウディアレン自身が話すように早口にまくし立てるセリフに映画が始まって一瞬訳がわからなくなるが、毎度お馴染みのムードに心が安らぐ。


ニューヨークの裕福な家庭で育ったギャツビー(ティモシー・シャラメ)は、ブルジョワ好みで嫌いな母親から逃れるために、郊外の大学で学生生活を送っている。ギャツビーにはアリゾナ生まれのアシュレー(エル・ファニング)という恋人がいる。そのアシュレーが学生新聞の記者として、著名な映画監督ポラード(リーヴ・シュレイバー)を取材することが決まり大はしゃぎ。そして、インタビューをするニューヨークに2人で行きロマンチックな週末を過ごそうとしていた。

マンハッタンのプラザホテルに着いたあとに、アシュレーがポラード監督へのインタビューに向かうと、監督と一緒に新作を見ることになってしまう。その時から元々のスケジュールが崩れ始める。その後に、アシュレーは憧れの人気俳優であるフランシスコ・ヴェガ(ディエゴ・ルナ)や脚本家のテッド(ジュード・ロウ)に出会ったり、2人に思いもしなかった出来事が次々と起こるのだった。。。。


主人公の彼はギャツビー、その名前は「華麗なるギャツビー」から引っ張ったのか?ニューヨーク生まれなら、ロングアイランドを舞台にしたギャツビーに引っ掛けてつけてもおかしくない名前だ。アシュレーというと、先日倒産したローラアシュレーを想像するが、違うよね。スペリングが違うもう1人のアシュレイも登場する。そんな主人公2人にいつものようにウディアレンが自らがしゃべっているようにしゃべりまくらせる。

⒈映画人の登場
女性学生記者となるアシュレーにも映画の素養がある。著名な監督の前では、黒澤明の名前も含めて著名監督の固有名詞が次々とでてくる。インタビューをしていると、気に入られて新作を観ないかと誘われる。一気に有頂天のアシュレー。恋人のギャツビーを映画終わったらすぐ戻るからねと言って電話するがそうはいかない。気がつくと、有名スターに会ったり、一緒に行ったパーティーでこれまた売れっ子の脚本家にあったり、もう舞い上がりっぱなし。


一方で空き時間ができたギャツビーがマンハッタンの街に飛び出すと、昔の仲間が路上で撮影しているところに出くわす。この仲間、いかにもウディアレンを連想させる風貌のメガネをかけた映画監督である。これもシャレか。突然映画のエキストラをやってくれと言われ、気がつくとキスシーン。相手はなんと旧知のガールフレンドの妹だ。そこでも足止めをくらい部屋に戻ると、人気俳優に新しい恋人ということでTV画面になんとアシュレーが映っているではないか!


そんなこんなであたふたするが、基調は映画「ミッドナイトインパリ」と似たおとぎ話のようなものだ。ありえない世界に引き込まれる。こんなことたった1日で起こるわけがない。ぎゅう詰めに短時間にハプニング小話を詰め込む。アシュレーと映画人のまったくかみ合わない会話なんかもいい感じ。ギャツビーが1人ぼっちになってホテルのバーで彷徨っているときに、美女と意気投合して実家に帰還してからの母親との会話が映画の見ものだ。

⒉窮地に陥るウディアレン
この映画を見終わって、いくつかネットで検索してウディアレンがプライベートで窮地に陥るのを初めて知った。その昔の性的虐待が問題になっているようだ。なんと、米国で公開されていないという。そんなことあるんだという感じである。ネット記事によれば、出演者のティモシーシャラメエルファニングを始めとしてこの映画に出たことを後悔しているなんて話を聞くと悲しくなる。

この映画でのエルファニングはいかにもウディアレン本人が乗り移ったかのような話し方で軽快に演技しているのにと思ってしまう。ウディアレン映画の往年のヒロイン、ダイアンキートンやスカーレットヨハンソンウディアレンをかばっているというのだけが救われる。


われわれはスカーレットヨハンソン主演の「マッチポイント」で予想もしない結末に唖然とする。この映画の終わり方もらしいと言えばウディアレンらしいとも言える。


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