映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「大統領の料理人」と最強の料理映画

2014-05-05 11:52:02 | 映画(フランス映画 )
映画「大統領の料理人」は2013年公開のフランス映画

南極に渡った元大統領の料理人の女性の姿を描く。
目の保養になるおいしい料理が盛りだくさんに出てきて食欲を誘う。映画の持つ落ち着いた響きもいい。

取材に訪れた仏領南極基地で、オーストラリアの女性TVクルーが一人の女性オルタンス・ラボリに遭遇する。彼女は南極基地の料理人だった。同性ということで関心を持ったTVクルーは噂で彼女が以前大統領のお抱えシェフだという話を聞く。ぜひ取材をしたいと彼女に迫ってもかわされるばかりであった。

その4年前、オルタンス・ラボリ(カトリーヌ・フロ)はフランスの片田舎で小さなレストランを営んでいた。普通の女性である彼女をフランス政府が迎えに来た。そして大統領官邸であるエリゼ宮殿に向かう。彼女はミッテラン大統領(ジャン・ドルメッソン)からの直々の指名で、彼のプライベートシェフに抜擢されたのだ。ジョエル・ロブションの推薦である。
大統領官邸は独特の儀礼や規律を重んじ、細かい約束事で縛られていた。しかも、主厨房は大勢の男性料理人だけで営まれてきたので、部外者の指名にいい顔はしない。彼らの嫉妬を無視して、大統領に美味しい料理をつくることを考えていた。事前に大統領の嗜好を聞こうと秘書官や厨房関係者に聞いても誰も教えてくれない。

オルタンスは、食事の後の皿の様子、給仕たちの観察、そしていくつものメモを書き、あらゆる方法で大統領の気持ちを直接確かめようとする。どうやら大統領も満足しているようだった。彼女についた助手や給仕長は、いつしか彼女の料理の腕前に刺激され、厨房の雰囲気も明るくなっていった。そんなある日、オルタンスは、ミッテランから直接声をかけられる。子供の頃は料理本を読むのが好きだったという大統領のオーダーはフランスの懐かしい味を味わいたいということであった。。。

既存の権威の中に異分子が入り込み、旋風を巻き起こすというのは古今東西よくあるパターンで、中には料理人という設定もある。わずか2年間の活躍にすぎないが、その中で大統領官邸ならではの慣例があり、そのハンデを乗り越えた彼女の踏ん張りを映画では語っていく。でもこれは「視覚に訴える」映画だと思う。美しい料理の数々とうんちくを楽しむしかない。

1.ミッテラン大統領
何と1981年から95年まで14年も大統領をやっていた。死ぬまで大統領をやっていたというすごい人である。社会主義者と言いながらエリゼ宮を官邸として使い、宮廷さながらの食生活を官費でできるというのはうらやましい。
シンプルな料理が好きで、素材の味を活かした料理をつくってほしいと希望する。子供のころにニニヨンが書いた「フランス料理讃歌」という料理本を読んで、そらでレシピが言えるようになったという。

2.ミッテランの健康状態悪化

後半官邸の主治医が大統領の健康をかなり気にするようになる。そのためにかなり材料やソースにクレームがつく。主人公は反撥するが受け入れるしかない。そりゃそうでしょう。自分が見てもこんな美食ばかりだと健康状態悪化するのはしかないと思うもんね。それでもミッテランがひっそりと厨房に入ってきて、とびきりのトリフを食べるシーンがある。このお忍びのシーンがいい感じだった。

3.美しい料理
これは映像で見るしかない。予告編の中の料理をみてほしい



料理の会話でロワール川のほとりうんぬんという言葉にはしびれた。
自分自身は少なくとも白ワインならサンセールまたはプイィ・ヒュメのロワール川付近のワインを選択する。

4.豪華な料理と経費削減
主厨房に長年納入してきた業者がいて、材料はそこから購入するように言われていた。しかし、もっとおいしい素材があると、大統領に直訴しておいしい素材を産出する原産地から直接仕入れをするようになる。場合によっては、直接購入に向かうため、その往復の交通費を請求してきたが、官邸から文句をいわれる。原材料も高すぎるという。そう言われて主人公も少しづつやる気をなくしていくわけだが、どこでも青天井で金を使うのは無理だよね。

5.自分が選ぶ最強の料理映画
まずはこの2作が最高峰だと思う。
バベットの晩餐会

バベッドの晩餐会
ここで語られる暖かいお話も含めて、料理映画の最高峰だと思う。

恋人たちの食卓

「恋人たちの食卓」
台湾が舞台だ。序盤戦で三姉妹の娘に料理を振る舞う父親の姿が映される。一流のコックの主人公が家庭料理でだす中華料理の美しいこと。これは凄い。そう思っているうちにメガホンをとるアン・リー監督はハリウッドメジャー監督になる。最近は「ライフオブパイ」で2度目となるアカデミー賞監督賞を受賞している。
料理の本場中国ではいくつか料理映画がつくられている。ずいぶん見たが、この映画の料理が一番だ。

あと食欲をそそる作品は


ウェイトレス~

ウェイトレス
パイ作りの名人と言う設定だ。このパイの色合いは実に美しい。

青いパパイヤの香り

青いパパイアの香り
ここで映されるシンプルなベトナム料理には豪華さはない。でもおいしそう。
ディナーラッシュ

ディナーラッシュ
ロブスターを使った料理がおいしそうだが、映画の持つムードがどす黒いので苦手な人もいるかも


ジュリー&ジュリア
シュリー&ジュリア
メリルストリープが料理研究家に扮する。アメリカ映画の中では料理がおいしく見える作品

あとは日本映画でいえば伊丹十三「タンポポ」でしょう。

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