映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

ソフィアの夜明け  

2011-11-06 19:18:59 | 映画(欧州映画含むアフリカ除くフランス )
「ソフィアの夜明け」はブルガリアの首都ソフィアを舞台にした作品だ。けだるい雰囲気で始まり、最後までその流れは変わらない。ドツボにはまる主人公兄弟がせつない。まずしい東欧の生活をクローズアップして、ドラッグ、ネオナチ集団やトルコ人との民族葛藤など、普段考えもしない話題が妙に新鮮だ。


ブルガリアの兄弟をクローズアップして、2人の物語を並行して映す。
両親と一緒に住む17歳の弟は、頭をスキンヘッドにしてネオナチ集団に加わる。家族と疎遠になっている兄ことフリスト・フリストフは38歳の木工職人だ。ドラッグ中毒で治療を受けていた彼はアルコールに頼る日々を送っていた。兄の恋人は演技専攻の学生。若い彼女は彼を心から愛している。でも彼はそっけなく彼女を取り扱う。彼女の誕生日にレストランで食事をともにするが、話もしない彼に怒った彼女が店を飛び出ていく。そのときトルコ人の家族3人が食事に来ていた。
トルコ人家族が外へ出ると、チンピラ達に囲まれる。いきなりボコボコにあう。そのチンピラ集団には弟が混じっていた。すぐあとに兄がそこを通りかかり、トルコ人家族をかばうが、コテンパンにやられる。その時弟の姿を見かけた兄は。。。。


ブルガリアを地図で改めてみた。今話題のギリシャと隣り合わせで、トルコともつながっている。オスマントルコ帝国全盛時代には500年以上トルコ領だった。その後ロシアを中心とした東欧経済圏の国となった。東欧諸国に共通することだが、貧しさがにじみ出るような映像があらわれてくる。
路面電車が通る首都ソフィアの街に走る車は少ない。その昔五木寛之が「ソフィアの秋」なんて小説を書いていた。名前から連想するイメージは素敵だが、映像から察すると非常に地味な場所だ。都市化への進化が遅い。
そこに映る主人公はいかにも社会の底辺といった印象だ。



この主人公もクランクアップ寸前にドラッグ中毒で死んだという。そういう悲しい話もある。トルコ人の家族が主人公の兄弟に絡んでくる。娘が美しい。エキゾティックでトルコ版黒木メイサをみるようだ。

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