映画とライフデザイン

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映画「暗黒街大通り」 高倉健

2014-02-12 17:07:04 | 映画(日本 昭和35年~49年)
映画「暗黒街大通り」は昭和39年の東映映画
東映が徐々に時代劇から方向転換しているころだ。
若き日の高倉健、梅宮辰夫が兄弟分として出ている。映画としては普通だが、高倉健はさすがの存在感だ。
昭和30年代後半の東京が写しだされる。

博徒中万組の中田万造(金子信雄)とグレン隊東京地下警察会長黒岩元(安倍徹)が手打ち式を行っていた。「成金」の刺青をした任侠人忍朝二郎(大木実)は、中万から黒岩を叩くよう依頼された。失敗に終わった後、狙われ自宅で命を落した。忍鉄也、銀二郎、健三の三兄弟は、まだ幼かった。死ぬ前に父からは何があっても三兄弟で行動を共にするように言われた。
元凶を黒岩とみた三兄弟はこの手打式の会場に殴りこんだ。子供ながらに復讐に向かう姿を見て中万は三人を引き取った。
十数年のち、中万は関東総代となり、黒岩はグレン隊の大組織東京クラブのボスにおさまっていた。中万と黒岩は暗黒街で牙を競い合う。鉄也(高倉健)、銀二郎(梅宮辰夫)、健三(待田京介)の兄弟は関西から九州へと流れたが、育ててくれた中万の元へ戻っていた。

中万の長男勝雄が興行主となった人気歌手三条早苗(中原早苗)の公演が黒岩組の手で邪魔されていた。三兄弟は早速に手際良く黒岩組の愚連隊を捌く。中万組には3人と幼なじみである組長の娘(三田佳子)がいた。彼女は密かに鉄也に心を寄せていた。兄弟は彼らの父の通称であった「成金一家」の再興を条件に、黒岩傘下のシマを次々と奪っていった。黒岩組にとっては今や勝雄に代ったこの兄弟の存在が大きかった。黒岩は色仕掛けや様々な方法で兄弟を危地に陥しいれようとしたが。。。

この昭和39年当時の映画製作でアラが目立つ。ストーリーもありがちで大きな変化はない。
ここでは俳優を追いかけるべきだろう。

高倉健の芸歴でいえば、この年は時代劇では「宮本武蔵」の佐々木小次郎役、「飢餓海峡」の刑事役を演じている。任侠映画は前年の鶴田浩二との共演「飛車角」から演じはじめてきている。このころは、演じればすべて主役というわけではない。それでも後年でも感じる彼でなくてはならない強いオーラがある。どちらかと言えば、二枚目俳優の色彩だ。

梅宮辰夫も後年の「仁義なき戦い」あたりと比較すると、まだまだ若い。ピストル扱いの名手で、人気歌手と恋仲になる役だ。相手はのちの深作欣二監督夫人の中原早苗が演じる。梅宮辰夫はある意味同郷で、彼の父上は自分の小学校の校医だった。風邪引いた時よく診察してもらった。母に言わせると、父上の方がハンサムだと。梅宮医院には美人の看護婦がそろっていたのが子供心に印象に残る。

脇役が自分の役割を心得ているのがいい。
金子信雄は「仁義なき戦い」で見せる意気地のないずるい親分役がここでもうまい。この間見た「総長賭博」でも同じようなテイストだった。晩年の料理評論家ぶりもよかった。

安倍徹はこのあといったいどのくらい悪役を演じたのであろうか?自分が初めてドラマを見るようになってから中年になるまで彼は徹底して悪役だった。ここまで徹することが大事なんだろう。

大木実の任侠人も悪くない。


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