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映画「ブラック・スキャンダル」 ジョニー・デップ

2016-01-31 19:41:25 | 映画(洋画:2016年以降主演男性)
映画「ブラック・スキャンダル」を映画館で見てきました。


ジョニーデップの新作はハゲ頭姿でちがった雰囲気だ。何度か予告編で見て、FBIとアイリッシュ・マフィアと上院議員が共謀する映画だとわかってはいた。ジョニーデップ作品では「ラムダイアリー」などのように世間一般で評価が高くなくても自分には悪くないと思えるものがある。ともかく見てみようと映画館に向かった。


FBIの捜査官としてマフィア浄化に取り組んでいたジョン・コノリー(ジョエル・エドガートン)は、南ボストンのイタリアンマフィアが自分と同じアイリッシュ系ギャング組織を率いるジミー・バルジャー(ジョニーデップ)のことを狙っているという噂を聞き、ジミーに忠告する。そして、イタリアンマフィアをつぶすためにジミーの情報を得ようと密かに協力者にしようとする。FBIの上司(ケビン・ベーコン)はコノリーのたくらみに反対するが、押し切られる。FBIの協力者になったことで、ジミーの組織はあやういことをしても捕まらない。しかも、ジミーの弟は州の上院議員ビリー(ベネディクト・カンバーバッチ)である。

やがて、イタリアンマフィアのボスが捕まると、ジミーはし放題となってしまうのであるが。。。


1.ジョニーデップ
いつもと面構えがちがう。個人的には彼の出演作品で一番好きなのはマイケルマン監督作品「パブリック・エネミーズ」である。稀代の銀行強盗ジョン・デリンジャーを演じた彼の人相はまさに殺人鬼の凄顔だったし、作品のテンポも抜群によかった。正直テンポの良さでは本作品は「パブリックエネミーズ」に劣るが、ジョニーデップのギャングとしての脅しはこの映画の方が効いている。特にFBIの協力捜査官に脅しを入れる場面には背筋がさむくなるような凄味を感じる。

自分の組織の情報を漏らそうとする人間の制裁場面も恐怖を感じさせる。誰も救えない世界で、なすすべもなく密告者は追いつめられる。

2.東映映画「県警対組織暴力」
ハリウッド映画でも実話ものも多いが、どちらかというと「ブラック・スキャンダル」は70年代の東映実録路線の映画に通じるものがある。「仁義なき戦い」との共通点もあるが、1975年の東映映画で深作欣二監督菅原文太主演の傑作「県警対組織暴力」と類似点が多い。「仁義なき戦い」の大ヒットで東映は山口組に関する映画の公開が難しくなっていた。そんな時「仁義なき戦い」名脚本家笠原和夫に警察を主演とする作品をつくらせたのだ。


主演の菅原文太演じる刑事は、ヤクザとの癒着や暴力捜査もやるすご腕刑事だ。松方弘樹演じるヤクザの若衆頭と旧知の中で、互いに情報を共有していた。そこに梅宮辰夫演じるエリート警部が強力な捜査に乗り出して組織潰しに入るという筋書きだ。「ブラック・スキャンダル」をネタバレすると、FBIとアイリッシュ系ギャングの癒着に対して、連邦検察官がメスを入れるという構図に持ち込む。全体的構図は似ている。
演歌の節回しがどれもこれもにかよるのと同じで、ヤクザギャング映画も似たような感じになるんだよね。

エニグマで好演したベネディクト・カンバーバッチはここでは普通かな。適役だと思う。うまかったのがジョエル・エドガートン。「華麗なるギャツビー」ではギャツビーの恋のライバルトム・ブキャナンを演じ、最近日本でも公開になった傑作トムハーディ主演「ウォーリア」ではボクサーを演じる。徐々に腐敗に手を染めていくワルをうまく演じて、ジョニーデップの怪演を引き出したと言える。

(参考作品)
県警対組織暴力
日本版「ブラックスキャンダル」警官の腐敗を描く(参考記事


パブリック・エネミーズ
稀代の銀行強盗を演じるジョニーデップ(参考記事)

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