映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「モガディッシュ 脱出までの14日間」 キムユンソク

2022-07-04 18:26:36 | 映画(韓国映画)
映画「モガディッシュ 脱出までの14日間」を映画館で観てきました。


映画「モガディッシュ 脱出までの14日間」は韓国クライムサスペンスの名優キムユンソク主演の映画で、韓国では2021年で最もヒットしたようだ。リュ・スンワン監督ハジョンウ主演で南北のスパイ合戦に焦点をあてたベルリンファイルなどで作品を観ている。予告編では、南北の大使館員が睨みあっている時にソマリア紛争が起きるという映像で、アクションが凄そうというイメージを持つ。観てみると、予想を超える激しいアクションが続く。

1990年当時、韓国と北朝鮮はまだ国連に加盟していなかった。加盟のための賛成票を得るためには、アフリカ諸国の影響は大きかった。両国はソマリアに大使館を置いて、大統領府に向けてロビー活動を行なっていた。一方で、それぞれの情報を察知して妨害活動も行われていた。

そんな時、韓国のハン大使(キムユンソク)が自らの大統領へのアポイントをつぶしたことで、北朝鮮のリム大使(ホジュノ)にクレームをつけている最中に、ソマリアの反乱軍が決起して街は騒然とする。大統領の独裁政治に反発したクーデターで、各国の大使館にも被害がでる。


通信機能が遮断して本国にも連絡が取れない。そんな中、北朝鮮大使館にも暴徒が乱入して、館内はぐちゃぐちゃになり食糧も盗まれた。館員とその家族は脱出せざるを得ないが、頼みの中国大使館との連絡はつかず、やむなく韓国大使館に助けを求めに行く。北朝鮮の大使館員に恨みのあるハン大使は当然拒絶するが、結局大使館内に入れるのである。


予想通りおもしろかった。
激しいクライムサスペンスをつくるのがうまい韓国ならではの迫力あるシーンが最後まで続く。最終的には助かるんだろうと予測しても、絶体絶命のこの状態をどう乗り切るのか?ストーリーの先行きが気になってしまう。予告編では、南北対立の映像が出ていたので別の展開を予測していた。意外にも、この時代背景にしてはめずらしい南北が融和する流れになっている。

それにしても、日本の低予算映画ばかり観ていると、韓国映画って金かかっているんだろうなあと感じる。明らかに海外ロケでないとできない映画である。しかも、つぶした車は数えきれない。外国資本が入っているんだろうか?

⒈昨日の敵は今日の友
結局1991年に両国が同時に国連加盟することになるわけだが、この時期はお互い国連で自分たちを支持してもらおうと躍起になるわけだ。韓国から大統領の土産を持ってソマリアに入国した参事官が来たとき、地元の暴漢たちにお土産の入ったバッグを奪われる。結局大統領に会えないわけだが、現地に北朝鮮の大使が来ているではないか。やられたと韓国側が怒る


こんな関係だから、助けを求めて韓国大使館に北朝鮮の大使館員や家族が来ても受け入れるはずがない。でも、ここで貸しをつくればという側近の申し出に、ハン大使はやむなく中に入れるわけだ。でも、すんなり仲良くできるわけでない。ここからも激しい葛藤がある。ソマリアの抗争に巻き込まれた中で、どうやって国を出るか、とんでもない脱出劇があるのだ。

⒉ド派手なアクション
序盤戦から銃声が炸裂する場面だらけである。いかにもイスラム風という建物が立ち並ぶ中、ソマリアの反乱軍が大暴れで市民生活はぐちゃぐちゃにされる。そんなシーンが続いたあとで、大使館員と家族が脱出する場面に向かう。イスラムの礼拝時間に脱出しようと車を走らせたが、政府軍、反乱軍が入り乱れている中で攻撃を受けて、すごいカーチェイスを展開するのだ。


おいおい、これってどこで撮ったのか?まさかソマリアじゃないよね?と思っていたら、どうやらモロッコのようだ。昨年末公開されたモスルもど迫力だったけど、これもモロッコのようた。それにしても、よくこれだけのハチャメチャのアクションシーンが撮れるのかと感心してしまう。モロッコはイスラムが絡んだ映画ロケを一手に引き受けている感じだ。


チェイサー」「哀しい獣といった強烈なクライムサスペンスで存在感を示したキムユンソクも、歳を重ねておとなしくなった。若干コミカルな存在になってしまった。多彩なことができるいい男だ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 映画「リコリス・ピザ」ポー... | トップ | 映画「花影」 池内淳子 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

映画(韓国映画)」カテゴリの最新記事