映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「Summer of 85」フランソワ・オゾン

2021-08-28 20:44:42 | 映画(フランス映画 )
映画「Summer of 85」を映画館で観てきました。

今回もフランス映画を選択してしまう。フランソワオゾン監督の作品はいつも見逃せない。でも、前作は以前ほどいいと思えず感想を書いていない。正直男色映画は苦手な部類だが、そもそもゲイを公言している中でペドロアルモドバルとフランソワオゾンの作品は別格である。映像美ということで楽しめる。「サマーオブ85」は予告編での色彩感に魅かれて映画館に向かう。


1985年の夏休みに北フランスの海岸にある街で出会った美少年たちの物語である。美少年好きの女性には男色映画とはいえ、たまらないだろう。いつも単純にストーリーを進めず、変幻自在の変化球で観客を揺さぶるフランソワオゾンの技に期待したけど、今回は普通かな?

1985年夏、ノルマンディー。16歳の少年アレックス(フェリックス・ルフェーヴル)は、海でセーリング中に突然の嵐に出くわす。ヨットが転覆してしまってあたふたしているところを、18歳のダヴィド(バンジャマン・ヴォワザン)の船に救出される。それがきっかけでアレックスは、ダヴィドの家が経営しているマリンショップに出入りするようになる。ウマがあった2人は常に一緒にいて遊ぶようになり、ある時に一線を超えてしまう。


ダヴィドからの提案により、2人は「どちらかが先に死んだら、残された方はその墓の上で踊る」という誓いを立てていた。ところが、ダヴィドは英国から来ている女の子とデートしているのをアレックスが見て強い嫉妬をして大げんか、飛び出したアレックスを追いバイクを走らせて交通事故に遭遇して、帰らぬ人となってしまうのであるが。。。

⒈フランソワオゾン
長丁場の長編映画というのはないのではないか。いつも100分程度に映画をまとめてくる。ゲイを公言しているフランソワオゾンでも「スイミングプール」や、「17歳」など女性が主役の作品も少なくない。軽いミステリー的要素が映画に含まれていることが多く、そのスパイスが効いてよかった。以前はシャーロットランブリングが常連だったけど、さすがに歳とっちゃったかな?自分としては、題材の選び方など韓国のキム・ギドクに通じるものを感じる。

今回は謎の要素は少ない。よく同性愛の方が嫉妬が激しいというが、ストーリーとしては嫉妬による恋の崩壊しか焦点があたっていないのかもしれない。ペドロアルモドバルの男色映画だと露骨な性描写があるけど、ここでは男性同士のキス程度だ。このくらいにしてもらわないと困る。


⒉夕日が美しい北フランス
海辺の美しい街である。海岸の裏が断崖のようになっていて、ドーバー海峡を隔てた英国のシーフォードの海岸線に類似していると感じた。夕日が沈もうとしている海岸線をバイクで走らせるシーンは美しい。


2人乗りでバイクを疾走させたり、ジェットコースターに乗ったり、ディスコで踊ったりする青春を感じさせるシーンはフランソワオゾン監督の作品では珍しい気がする。80年代の匂いは音楽も含めて強い。

ダヴィドの家は海に近いところで、昨年夫を亡くしたばかりの母親がマリンショップを経営している。そこでは、釣り道具なども販売している感じの良いお店である。社交的な母親は店を手伝ってくれるアレックスも気に入って何もかもうまくいっている時に、飽きっぽいアレックスがダヴィドが面倒な存在になってくるのだ。男色だけでなく両刀使いのプレイボーイだ。


こういう海辺の町で育てばこんな感じになるんだろうなあという青年たちのひと夏の恋を、夏の終わりに公開するのも季節にはあっているけど、まあ見慣れないエリアを楽しむ以上の感慨は少なく普通かな。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« フランス映画「スザンヌ16歳... | トップ | 映画「サマー・オブ・ソウル」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

映画(フランス映画 )」カテゴリの最新記事