映画とライフデザイン

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映画「沈黙のパレード」福山雅治&柴咲コウ

2022-09-18 21:58:22 | 映画(日本 2022年以降 主演男性)
映画「沈黙のパレード」を映画館で観てきました。


映画「沈黙のパレード」はおなじみ東野圭吾原作、福山雅治主演のガリレオシリーズの新作である。気がつくと、シリーズの前作真夏の方程式から9年経っている。福山雅治主演の映画って相性がいいのか好きな映画が多い。ノンフィクション系中心の読書性向なので、東野圭吾の原作は未読、先入観なく映画館に向かう。

ガリレオシリーズの前2作同様十分娯楽性があって楽しめる作品だった。
大衆を意識しすぎの要素や人間ドラマの部分などはもっと少なくてもと部分的には思うが、単純じゃないストーリーをうまくまとめた印象をもつ。

東京郊外の菊野市で飲食店「なみきや」を営む並木家の長女佐織(川床明日香)は3年前から行方不明になっていたが、遠く離れた静岡県牧之原市の火災現場で遺体が発見された。佐織は音楽の才能を認められて、音楽プロデューサー新倉(椎名桔平)の元でレッスンに励んでいた。火災現場は以前少女殺人事件の重要被疑者だった蓮沼(村上淳)の実家で、蓮沼の母親の死体も発見される。

警視庁捜査一課の草薙刑事(北村一輝)は以前蓮沼が犯人と目された事件に関わっていたので、自分が取り逃がしたせいかとショックを受ける。一方で同じ捜査一課の内海刑事(柴咲コウ)は大学教授に昇進した物理学者湯川(福山雅治)に相談するが、自分には関係ないと取り合わない。結局、殺人事件の被疑者だった蓮沼は釈放される。蓮沼は菊野市に仲間とともに住んでいた。蓮沼は自分に疑いをかけられていることを知りながら、「なみきや」に入っていき、釈放されたことをよく思っていない並木家の住人や店の常連に嫌がられる。


菊野市のイベントで仮装パレードが行われているその日、蓮沼が自宅で遺体で発見される。遺体に損傷はないが、窒息死だった。これまでの経緯で並木家の両親や周囲に恨みの犯行の嫌疑がかけられたが、いずれもアリバイがあった。今は菊野市の研究所にいる湯川は「なみきや」の常連でもあったので、捜査に協力することになるのである。


ここまでのあらすじもざっと言うのはむずかしいので、いつもより長い。
ここからが湯川の推理がスタートする本線である。得意の物理系知識を生かした推理を展開させていく。実に楽しい。
殺人事件の捜査なのに、街頭の防犯カメラの映像などのハイテク機能を捜査に活用していないと感じさせる映画がある。阪本順治「冬薔薇」はこれじゃ昭和の時代の捜査だね。ひどかった。別に湯川教授がどうのというわけでなく、警察が丹念に防犯カメラをしらべたりする現代の捜査になっていること自体が好感が持てる。

また、気づきづらいいくつもの軽い伏線を映画の中で散りばめている。映画の進行とともにきっちり回収して示しているのもミステリー映画の基本なので理に沿っている印象を受ける。

ミステリー作品には、ストーリーの先行きを一緒に推理し考える楽しさがある。探偵の鮮やかな推理よりも重要だと思う。その意味では、「意外性のある犯人」に加えて「ひねりのあるミステリー」という面白みを感じる。現代の作家の中で最も多い国内22本、海外6本の合計28本の映画作品を生んでいる東野圭吾作品はやっぱりいいねえ。福山雅治のムードはいつもながら好きだなあ。


映画の性質上ネタバレを避けるが、途中までアガサクリスティの「オリエント急行殺人事件」と同じ展開になるんじゃないかと感じていた。個人的には名脚本家橋本忍のオリジナルで小林桂樹と仲代達也主演の名作ミステリー映画白と黒の事件に類似性を感じた。まったく違う話だけど、根幹となる部分は一緒かな。でもこちらの方がひねっている。

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