映画とライフデザイン

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ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない

2010-09-29 21:08:14 | 映画(日本 2000年以降主演男性)
「ブラック会社に勤めているが、もう俺は限界かもしれない。」は深夜残業の連続の人使いの荒い大手の下請けIT会社に勤めた主人公の苦労話が中心である。傑作だとか、感動したという映画ではないが、すんなりと映画にとけこめ、飽きずに最後まで観れた。考えさせられるところもある。いやな奴を演じた品川祐がうまい。



高校中退、26歳ニートの小池徹平が森本レオが経営するIT会社に入社した。母の死をきっかけに情報処理の資格を取得し、必死に就職活動をする。中卒のハンデは大きく、不採用を繰り返した後、ようやく採用にこぎつけたのであった。
しかし、入社初日からサービス残業は当たり前、後輩いじめに終始するリーダーこと品川祐にぐうたらな同僚、精神状態不安定の先輩、無関心な社長…。何度もくじけそうになりながらも、ついに限界が訪れるが。。。。。



ブラック会社と言っているが、この程度であれば現実にも多々あるかもしれない。中国やインドの人たちは普通にこなすであろう。今や日本社会がこの程度をブラックと言ってしまうところに今後の新興国の成長に対する日本の凋落が見えてきて複雑な気持ちを感じる。
そもそも今までの日本経済を支えてきたのは、大企業の下請けの中小企業である。大企業であれば、労働基準局の査察を恐れて、多少は気を遣うようになってきたが、中小ではそんなのは無理であろう。下請けの下請けであれば納期に間に合わせないと仕事が一気になくなる。

日本経済の凋落の主原因の一つに、労働時間が諸外国の圧力によって以前より大幅に短くなったことがあるとする一橋大の林教授のような学説もある。しかし、時間管理がしやすいブルーカラーの労働時間が減り、管理しづらい知的蟹工船とも言われるIT産業の従業員の労働時間は増えているともいわれる。そう考えると、資本主義の創成期から高度成長時代にかけての様相とは大きく違っている。複雑だ。

自分も以前は休みも少なく、夜も遅かった。今は相当楽になった。
それ自体は非常にいいことだと思う。企業の成長もいいが、体がもたない。
社員のタレこみを恐れる人事の姿勢がびくびくもので助けられている。

厚生労働省の長妻大臣が替えられた。次の大臣は官僚たちを土日休ませると言っているようだ。長妻大臣は土日も部下をこき使っていたようだ。下馬評の高かった彼も管理者失格のレッテルをはられた。いつも思うことだが、労基署は霞が関の役人をどう管理しているのかと?一般会社の残業には異様に目を光らせているくせに身内はどうしているのかな?と思っていた。
どうも自分のところには違っていたようだ。
これで言うこととやることとのギャップが少なくなって役人さんもほっとしているだろう。

映画自体はそんな日常のことを考え直すいいきっかけにもなった。

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