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映画「ボーダーライン」 エミリーブラント&ベニチオ・デル・トロ

2016-04-17 14:08:34 | 映画(洋画:2013年以降主演女性)
映画「ボーダーライン」を映画館で見てきました。


「灼熱の魂」のもつ緊迫感に圧倒され、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品を追いかけている。今回はエミリーブラント主演でアメリカとメキシコの国境地帯で繰り広げられる麻薬戦争の現実を、リアルに描いた作品だ。

アメリカとメキシコの国境における麻薬取引を描いた名作「トラフィック」は正直見ていてわけがわからなかった。この麻薬取引というのを理解するのは簡単にはできないような気がする。大統領候補ドナルド・トランプは不法移民のアメリカ流入を徹底的に阻止すべしというが、ここの国境にではアメリカに不法移民として入ろうとする人たちだけでなく、麻薬を持ちこもうとする連中の両方がいる。しかも、アメリカ側からメキシコ方面を眺めると、至る所で銃撃戦が繰り広げられている。すさまじい仁義なき戦いだ。

FBI捜査官のケイト・メイサー(エミリー・ブラント)は、メキシコの麻薬カルテルの壊滅を目指す特殊チームにスカウトされ、リーダーのマット・グレイヴァー(ジョシュ・ブローリン)と、謎めいた男アレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)とともにメキシコのフアレスへ向かう。

極秘任務とはいえ具体的な作戦を知らされないことや、渋滞した国境手前で銃撃戦を繰り広げて敵を皆殺しにするといった、チームの常軌を逸したやり方にメイサーは反発する。さらには自分がスカウトされた本当の理由を知り無力感に襲われるが、やがて作戦に秘められた衝撃の真実にたどり着く。(作品情報より)

この映画も余計な説明は省いているので、最後まで見終わった後でもよくわからないことだらけだ。それでも効果的な音響効果や音楽で映像イメージが強化されて緊迫感が高まるのでスリル満点である。エミリーブラントが映画ポスターの前面に出ているけれど、実際に強烈な存在感を持つのは「トラフィック」にも出ていたベニチオ・デル・トロだ。メキシコ系スペイン語も話せる彼の不死身度が凄い。ジョシュ・ブローリンも影が薄くどちらかというとベニチオ・デル・トロのワンマンショーに近いかもしれない。


1.ドゥニ・ヴィルヌーヴ
彼が監督した「灼熱の魂」では1人のレバノン人女性の生きざまをイスラム対キリスト教の宗教戦争を並列で描きながらド迫力で描いた。今回はメキシコの麻薬カルテルを壊滅を目指すFBIやCIAなどの面々が集まったアメリカの特殊組織が法令を飛び越えて対抗する姿を描く。
国境を超える大渋滞の中で敵を見つけ、激しい銃撃戦を起こす場面では心臓の鼓動のようなドキドキものの音楽を流しながら緊迫感を高める。そこで映像に目が釘づけになる。こんなのは法令に沿っていないとするエミリー・ブラントの存在感がだんだん弱くなり、ベニチオ・デル・トロに主役が移る。クライムサスペンス映画「プリズナーズ」でもドキドキさせてくれたが、ここでも監督はうまい。


2.ベニチオ・デル・トロ
比較的シリアスな映画にも出てくるが、この風貌はクライムアクションにあう。ましてやメキシコ国境の麻薬が絡んだ映画となれば、彼が一番の適役だろう。韓国映画「哀しき獣」キムユンソクが演じたどんなことがあっても不死身の男を連想した。まさにボーダーを越え、麻薬シンジケートの親玉に接近していくシーンではドキドキしっぱなしである。「ゼロダークサーティ」でビンラディンを追い詰めるシーンを思い出す。ここで追いつめた彼がとったパフォーマンスはちょっと意外の持ち込み方だった。


凶悪犯罪を解決するのには普通な方法じゃ無理なんだということと、そういう捜査における女の非力を印象付けるような映画だと思う。

(参考作品)
灼熱の魂
ドゥニ・ヴィルヌーヴの生んだ傑作


トラフィック
メキシコ国境における麻薬捜査を描く

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