映画とライフデザイン

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映画「君は放課後インソムニア」 森七菜&奥平大兼

2023-06-25 05:14:55 | 映画(日本 2019年以降主演女性)
映画「君は放課後インソムニア」を映画館で観てきました。


映画「放課後のインソムニア」オジロマコトの漫画原作を池田千尋監督がメガホンをとり、若手の人気女優森七菜が主演の青春モノである。共演は「マザー」長澤まさみ演じる出来のわるい母親に振り回される息子を好演した奥平大兼だ。でんでん、田畑智子、MEGUMI、萩原聖人といったベテランが脇を固める。

たまに青春モノが見たくなる時がある。とは言うものの、予告編でこれは違うなと思うことが多い。今回、日経新聞の映画評古賀重樹編集委員が星5個(満点)をつけていた。いい批評しても評価は3点が多い古賀重樹には珍しいことなので、ついつい目が止まる。しかも、「ラストレター」で観た森七菜の瑞々しさとクルド人移民の悲哀を描いた「マイスモールランド」でも好演した奥平大兼が気になり映画館に向かう。

石川県の高校生中見丸太(奥平大兼)は夜眠れない不眠症に悩まされていた。ある時用事があって学校の天文台に入った丸太は、そこで寝ているクラスメイトの女子高生曲伊咲(森七菜)に気づく。伊咲も同じように眠れない悩みをもって時々来ていることがわかり、2人でこっそり訪れるようになる。ところが、養護教員に2人が天文台にいることがバレてしまう。事情を聞いた教員は2人に思いきって学校公認の天文部を作ったらどうかと勧める。そして、以前部員だった先輩にも頼り天文台を活用した活動を始める。


さわやかな青春物語で好感が持てる。
石川県七尾市が舞台で、おそらくは地元も全面的に協力したのであろう。まさに天文台がある七尾高校を使ってロケをしたみたいだ。人口5万の海辺に面した地方の町の息づかいが手にとるようにわかる。7つの橋を誰にも見られずに渡るといいことあるなんてエピソードもいい感じだ。能登町の真脇遺跡にいる2人を捉えるカメラワークが良かった。しかも、このところの日本映画に多い下層社会の暗い面を妙に盛りだくさんにしすぎる雰囲気がないのも良い。


森七菜と奥平大兼の主演2人がさわやかだ。もともと恋心がお互いにあったわけではない。天文部の活動で、天文台という密室で共通の時間を過ごすことで恋が深まっていく。若い2人の空気感がじわりじわり伝わってきて応援してあげたくなる。これまでの作品を観て好感をもった2人が頑張った。若い2人の同級生たちや先輩やお姉さんの使い方もうまい。読んではいないが、オジロマコトの漫画の原作もいいムードを持っているのであろう。

伊咲に心臓疾患の持病があることや、丸太の母親が飛び出して行ったなんて話題もある。それぞれの悩みを乗り越えながらこの純愛をキープしようとしている。「努力も運も写真に写らない」と伊咲がカメラ好きの丸太にいうセリフが妙に腑に落ちた


自分も目線を高校時代に落とした時、森七菜みたいな女の子とこんな共通の時間が過ごせたらどんなに楽しかったんだろうかとうらやましい気分になる。主題歌「夜明けの君へ」もいい曲で席を立つ人がいなかった。そう、ラストのエンディングロール終わったあとにオマケがあるので注意。少し涙腺を刺激するシーンはあったけど、スッキリと映画館をあとにできた。

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