「キャタピラー」は寺島しのぶ主演。さまざまな賞を主演女優賞として受賞した。傷痍軍人となって帰ってきた夫との関わりを描く。賞を総なめの作品だが、根は暗い。彼女も頑張ったけど、傷痍軍人となった大西信満の凄味ある演技に驚いた。
時は太平洋戦争のさなか、主人公こと寺島しのぶの夫こと大西信満も盛大に見送られ、勇ましく戦場へと出征していった。しかし、寺島のもとに帰ってきた夫は、顔面が焼けただれ、四肢を失った無残な姿であった。寺島はおびえた。同時に落胆した。しかし、面倒を見るのは自分しかいなかった。
その姿は多くの勲章を胸に“生ける軍神”と祀り上げていた。四肢を失っているのに夫は寺島を強く求めた。寺島はそれにこたえる。衰えることのない夫の旺盛な食欲と性欲に寺島は戸惑いながらも軍神の妻として尽くした。しかし、寺島は次第に空虚なものを感じ始めた。同時に夫も戦争での自分の行為のトラウマに悩まされていくようになるが。。。。
映画は暗い。街中の右翼街宣車でよく高らかに歌われる軍歌がこの映画で流れる。繰り返し流れる。そのムードを基調にして田舎の戦時中の光景が描かれる。何もないような田舎で2人だけで奇妙な生活をする。そこで2人の主演が競う様に演技を誇示していく。究極の演技だ。ただ、見ようによっては30年くらい前のにっかつポルノを見ているような錯覚を覚える。正直そんなに変わらない気もする。もともとはそのジャンルにいた若松孝二監督の作品だけにそうなるのは仕方ない。
学生時代に谷崎の文芸作品とエロ小説がどこが違うのかという議論をよく友人たちがしていた。実際には文章の高尚さを除いては大して変わらない。国際的に評価を受けたこの作品も、その昔のにっかつポルノも大して変わらない。そんな印象を受けた。
個人的には手足を失い顔もただれた最悪の状態を演じた大西の方を強く評価したい。
時は太平洋戦争のさなか、主人公こと寺島しのぶの夫こと大西信満も盛大に見送られ、勇ましく戦場へと出征していった。しかし、寺島のもとに帰ってきた夫は、顔面が焼けただれ、四肢を失った無残な姿であった。寺島はおびえた。同時に落胆した。しかし、面倒を見るのは自分しかいなかった。
その姿は多くの勲章を胸に“生ける軍神”と祀り上げていた。四肢を失っているのに夫は寺島を強く求めた。寺島はそれにこたえる。衰えることのない夫の旺盛な食欲と性欲に寺島は戸惑いながらも軍神の妻として尽くした。しかし、寺島は次第に空虚なものを感じ始めた。同時に夫も戦争での自分の行為のトラウマに悩まされていくようになるが。。。。
映画は暗い。街中の右翼街宣車でよく高らかに歌われる軍歌がこの映画で流れる。繰り返し流れる。そのムードを基調にして田舎の戦時中の光景が描かれる。何もないような田舎で2人だけで奇妙な生活をする。そこで2人の主演が競う様に演技を誇示していく。究極の演技だ。ただ、見ようによっては30年くらい前のにっかつポルノを見ているような錯覚を覚える。正直そんなに変わらない気もする。もともとはそのジャンルにいた若松孝二監督の作品だけにそうなるのは仕方ない。
学生時代に谷崎の文芸作品とエロ小説がどこが違うのかという議論をよく友人たちがしていた。実際には文章の高尚さを除いては大して変わらない。国際的に評価を受けたこの作品も、その昔のにっかつポルノも大して変わらない。そんな印象を受けた。
個人的には手足を失い顔もただれた最悪の状態を演じた大西の方を強く評価したい。