映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

死に花  

2011-06-21 21:38:08 | 映画(日本 2000年以降主演女性)
2004年の犬童一心監督の作品だ。先日「メゾンドヒミコ」を見終わった時、何気なく見つけた。
出演者がタダモノではない。谷啓、青島幸男、山崎努、藤岡琢也、宇津井健そして森繁久弥と現在では鬼籍に入った人も多い。そんな最後の力を振り絞った映画には何かがあるはずと見た作品。映画の内容はあまりにばかげているが、超一流と言われた彼らから何かが読みとれそうだ。


東京郊外にある老人ホーム“らくらく長寿園”を映し出す。高級老人ホームで悠々自適の日々を送っていた。ある日、仲間の1人こと藤岡琢也があっけなく他界してしまう。みんな意気消沈、恋人の加藤治子は後を追った。元映画プロデューサーの山崎努は遺品の中に、銀行の地下に穴を掘り、金を強奪すると言う奇想天外な計画を記した“死に花”と題されたノートを発見。

仲間の谷啓、青島幸男、宇津井健、そして恋人の松原智恵子と共にその計画を実行に移すことにした。狙うは、宇津井のかつての勤め先である“サクランボ銀行”。期間は、ターゲットの支店が閉鎖されるまでの一ヶ月間。穴掘りの拠点となる隅田川沿いに住むホームレスの長門勇やホームの新人職員をも仲間に引き入れ、着々と穴を掘り進めて行く山崎努たち4人。予定通り金庫の真下まで掘り進めることが出来た。ところが台風に見舞われせっかく掘った穴が水没してしまう。。。。

ばかげた話である。よくもまあこんな話に名優たちが飛びついたのだとも思う。
この中でも現役バリバリである山崎努が中心となる。
ペースメーカーがいないときついだろう。


なんせこの映画の中でもあの世に行く藤岡琢也は、本当にこの数年後逝ってしまった。彼は私生活でジャズ好きといわれた。40年代から50年代にはよく彼のオーディオルームが雑誌とかに出ていた気がする。藤岡の葬式の場面で、自らビデオ映像で挨拶をする場面がある。そこで彼がスウィングしながら歌うのはなかなか粋だ。こういったやり方があるのかと思った。


谷啓も亡くなった。ハナ肇、植木等というスターの影ではあったが、クレイジーで3番目に存在感を示していた。トロンボーンプレイヤーとしても優秀だった。
そのクレイジーを初期に支えたのが青島幸男である。放送作家としての青島は極めて優秀である。「シャボン玉ホリデイ」のノリは最高だ。クレイジーの初期の歌に見せるノリのいい歌詞は日本サラリーマン界史上に残る凄さである。こんなに凄かったのに議員や知事としての彼は妙にいやな奴だった。体制にただ意味もなく反逆しようとしていただけだ。それだけが残念だ。そのあとにつくったこの作品で本当の彼らしさが見える。「いじわるばあさん」や「泣いてたまるか」の彼を思い出す。本当はこういうのが合っているのに何で変に突っ張っていたんだろうか?彼も鬼籍に入った。
宇津井健は「渡る世間は。。。」で藤岡琢也の後を継いだ。この映画一緒にやりながら遺言でもあったんであろうか?山岡久乃は劇中でも死んでしまったが、彼は死なせられなかったろう。ザガードマンのキャップで見せた精悍さはすでにない。山口百恵ドラマの父性もない。振る舞いが老年の境地に入っている。

不思議だなあと思うのは、劇中で亡くなると引きづられるように本当に亡くなってしまうことがよくあることだ。「おくりびと」でも峰岸徹がそのあと逝ってしまった。古くは「情婦」のタイロンパワーなど。怖くて死ぬ役はできないなあ。

松原智恵子を見ると、子供のころを思い出す。「あいつと私」「時間ですよ」のお嫁さん時代の清楚なイメージは子供ながら憧れたものだ。みんな年取ったなあ。自分もそうだけど
コメント (2)
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