映画とライフデザイン

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ウディアレンの夢と犯罪  カサンドラズ・ドリーム

2010-09-20 16:37:33 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)
ウディアレン監督の日本での最新作。「マッチポイント」、「タロットカード殺人事件」に続くロンドンロケミステリーの三作目である。「それでも恋するバルセロナ」よりは前に出来た作品だ。ユアン・マクレガーとコリンファレルの人気男優を主演にしてウディタッチのミステリーを楽しんでみた。可もなく不可もなくといった感じだ。



ロンドンに暮らす長男ユアン・マクレガーは、父親が営むレストランで働きながら、カリフォルニアのホテル事業に投資する夢を描いていた。自動車修理工の弟コリン・ファレルは、カードやドックレースにのめりこむギャンブル好きだ。
この兄弟が、格安の6000ポンドで売りに出されていた小型クルーザーをローンで共同購入する。コリンがドッグレースで大穴を当てた犬の名にちなんで"カサンドラズ・ドリーム号"と名付けた。
ところがコリンがギャンブル好きが行き過ぎ、危険なポーカー勝負に手を出し、ヤミ金相手に9万ポンドもの借金をこしらえてしまったのだ。途方に暮れるコリンと話を聞いたユアンだった。そんな時、カリフォルニアや中国で事業を行っている伯父のトム・ウィルキンソンが、家族と会うためにやってきた。一族きっての成功者である伯父ならば、多額の借金もホテル投資話もたやすく肩代わりしてくれると兄弟は喜んだ。しかし、伯父と話すと、自分の事業に不利な証言をしようとする男がいて、その男を処理してほしいという依頼を受けるが。。。。



「マッチポイント」が意外な結末で終わったので、どういう展開になるのかは最後の10分前まで予想がつかなかった。おしゃべりなウディだけに、主演の二人にもたくさんのセリフを与えて、会話のキャッチボールをさせる。それがウディ映画の持ち味である。クールなコリンがこんなに話すのはめずらしいのではないか?
ウディが出ていない時に、その影を出演者にのり移させるのはいつものパターンだ。

老年の域に達して、ウディは美術、撮影、音楽といった映画の舞台装置にずいぶんとこだわっている気がする。「それでも恋するバルセロナ」でもスペインらしさを全面に出した美術がよかった。海に浮かぶクルーザーの鮮やかな映像に加えて、陸の上でも古いジャガーを快調に走らせる映像がいい。ニューヨークでのウディ作品に比べると、残り少なくなった映画人生をヨーロッパで色鮮やかに楽しんでいる印象だ。
コメント
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