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小説 『神様のパズル』 レビュー

2008-11-06 | その他
『神様のパズル』 機本伸司

留年寸前の僕が担当教授から命じられたのは,不登校の女子学生・穂瑞沙羅華をゼミに参加させるようにとの無理難題だった.天才さゆえに大学側も持て余し気味という穂瑞.だが究極の疑問「宇宙を作ることはできるのか?」をぶつけてみたところ,なんと彼女は,ゼミに現れたのだ.僕は穂瑞と同じチームで,宇宙が作れることを立証しなければならないことになるのだが….


今年映画化された「神様のパズル」の原作.
映画はまだ観てません.

コンセプトは単純

「宇宙の作り方」

これだけ理解しておけば大丈夫といったところですね.
読み進めていくと量子論,シュレディンガー方程式,加速器,質量とエネルギー,なにやら高校物理や数学が苦手だった方々には耳も眼も体全体が痛くなってくるような単語がちりばめられていますが,そこは大丈夫.

よくわかっていなくても何となくわかったようなつもりで読み進めても解決するようにできている.かもしれません.

構成は主人公・綿貫基一が卒論のために付けた日記という形.

女の子目的で選んだゼミからはじまり,沙羅華との出会い,宇宙の作り方,そして最後には….といった構成です.

序盤から中盤,ラスト直前に向けてだんだんとテンションと緊張感,ワクワク感を高めていく構成は読んでいて楽しかったです.が,ラストのこれまでとは違ったほんわか感がガクッと勢いをゆるめた感じになってます.それが残念.
まぁ,ラストの沙羅華は正直萌えなんですがね.

そして

この気持ちが何ビットの情報量に相当するのかは知らないが,しばらくの間,僕はちょっといい気分にひたっていた.

このフレーズのおかげで「綿さんありがとう,そしてがんばった!」と若干理由のわからない感謝を述べたくなります.


というわけで内容としては満足のいく小説でした.

さてさて,機本伸司の第二弾『メシアの処方箋』もすでに読了済みですので,そのうちレビューします.


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