僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

宮本輝

2009-08-01 23:46:47 | Weblog




宮本輝氏はサンケイ広告社でコピーライターとして働いたが、20代半ば頃から重度の、当時の呼称で「不安神経症」、現在のパニック症候群に苦しんでおり、サラリーマン生活に強い不安を感じていました。そのような折、雨中に立ち寄った書店で読んだ某有名作家の短編小説があまりに面白くなかったため、これで金がもらえるならと退社して小説を書き始めます。 またその頃、知人を通じて作家・編集者である池上義一に出会い、作家としての指導を受けるのです。
宮本輝用箋を八万枚、会社の同僚からプレゼントされ、万年筆と広辞苑を買い、マージャン台を仕事机にして小説家として出発します。
「芥川賞を取ったら服買ってね」と奥さんに言われ、わっせわっせと書きまくります。
1977年に自身の幼少期を描いた『泥の河』で、第13回太宰治賞を受賞してデビュー。身体の方が結核をわずらっていましたが、芥川賞を取ってから入院すると我を通し、翌1978年には『螢川』(「文芸展望」第19号、1977年10月)で第78回芥川賞を受賞し、作家としての地位を確立してめでたく入院したそうです。

宮本輝氏のファンは年配の人が多く、その古めかしい文体から本人を五,六十代だと思っているそうです。