宝石ざくざく◇ほらあなJournal3

ロシア語をはじめ、外国語学習に関するあれこれを書いておりましたが、最近は…?

他人と関わる

2021年03月21日 | 
昨日読み終わった本からさかのぼっていくつか。

『戦場から女優へ』(サヘル・ローズ 文藝春秋)
前々から図書館で目に留めていたのだが、借りるには至っていなかった。
が、その前に借りた『にほんでいきる 外国からきた子どもたち』(毎日新聞取材班編 明石書店)の中にサヘルさんのお話も少しあったこともあり、読んでみようと思ったのだった。
サヘルさんについて認知したのは、個人的には、ちょっと前にNHKでやっていた爆笑問題の「探検バクモン」という番組での進行役かな。声も言葉遣いもとてもきれいで、爆問太田氏の脱線もうまくかわして番組を進める姿に好感をもっていたのだった。
サヘルさんの来日は93年。あの頃の日本でこんな生活をしていたなんて!
そして、最初に住んだ埼玉県志木市の小学校の校長先生、「給食のおばちゃん」、近所の人たちもすばらしい! 住民の民度によっては、通報即強制送還か、ホームレス襲撃のような痛ましい事件もありえた状況だったと思う。
当時はまだ意外と「他人」に対する警戒心が今ほどじゃなかったのかも、とも思ったり。
一方、中学時代のいじめについては、本当に悲しい。
この本、編集者の手が入っているにしても、大元はサヘルさん本人が書いたものだと思うのだけど、友達に思わず嘘をついてしまうくエピソードとか、自分の性格分析とか、単に「苦難を乗り越えて成功した人の話」ではない、人間らしさや個性があっておもしろい。
人格形成については、養母となった女性の教えが大きいのだと思う。
とにかくいろいろ感じることの多い好著であった。
テレビとかで生い立ちの大体のあらましは聞いたことがあったような気がしていたけど、本人が書いた本という形で読めて良かった。

『にほんでいきる 外国からきた子どもたち』では、支援の手が届かず、死んでしまったり、犯罪に手を染めてしまったりした例もあって、痛ましい。
自分に手助けできることがあればしたいなと思うのだが、現実的に自分の性格性向を考えると暗い気持ちになる・・・
先生や支援団体の人は困っている子どもや家族を全面的にサポートしている。頼られる。
私は、誰であっても全面的に寄りかかられるのが、どうにも駄目なのだ・・・世話好きの対極・・・
いろんな国籍の人がわいわいやっている雰囲気は好きなのだけど、「日本」のルールや考え習慣に従うように導く役割はやりたくない・・・自分自身が嫌だなと思いながらも同調圧力と摩擦回避のために従っていることも多いから・・・
現実に何ができるか、少しずつ模索しよう。

人との関わりについて考えたほかの本についてはまた項をあらためて。

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