宝石ざくざく◇ほらあなJournal3

ロシア語をはじめ、外国語学習に関するあれこれを書いておりましたが、最近は…?

同時代にいた

2024年03月19日 | テレビ・ラジオ・映画など

NHKEテレで放送の「先人たちの底力 知恵泉(ちえいず)」

録画していた「伊丹十三 人を魅了するには」(前編・後編)を、だいぶ遅れて観た。

伊丹氏の経歴に沿って、番組で挙げられていた4つの「知恵」を覚え書き。

1.徹底的に形(カタ)から入れ!

2.形(カタ)を壊して想定外を楽しめ!

3.大人になってからこそ勝負しろ!

4.身近なところに本質はある。

ゲストの伊集院光、山田真歩、松家仁之の3氏のお話もそれぞれ興味深かった。

伊集院光氏は伊丹映画に出演していたんだなー。60~70年代は知らないが、80年代以降は俳優、映画監督として知っていて同時代を生きていたのに、早逝してしまうと、遠い人に感じるなー

-----------------

愛媛県松山市にある「伊丹十三記念館」には行ったことがある。

当時書いていた旅行ノートによると、2012年の夏。12年前か…

「一六タルトのお店十六番館の近くにある。ここ(一六タルト)の社長さんが伊丹プロダクションの社長でもあるそうだ」

「もともと父伊丹万作の記念館として建てるべく計画していた場所だそう」

館内の「カフェ・タンポポ」でみかんジュースの飲みくらべを注文したとか、「十三まんじゅう」のパッケージが「記念館の建物を模している」とかで模写したりしている。 …と、これは私的思い出を覚え書き。

-----------------

中野翠さんの『ひょんな人びと 92・私の青空』(ということは32年前かぁ…)所収「キメツケ御三家登場・妻という名のもとに」に、「日本代表はいうまでもなく伊丹十三と宮本信子のコンビだ。妻という名のもとに似合いもしないヒロインを独占する。この暴挙をいつまで許していていいんだろうか!?」と書かれていて(今読むとすごいなー冷や汗が出るくらいストレート)、当時は私も宮本信子さんの魅力がよく分からなかったのだが、時を経て番組内で昔のお姿を見るとすごくキュート。でも私的には伊丹氏没後の現在のほうが断然魅力的とも思う。

伊丹氏が映画監督になろうなどと全然考えていなかった頃から、映画を撮ってと言い続けてきたという、宮本信子さんが実はいちばんすごいのではと感じる番組でもあった。


2つのドラマ

2024年02月29日 | テレビ・ラジオ・映画など

金曜日放送の連続テレビドラマについて木曜日に書くという間の悪さですが、

『不適切にもほどがある!』(TBS系)第5話で、河合優実さん演じる純子の結婚相手が錦戸亮さん(2024年現在の姿は古田新太さん)ということで、

「『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(NHKBSプレミアム)では親子だった二人が…」

と、私も思った。(ブログには書いていなかったが去年の放送を毎週観ていた)

思い返せば『家族だから…』(以下略して『かぞかぞ』)で錦戸亮さんが演じていたパパも、タイプは違うけど世代的には同じだったような。そして、『不適切にも…』(以下略して『ふてほど』)で仲里依紗さん演じる渚(純子の子供)は、たぶん『かぞかぞ』の主人公七実と同い年くらい? 神戸に住んでいたところとか、『かぞかぞ』も現在と過去が交錯する演出で、錦戸パパは主人公たちの心の中の存在として描かれており、『ふてほど』でも幻のような儚さが共通していて(老けると古田新太になってしまうわけだし)なんだかふっと、二つのドラマが重なる感があった。

というか、私が河合優実という女優さんを初めて観たのは『かぞかぞ』だったのだけど、『ふてほど』のヤンキー姿にはまったく面影がなく。ところがバブル時代のナチュラルメイクで、にわかに『かぞかぞ』の七実感が前面に出てきて、たたみかけるように錦戸亮。脚本の宮藤官九郎さんは『かぞかぞ』を観ていたんじゃないかと思った。

令和にはこういう感想はNGなのかもしれないけど、河合優実さんってスタイルいいよねー。メイクやスケバンスタイルはよく再現されているけど、昭和の女子高生の頭身バランスではない。私見では観月ありささんの登場が分岐点。ということは平成に入ってからの変化なのねー。

そして阿部サダヲさん演じる主人公小川市郎が昭和10年生まれとはっきり言っていて驚く。

昭和10年生まれにしてはノリが軽すぎる気もするが、都会にはそういう人もいたのか。今検索したら山城新伍氏は昭和13年生まれだった。

あっでも「ああ、中学校の体育の先生ってこういう表情してたなぁ」と(特定の誰ということではなくイメージとして)思った。阿部サダヲさんの演技力はすごい。(関係ないけど、私は今似顔絵描きの練習をしているのだが、他の人は雰囲気少し似てるかなと思えるのに、阿部サダヲさんはどうしても似ないのはなぜだろう…)

突然のミュージカル演出は植木等の映画からという記事を見て「そうかそれは盲点だった!」と思っていたが、後日読んだプロデューサー談の記事では映画『RRR』とかドラマ『ムー一族』とかで劇中に歌うと楽しいというイメージがあって提案したとのこと。そういえばインド映画だと歌って踊るほうが普通なのか。

なにしろ(?)純子と同い年の私、スケバンもボディコンも縁はなかったが、マッチの歌の歌詞をちりばめた台詞には「おおー」と感心したり。

楽しく観ながら、こんなにおもしろいものをつくれるっていいなーとうらやましかったりもする。

後日付記

7話によると、正確には「純子は私より1学年上」だった...1995年1月に26歳と言っていておかしいなーとは思っていたのよね。と、細かいことが気になる(^^;)


朝ドラそして観た映画

2023年08月03日 | テレビ・ラジオ・映画など

もう話が先に進んでいるが、NHK朝ドラBS再放送中の『あまちゃん』について、10年前は特別な感想はなかったのだが、若き日の春子さんが、新進女優の歌の影武者となり、歌はヒットするが、そのために自身のデビューへの夢が絶たれるという流れ、春子さんの気持ちに同調するとあまりに辛すぎる。しかも24年間誰にも言わずに…それだけに「ファン第1号」正宗さんとの結婚に至る説得力がすごい。名シーン、名脚本。

本放送中の『らんまん』もおもしろく観ているのだけど、ここのところ、これがアカハラというものかーという流れが辛い…優秀な人が日本では希望が持てず外国流出という現代の状況を反映しているのかもしれないけど。

イヤな役だけど田邊教授役の要潤氏は、役柄の幅が広がって評価が上がるのではなかろうか。

(私の中ではいまだに『動物のお医者さん』の二階堂(観てないのにぴったりと思う)、「うどん県の人」のイメージだったので、朝ドラだと『まんぷく』の画家もその延長上だったかなー)

-------------

と、観た映画について書く予定が、朝ドラの話が思いがけず長くなった。

昨日観たのはトム・クルーズ主演

『ミッション・インポッシブル デッドレコニング PART ONE』

酷暑を逃れるためという理由も大きかったためか、涼しい館内に落ち着いたらうっかりうたた寝したりもしてしまったのだが^^; 気づいたらものすごいカーチェイスが始まっており、一気に目が釘付け。

いやー、メジャーな洋画をあまり観ていない者の感想でお恥ずかしいですが、黄色いフィアットが石畳を走り回る場面では『ルパン三世 カリオストロの城』を思い出し、「アニメみたいな動きを実写でやっている!」ことに驚いたり。爆走する列車の上での格闘は『鬼滅の刃 無限列車編』を思い出したり。(そういう設定自体は他の映画でもあると思うけど…)アニメの刷り込みって怖い…

が、この映画のすごさは「アニメみたいな場面なのに、本当の人間が演じていて実際ある景色」なところ。

いやもちろん、私にはよく分からない撮影技術が画面上に施されているのだろうけれども。

コンピュータでつくった限りなく本物に近いようにみえるもの、よりも、実際に地球上にある本当のもの、のほうが圧倒的に感動する。好みによると思うけど私は。(だからSFやファンタジー系の映画は苦手なのかも…)

とにかく、今回割引なしの正規料金で観たのだけど、全然もったいなくなかった。いろんな意味で豪華絢爛、すごく贅沢な気持ちになった。

『ミッション・インポッシブル』のシリーズ、全然観ていなかったので、分かっていないこともあるけど、これ1本の初見でも大丈夫だった。冒頭トム・クルーズも言っていたが、これは断然映画館で観るべき映画だし、PART TWO を観るためにも、長さに躊躇せず観ておいてよかった。

----------------

さかのぼって28日に観たのは 

『コンパートメント No.6』

主人公がモスクワ留学中のフィンランド人ということで、学習ロシア語っぽい感じもあり、旅行で使われるロシア語とか、ちょっと私も聞き取れているかも?と嬉しかった。

そもそも、ロシアの夜行列車の個室は男女同室になることもあるのかー、乗務員やホテルの人の対応が、いかにもロシアあるあるという感じで(実際は知らないけど)おもしろかった。

観ながらなぜか「若さ」ということも思った。主人公と同調して旅気分だったが、もはや私は極寒には耐えられないような。気候だけでなく、過ぎてしまえば懐かしい、旅にまつわるトラブルのあれこれも、乗り越えられるのは「若さ」ゆえ…かも…などと。映画内の時代が携帯電話がまだない90年代という設定だったためもあるかも。

フィンランドとロシアが「近い」というのも、ほんとにごく最近知ったことだった。

いつかロシアには行ってみたいけど、もうこの映画のような感じで旅行ができることはないんだろうなと思う。旅行はできても気持ちが違うような…

(そういえば列車同室のロシア人リョーハの台詞に、ああ一般的なロシア人はやっぱり「偉大な国ロシア」という気持ちがあるんだろうなーと思った)


テクノと少女小説

2023年07月20日 | テレビ・ラジオ・映画など

ここ2週間ほどの間に観たテレビ番組。いずれもNHK。

7/6「MUSIC SPECIAL 坂本龍一」(ソロワークは自分の思い出と相当結びついているな…と。深夜にでもコンサート映像フルで流してほしい…)

7/8「民謡魂 エボリューションスペシャル」(「やのとあがつま」登場。コンサートでナマで観たい! …前回のツアーはコロナ禍で見送ったのだった...)

7/14「アナザーストーリーズ YMO」

(「細野は世界を狙うための音楽をこう表現した。」とナレーション。

備忘メモ。

「下半身モヤモヤ」→リズム

「みぞおちワクワク」→メロディー

「頭クラクラ」→コンセプト

個人的には、YMOのコスチュームと髪型の発想元という北京中央楽団、スネークマンショーの方々の若かりし頃(あまりよく知らなかったので)、1980年代前半の世相と若者の風俗が垣間見れたことがおもしろかった。)

そして、音楽番組ではないが、

7/12「北海道道 没後15年氷室冴子をリレーする」

氷室冴子さんもまた私の中学高校時代の思い出と分かちがたく結びついている。『なぎさボーイ』『多恵子ガール』のシリーズはまさに作中人物と同じ年の中学三年生の時に刊行されて、同級生なんだなぁと思っていた。

周囲は『なんて素敵にジャパネスク』のファンが多かったけど、私は70年代風な雰囲気残る『さようならアルルカン』とか『恋する女たち』とかも好きだった。『恋する女たち』は後に斉藤由貴さん主演で映画化もされた。『クララ白書』『アグネス白書』は、原田治さんが挿絵で、友達は少女漫画の絵でないことが不満と言っていたが、私はそこもハイセンスでいいと思っていた。

と、氷室冴子さんに関しては、一人でひっそりというよりも、貸し借りし合って、友達間で共通認識が持てる嬉しさもあった。

とはいえ、自分はやっぱり少しズレもあったかも。自分の中で一回り年上1957年生まれの著名人といえば、氷室冴子さんと『構造と力』浅田彰氏なのであった。

2008年氷室冴子さんの死を知ったのは新聞の訃報欄で、そのころにはもう氷室さんの本は読まなくなっていた。一緒に氷室さんの本を読んでいた友達ともそのころは会わなくなっていた。

今も氷室さんの本が読まれ続け「リレーされている」ことを知って、嬉しいというか、当然だ、もっと評価されるべきと思ったけれど、自分自身はバトンを受け取らずに脱落(?)してしまったのでは、という気持ちにもなった。

関連本も読んでみようかなと思った。


ネタバレはありやなしや

2023年06月09日 | テレビ・ラジオ・映画など

auマンデイの月曜日に映画を観た。

『怪物』

前情報を仕入れるべきか迷って、ネットでちょっとだけ感想コメントを読むと、情報を入れない方がいい派と、ある程度知っていた方がいい派に分かれていた。

ネタばれ以外のコメントで「3つの視点に分かれて語られる」というのは読んで、確かにその情報を仕入れたことで、途中で混乱しなかったから良かったような気がするけど、でもそれも一切なしで白紙の状態で観ていたらまた違った衝撃があったような。

また「クィア・パルム賞」受賞ということで、そういう要素がある話だと予測できるのも、良し悪しかな。

いずれにしても、俳優さんたちの演技が全員すごくて、舞台になっている諏訪市の風景は美しく、引き込まれた。途中から尿意が気にならなくなるくらい^^; 

坂本龍一さんの音楽は、既存の曲も、映画の画面と合っていて本当によかった。いろいろ書いていたわりに恥ずかしながら最後のアルバム「12」はちゃんと聴いていなかったのだけど、こうして劇伴音楽としてじっくり聴けてよかった。

-----------------

映画の評価とは別だけど、こういう話だと、ますます学校の先生になりたいと思う若者は減ってしまうよねとは思った。現代社会を憂える製作者はそういうことも考えてほしい。

それはそれとして、永山瑛太演ずる保利先生、主観的な演技では、歌人穂村弘さんをふと彷彿してしまったのはなぜ?エッセイとかの印象か? そういえば穂村さんと瑛太さんは対談で似ていると話していたようないなかったような…(あまりにも記憶があいまい…)

保利先生が小学生のときに書いた作文、世代を感じさせるのがうまいなぁ、と思ったけど、野茂選手はともかく、西田ひかるさんは当時の日本カルチャーを知らない人には「?」だろうなー、と思ったけど、今は検索すればなんでも分かるから便利な時代だ。

鏡文字とか、ひらながの名前の並びとか、字幕翻訳ではどう伝えているのかなという興味も。

時間がなくだらだらした感想になってしまった…


映画2つ

2023年05月12日 | テレビ・ラジオ・映画など

久々に「ほとり座」で映画を観た。

それも2本。

予想していた以上に感動してしまって、あらためて映画っていいなぁと思った。

1つは「ラストエンペラー」。

「ラストエンペラー」の日本公開は1988年1月23日とのこと。

私は高校卒業後の春休みに観たのだと思う。

そういうわけで、最初は、この子役の子は今どうしているのだろうとか、映っているのは1986-7年の空気なんだなーとか、懐かしの映画を観る目線だったのだけど、たちまちそんなことは関係なくなった。

映画の中の人々は、映画の中を生きている。

そして観ている自分には、2023年5月現在の体験として迫ってきた。

古いとか懐かしいとかじゃない、圧倒的に、今、ここ。

映画館に観に来てほんとうによかった。

いやーでも今もうこんな映画つくれないよね。今つくったら全編CG映像になりそうだけど、どんなに精緻なCGでもやっぱり全然違うと思う…

坂本龍一さんの甘粕大尉、当時はちょっと気恥ずかしく、浮いているように思ったのだけど、今見ると、いい。立花ハジメさんもしっかり目立ってる。日本人医師の役が生田朗さんというのにびっくり。

エンドロールであのテーマ曲が流れるのだけど、映像がすべて終わって画面が暗くなった後もテーマ曲だけは流れ続ける。暗闇の中で音楽だけというのが思いがけず、映画の余韻に浸って大感動してしまった。

ーーーーーーーー

もうひとつは「人生フルーツ」

公式サイト→

全然知らなかったのだけど、先日図書館で借りたイラストレーター杉浦さやかさんの『おたのしみ歳時記』にお勧め映画として書いてあって、観てみようかな、と。

丁寧な暮らしとおいしいもの、みたいなほっこりする映画なのかなと思っていたら、それ以上に深いものがあって、これまた予想外に感動してしまった。

「ラストエンペラー」の次に観たという特殊事情からの感想だけど、溥儀が収監された1950年に、津端さんご夫婦は出会ったんだなぁーなどと、不思議な感じがした。修一さんが戦争中、弟のように思っていた台湾人の男性は1950年に政治犯として処刑されたとか…日本は平和で良かった。

それはそれとして、「自分にできることをひとりでこつこつと進めていく。時間がかかってゆっくりでも」というの、自分もやっていこうと思った。


天才

2022年12月05日 | テレビ・ラジオ・映画など

NHK-Eテレで12月3日にやっていた「星野源のおんがくこうろん」

シーズン2(5)「レイ・ハラカミ」を観た。

コメントの矢野顕子さん

「(ハラカミさんに)いつも私が一番多く口にしたのは『あなたは天才なんだから』ということ」

「それも『矢野顕子が言うのよ?』って。それはそれだけ意味があるわけで」

「矢野顕子が言うのよ?」

星野源さんも言っていたが、サイコーですね!

大好きだー。

ーーーーーー

ハラカミさんが音楽ではなく映像作家をめざしていた90年頃からのVTRに、同世代としてかなにかは分からないけど、しみじみした。

特別な機材を使っていないということに驚いたけれど、自分の部屋(写真だけの想像だけどマンションとかではなく昔の下宿感ただよう)で、馴染んだ機材で、自分の中にあるものを掘り続けるーというのが、私の中にある「90年代らしい感じ」がした。なにかそういう空気だったような。


ドラマの影響

2022年11月19日 | テレビ・ラジオ・映画など

11月16日19時半からやっていたNHK「クローズアップ現代」をたまたま観て、なんだか歯がゆいなあと思った。

無実の逮捕なぜ~狙われた中小企業 300日の記録~ - NHK クローズアップ現代 全記録

番組中では、逮捕の定義がいかに当てはまらないかの技術的説明に長く時間が割かれていたのだけど、いやいや視聴者の関心はそこじゃないだろうと思った。タイトルにひかれて観続けたのに肩透かし。

「狙われた中小企業」と言うからには、「警察が」「大企業ではなく中小企業を選んで」「意図的に逮捕した」という意味だと思うけど、番組中での具体的な言及は無し。その理由への追及も無し。

まぁ、こんな事件があったことも知らなかった視聴者(私)に、「なにかがおかしい」と思わせる意義はあったと思うけど。

製作者側の「察して」を感じて勝手にいろいろ想像してしまうのは、内容は全然違うけど、テレビ局が舞台でもあるドラマ「エルピス」の影響かなぁ…

観ようと思ったきっかけは「長澤まさみ4年ぶりの主演ドラマ。落ち目の女子アナ役」で、コメディーだと思っていたのだった。

かつての鈴木保奈美主演「ニュースの女」(美少年だったタッキーも出ていた)を思い出したり。ああいうタイプの主人公像って好きなのよねーなどと。

タイトルの「エルピス」もエルビス・プレスリーをもじったのかなぁ、などとまったくとんちんかんな連想をしていた…

ということで、「カルテット」「大豆田とわ子と三人の元夫」の佐野亜裕美プロデューサーに脚本渡辺あや、そして演出大根仁、音楽大友良英という豪華スタッフによるものと後で知ってびっくり。

今のところすごくおもしろい。最後までおもしろいことを祈る。


10月に観た映画など

2022年11月01日 | テレビ・ラジオ・映画など

大きなシネマコンプレックスで今上映しているのがほぼ邦画で、ぜひ観たい!というものがなかなか現れないのが寂しかったりもするのだが。

ちょっともう記憶が遠くなってしまったが10月某日

シネコンの大劇場で「川っぺりムコリッタ」(荻上直子監督)を観た。

荻上監督といえば、私には「かもめ食堂」「めがね」のイメージで止まっている。

今回観た主な理由は「富山ロケ」。

川べりやお寺や空の風景が美しく、セミの声とか「やっと夏が終わった」頃に観たせいもあって、夏のあれこれを懐かしく感じた。

モーモーちゃんの「とやまの牛乳」もさりげなく登場。

毎日イカの塩辛にごはんだと塩分過多にならないかと思うけど、若いからいいのか。

劇中、満島ひかりが妊婦さんの生々しさへの違和感を語る場面があったけど、それが、監督からのこの映画への釈明のようにも感じられた。

「死」とか「散骨」とか考えれば考えるほど重いテーマだが、そこもファンタジーっぽくふわっとした印象で描かれている。

それを良しとするかどうかで評価はだいぶ変わってきそう。

塩辛になる前のさばいたイカのアップ映像なんかもあって、リアルな生々しさを見せたかったのかもしれないけど、なぜかピカピカきれいに見えた。

私も生々しいことは苦手だけど、かといって、生きるとは生々しいこと。そのへんの折り合いの付け方は難しい。フィクションの中へのリアルの折り込み方がうまくいってなかったかな、と、個人的に愛着持てる感じではなかったというか。

--------------

「ほとり座」は上映期間が短く、タイミングが合わないことが多く残念。

ノルウェー映画だったか「わたしは最悪」というのがおもしろそうだったのだが、すぐに終わってしまった。

矢野顕子さんの楽曲「LOVE LIFE」から生まれたという同名の映画、シネコン上映が終わった後、ほとり座でもやっていたのだが、やっぱり観に行けずに終了。

予告を観る限りでは、絶対観たい、という感じではなかったから、まぁ、いいか…と。

私が、矢野さんの楽曲をフィーチャーした映画をつくるとしたら、違った側面からアプローチするなー、などと、ファンの対抗意識?か妄想が飛躍する。

最近、森茉莉のエッセイに励まされているせいか、やんちゃでファンキーなおばあちゃんが主人公の映画はどうだろう、とふと思う。

(ピアノということでフジコ・ヘミングさんのイメージが混じってきているような気もするが)

日本少女ならぬ日本老女…と書くと字面があんまりだから、永遠のJAPANESE GIRLってことで。私の魂のテーマ曲「The Girl of Integrity」は主人公が颯爽と登場する場面に使いたいですね。


9月の終わりに観た映画

2022年11月01日 | テレビ・ラジオ・映画など

どういうわけか10月はまた書かないままに過ぎていった。

「ほぼ日5年手帳」は毎日書いているのだが。(3日まとめて書くということもあるが)

気負わずさらっと書いていこう。

9月から10月にかけて結構映画を観た。

「ほとり座」で「フランス映画週間」というのをやっているのに気づき、初めて赴いてみた。

平日というか空いてそうなら予約は要らないということが分かって敷居が低くなった。

簡単に感想を。

「みんなのヴァカンス」(ギヨーム・ブラック監督)

久々に観たフランス映画、現代の若者および周辺の事情も分かってすごくおもしろかった。これ、舞台を日本にして翻案してもいけそう。坂元裕二脚本っぽい感じで。昔はフランスものを日本で換骨奪胎すると「オシャレ」しか残らなかったような気がするけど、今は人種貧富等社会問題のベースも共有されてきているから、舞台を変えてもそのまま再現されそう…

あそうそう、登場人物が着ているTシャツが印象的だったのはこの作品だったかな。そのうちの1枚は「おおかみこどもの雨と雪」。日本アニメ浸透してるのね。

おもしろかったので、この監督の作品を続けて観てみた。

「やさしい人」

監督の長編第一作とか。これはちょっとヘタに日本で翻案するととんでもないことになりそうな、うわぁ...という展開が。監督の個人的趣向というかクセというか創作欲求の源が分かったような。

そうそう、出てくる犬がものすごくお利口で、このワンちゃんが見られただけでも元が取れた気が。

残念ながら観られなかったのが「女っ気なし」という劇場デビュー作。原題は「女のいない世界(un monde sans femmes)」。ここから「女っ気なし」という邦題を導き出す日本語力はすごい。

(逆に「みんなのヴァカンス」の原題は「接触」「衝突」という感じのビシッとした単語だからちょっとなぁと思うが、内容からはこれしか付けようがないか…「やさしい人」はいっそう「?」なタイトルだが、原題は「トネール」という町の名前で日本人には分かりにくいからしょうがない。)

ほかに「勇者たちの休息」(夜勤明けで半分眠ってしまった…)「7月の物語」を観た。

「フランス映画週間」で、ほかには「彼女がいない部屋」(マチュー・アマルリック監督)を観た。

予告を見るだけだと、悪い意味でのフランス映画イメージの辛気臭い気取った映画だったらどうしようという不安があったのだけど、良い方向に裏切られ、すごくおもしろかった。

ピアノの音が印象的だった。